SSブログ

「仮面ライダー×スーパー戦隊×宇宙刑事 スーパーヒーロー大戦Z」2013 [映画・特撮]

91tCkUt+HLL._AC_SL1443_.jpg
〔2013年/日本/東映〕





ショッカーがスペースショッカーとして新生し、
仮面ライダーウィザードは、この現象の張本人として、
銀河連邦警察からやって来た
宇宙刑事ギャバンtypeGの攻撃を受ける。

そのころ、特命戦隊ゴーバスターズのヨウコは、
空から落ちてきた謎の小型ロボット・サイコロンを
回収していた。やがて、ショッカーを復活させたのが
宇宙犯罪組織マドーだということが判明。

銀河連邦警察は、超次元砲で地球ごとマドーと
スペースショッカーを殲滅することを決定する。





 最低の脚本。

出だしからお互いに「正義」だの「平和」だの口にしながら、
出会い頭に剣を手に仮面ライダーに襲い掛かるギャバン。
有無を言わさせぬ、これはもうヤクザの鉄砲玉の手口。

で、戦ううちに「これはなんかおかしいぞ…」と、
違和感を覚えた新ギャバンが、もう一度調査をしたいと、
上官である元祖ギャバンに申し入れるも却下。

それどころか、宇宙刑事の資格を取り上げてしまう。

この元祖ギャバンの扱いが最大の問題点である。

部下の話を聞かない。
部下が危機にあい、死にかけても変身(蒸着)能力を
取り上げたまんま放置。

とどめに、敵組織を壊滅させるためならば…と、
地球ごと「超次元砲」で破壊することを独断で決定。

で、実際に発射スイッチを押す!。

押す前に確認しないギャバンが押した後に、
「今、押したよ~ん!」と連絡をしてくる。
自分の直属の部下が3人も地球上にいるのに…!。

そうか!これはギャバン隊長が悪に操られているんだ!、
誰もがそう思ったのだが、ギャバン隊長の意思でやってる…。

地球人の母を持ち、地球で生まれ育った一条寺烈ならば、
こんな行動をとるハズがない。
ここまでギャバン隊長を狂った独裁者に描くとは…。

さらに92分という短い本編中に、
「仮面ライダー」「宇宙刑事」「戦隊ヒーロー」、
さらには「メタルヒーロー」までを出そうと欲張った結果、
どのヒーローの扱いも影が薄い。

「イナズマン」とどめには「キカイダー」まで出すのだもの、
そりゃあ散らかりまくったストーリーになるわ。

ヘタな鉄砲も数打ちゃあ…式で、かつてのヒーローに対する
愛情が微塵も感じられない。ただ、にぎやかしに出てくるだけ。

この脚本でOKサインを出す製作者の良識を疑う出来。




評価 ★☆☆☆☆
nise!(10) 

「宇宙戦隊キュウレンジャーVSスペース・スクワッド」2018 [映画・特撮]

81OXyi9KKNL._AC_SY445_.jpg
〔2018年/日本/東映〕




ハミィが強盗!?そして指名手配!?。
ドン・アルマゲとの激闘から4年。
平和な日常を過ごしていたキュウレンジャーたちに
激震が走る。ハミィが突如、リベリオンを襲撃し、
新たに開発された“ネオキュータマ”を盗み出したというのだ。

悪用を恐れ、事態を重く見た宇宙連邦大統領のツルギは、
ハミィを全宇宙に指名手配することを決意する。

激昂したラッキーは、同じくハミィを信じる仲間と共に
ツルギらと対立。その埋めがたい溝は、彼らの袂を分かつ。

そこへ、宇宙を超えてやってきた2人の男。
十文字撃=宇宙刑事ギャバン。烏丸舟=宇宙刑事シャイダー。
キュウレンジャーの前に現れたスペース・スクワッドの
目的とは?そして、内部崩壊したキュウレンジャーを
待ち受ける、驚愕の結末とは!?。




日本版アベンジャーズ…とも言える、東映の戦隊シリーズ、
宇宙刑事シリーズ、夢の競演で大盛り上がり!…のハズだが、
ストーリーがもう、1.000年前から使い古されている
正義メンバーのひとりが裏切り!、
そして味方チーム内部に亀裂が…だが、それには事情があった…。

これな。

さらに合流する宇宙刑事2人も段々老けてきて、
反社会的組織から抜けられないチンピラと半グレ…みたいな
雰囲気になってきてしもうて、「正義の人」に見えない…。

今回もまた特撮作品OB、OGの再就職先…みたいな一作に
仕上がってしまった。

ここまでいい素材が揃っていながら、
なぜ海外に勝てないのだろうか。勝負なんてしてないと、
言われればそれまでだが…。




評価 ★★☆☆☆



nise!(11) 

「宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」2012 [映画・特撮]

719oWbP-2LL._AC_SY445_.jpg
〔2012年/日本/東映〕




かつて、全宇宙で凶悪犯罪の限りを尽くした
宇宙犯罪組織マクーの残党が、ドンホラーの復活を目論み、
暗躍しているという。

地球の宇宙物理学研究開発機構・SARDが
マクーの襲撃に遭い、そこに務める女性・河井衣月が襲われる。
その危機に銀色のコンバットスーツに身を包んだ戦士が現れ、
モンスターを撃退する。

その戦士は1年前、スペースシャトルの遭難事故で
生死不明となっていた十文字撃だった。

撃は謎の人物によって救助された後、バード星に運ばれ、
コム長官から直々にスカウトを受け、
宇宙刑事になるための訓練を積んでいたが、
演習中に地球の危機を知って駆けつけたのだ。

まだ正式な宇宙刑事ではない撃はコム長官を説得し、
相棒のパートナー・シェリーとマクーの調査を開始する。





放送から30年を経て、ついに「宇宙刑事ギャバン」が
劇場映画となって帰ってきた!。
現在の視点で見ても、ギャバンはカッチョよく、
そして「新しい」。

「ロボコップ」の製作者が、ギャバンのデザイン、
パクらせてもらってかめへん?と許諾を求めてくるほど、
1980年代、それは斬新なヒーローの誕生であった。

その後、出来上がった「ロボコップ」を見て、
石ノ森章太郎先生が、あれはボクの「ロボット刑事」の
パクリだよ、とおっしゃった。

日本のヒーローが世界に与えた影響は大きい。
が、元祖は踏み台にされて世界のヒーローは増々発展。
日本は同じものの焼き直しでガラパゴス化してゆく…。

さて、本作では30年前にギャバンを演じた大葉健二さんが、
再び、ギャバンとして登場。アクションをご披露。
30年経ってもまだまだ現役の健在っぷりを見せつける。

なんせ、並ぶと今の若手よりも強そう…というか強いやろ?。
このジジイには勝てない。
そう思わせる貫禄がある。

30年前、初登場の時点からすでにオッさんだったので、
多少老けようが、オッさんがジジイになった程度にしか感じない。

そう、昭和のヒーローはお兄さんではなかった。
頼れるオジさんだったのだ。今は…若いね。若すぎて頼りない。
一緒に戦ってあげなくちゃ…と感じてしまう。

本作で展開される若手の恋バナとか、ゴチャゴチャしたのは
正直・・・いらないんじゃないかね?。

バッサリ、アクション巨編にしたほうが
世界と勝負出来たんじゃないだろうか。

海外のヒーローモノもよくよく見ると、
そんなにストーリー性、ないやろ?。
観客はヒーロー映画に池上遼一先生のスパイダーマンみたいな、
うじうじ感はもとめてないで。(けなしている訳ではない)。

結論として、とにかくギャバンはカッコイイ。それだけ。




評価 ★★★☆☆
nise!(12) 

「死にゆく妻との旅路」2011 [映画・邦画]

shiniyukutsumatonotabiji-038b2.jpg
〔2011年/日本/「死にゆく妻との旅路」製作委員会〕





清水久典は石川県七尾市で縫製工場を営んでいた。

11歳下の妻と結婚して20数年、
一人娘の沙織にも恵まれ、平凡ながらも幸せに暮らしていた。
しかし、知人の借金の保証人になったことから
生活は一変する。資金繰りに行き詰まった知人が
行方をくらまし、借金をかぶってしまった上に、
バブル崩壊のあおりで工場の経営が悪化。

清水は多額の借金を抱えるようになる。
そして清水が資金繰りに奔走している中、
妻、ひとみが大腸癌であることが分かる。

手術で癌を取り除いたものの、医者からは早ければ
3ヶ月で再発する可能性があることを告げられる。

そして、1999年12月。清水久典は保護責任者遺棄致死で
逮捕される。ガンで余命わずかの妻とともに9ヶ月に渡り、
ワゴン車で日本各地を放浪し、結果として妻を死なせたからだ。

清水は留置場でこの1年数ヶ月の日々、
そして妻との旅路を思い出す…。





実話だそうだ。
私がボランティアをしている個人自宅警備員宿舎の上映会で
アマゾンプライムのラインナップに入っているため、
見ることができた。1.900円払って劇場では…見ないだろう。

腹立たしいだけの映画。

表向き、夫は「大丈夫か?」「大丈夫か?」と、
やさしい言葉をかける…が、実際はなにひとつ動かない。
仕事を探す…と口では言いながら、
ハローワークに赴くも、自分の条件に合う仕事がない…と。
最終的に手持ちの金がなくなり、病身の妻を銭湯に
連れて行くことも出来ず、公園のトイレで体を拭かせる始末。

日々、病状が悪化し、妻から表情が消えていくというのに、
なにをしていいのかわからない状態。
毎朝、公園の猿のオリの前を掃除していたりする。

なにをしているの?。
とっとと自己破産して生活保護でも受けろよ。
ただただオロオロするばかり。

入院するのはイヤと妻がいくら言っても、
治療も受けさせず車でアチコチをフラフラ。
雪の積もる沿道で暖房もつけずに車内泊。
…健康な人間でも朝、凍死しとるわ!。

あげく妻に死なれても現実を認められず、
逮捕、釈放され車内に妻の姿がないことに気づき、
ようやく「妻の死」を認識した様子。

錯乱した夫=父親が車に引きこもり、
こども部屋おじさんになった瞬間、
娘がいきなり車の窓を叩き割り、父親をしばきたおす!。
娘最強!。


これを「殺人」として逮捕するのは正しいのか?、
昨今、「死ぬ権利」「安楽死を認めろ」などと声高に
叫ばれる自由な世の中だが、やはりこれは「殺人」。

私にも29歳年下の妻がいるが(?)、
同じ状況に追い込まれたとしても、
それでも私は妻を殺さないし、殺せない。




評価 ★★☆☆☆
nise!(10) 

「ガールズ・イン・トラブル スペース・スクワッド EPISODE ZERO」2017 [テレビ特撮平成]

91K7UC-EwuL._AC_SL1500_.jpg
〔2017年/日本/東映〕




留置場の独房で目覚めたジャスミン。
その留置場には、ウメコやシェリー、タミーといった
女性刑事ばかりが入れられていた。

ジャスミンたちは野獣のようなヘルバイラと戦い、
殺され、留置場の独房で目が覚めるという
体験を幾度も繰り返す。

なぜ、ここへ連れてこられたのかわからぬまま、
彼女たちは戦い、そして死ぬをループする状況だった。

ここから脱出する方法はあるのか…?!。





「特捜戦隊デカレンジャー」のヒロイン2人を中心に、
「宇宙刑事」のヒロインを絡めたドキッ!女だらけの
スペシャル企画。

おっ!これは今までありそうでなかった
「女性だけの戦隊チーム」結成か?さすがVシネマ、
自由度が違う。テレビではやれない事をやらなくちゃ!。

と、喜んだのもつかの間。

これは…、
子供に一番見せてはいけないシロモノだった…。

ストーリー序盤は、同じ時間、同じ体験を
繰り返すうちに打開策を見つけ出す…という、
すでに使い古されたパターン。

いけないのは「死んでもまた生き返ればいいよ!」と、
「死」をあまりにも軽々しく扱っていること。

さらにこの無限ループは、味方組織が最強の戦士を
選抜するために仕組んだことだと判明。
その方法が…、飲み物にクスリを盛り、眠らせてる間に
メンバーを勝手にバーチャル装置に繋いで、
戦う、死ぬを疑似体験させていたというのだ…。

いくらVシネマとは言え、女性に一服盛って…。
いいのだろうか…。

戦いの場面も無駄に血が流れ、
「どうです?スゴイでしょ?テレビでは、
こんな表現できませんよ?」…。
そんな製作者側の「どや顔」が見え見え。

戦闘方法もエゲツない。正義側のヒロインが、
生身の相手の首を両手で絞める…。

そして「宇宙刑事シャイダー」のVシネマ版から続く、
「とりあえずパンツ見せておけ」な画面。

とどめが女同士の接吻での物語の終息…。

もう、内輪で楽しんでる感しか伝わってこない…。

ボクたちが本当に見たかったのはコレじゃない。

現にこの後にシリーズは続いていない。(現時点で)。





評価 ★☆☆☆☆
nise!(12) 

「宇宙刑事シャイダー NEXT GENERATION」2014 [テレビ特撮平成]

91amMR7v6oL._AC_SL1500_.jpg
〔2014年/日本/東映〕





シャリバンの事件後、ホラーガールを追跡していた
ギャバンこと十文字撃は突き止めたアジトを襲撃するが
肝心のホラーガールに逃げられてしまう。

その直後、エリーナ秘書官から捜査中止の連絡を受けて
バード星に帰還したギャバンは
ゴードン長官の娘、ヒルダが誘拐されたことを知る。

その頃、地球では2代目宇宙刑事シャイダー・烏丸舟が
武器密輸の常習犯、不思議獣ピタピタを追っていた。
取引現場を抑えようとした寸前、突如現れた相棒の
女宇宙刑事・タミーの乱入により、犯人を逃してしまう。

辛うじて逮捕したシャイダーだったが、
荷台から発見されたのは、誘拐されたヒルダであった!。





「シャリバン」よりは見られた。
「宇宙刑事」っぽさを感じられたから。
というのもオリジナルキャストの鈴木正幸、森永奈緒美さん
によるご出演に頼るところが大きい。

元祖・シャイダーの円谷浩さんはすでにお亡くなりに
なっているため写真でのみご出演。

元祖が真面目なイメージがあるため、2代目シャイダーが、
あまりにも軽い。チャラい。いいトシのオッさんなのに…。
2代目だからと言って、まったく同じキャラクターを
受け継ぐ必要はなく、むしろ「オレのシャイダー」を
創りあげるべきではあるが、それにしても軽い。

それに恋愛面を表に出し過ぎ。イチャライチャラし過ぎ。

その片棒を担ぐ女宇宙刑事もパンツを見せ過ぎ。
初代のアニーは戦いの中でパンツが見える、
この「チラリズム」がいいのに、
タミーはパンツを見せるためにアクションを繰り広げる。

これは女優さんは悪くない。
ただただ監督の趣味なのであろう…。

ここまで大々的に宇宙刑事の復活をブチあげておきながら、
2018年以後、目立った動きはない。
シャリバン役の俳優さんも引退してしまった。

うまく育てれば、東映の仮面ライダー、戦隊に続く、
第3の柱になれた…かも知れない宇宙刑事だったのに惜しい事だ。

しかし旧作頼みで「新しいもの」が生まれない現状。
どうにかしないといけないと本気で思うな。

もう、東映には「ザ・カゲスター」とか「キョーダイン」
「大鉄人17」なんて、「攻めた」作品を生み出す勢いは
ないのだろうか…。




評価 ★★★☆☆
nise!(10) 

「宇宙刑事シャリバン NEXT GENERATION」2014 [テレビ特撮平成]

91vQ3cDDL6L._AC_SY606_.jpg
〔2014年/日本/東映〕




かつて宇宙刑事たちの活躍により壊滅したマクー、
マドー、フーマの構成員と同じ名を名乗る犯罪者たちが
銀河系の各地で暴れていた。

ギャバンこと十文字撃はマクーの残党だった
リザードダブラーと戦い、これを逮捕するが、
その裏にある何かを感じとっていた。

一方、シャリバン・日向快は相棒の女宇宙刑事シシーと
共にネオマドーのガイラー将軍が行おうとしている
違法薬物「ハイパーM」の取引を防ぐために地球を訪れ、
快の幼なじみセイギとその相棒アイリーンと合同捜査を
行うことになる。

しかし、快はゴードン長官からのある「特命」を受けていた…。





本作の2年前から復活した「宇宙刑事ギャバン」から派生した
オリジナルビデオ作品。

なぜだろう。元祖から30年以上の時間が過ぎ、
技術、役者、すべてが進歩・進化している、
していなければいけないハズなのに退化している…。

確かに見た目はCGが発達し、80年代では見られなかった
「画」が実現している。

しかし、ヒーロー物に一番肝心な「熱さ」が足りない。
多少のアラはすべてごまかしてしまう、
おもしろければいいじゃないか、これが正義だ!という、
「熱さ」がない。

で、時代と言えばそうなのかも知れないが、
変身前の役者もみなさん…チンピラとか半グレみたい。
特にギャバンのチンピラ感、ハンパない。
出て来るVシネマ、間違えたんじゃないのか?。
小沢のアニキはいつ出てくるんだ?的な。

ほかの出演者さんも過去の特撮番組の再就職先か?と、
思えるほど、どこかで見た顔ばかり。

残念ながら、宇宙刑事の新たなるステージ!、
というよりも「宇宙刑事」らしきもの…であった。





評価 ★★☆☆☆

nise!(13) 

「深夜食堂」2015 [映画・邦画]

165959_01.jpg
〔2015年/日本/アミューズ映像製作部/ギークサイト〕




ネオンきらめく繁華街の路地裏にある小さな食堂。
夜も更けた頃に「めしや」と書かれた提灯に
明かりが灯ることから、人は「深夜食堂」と呼ぶ。

メニューは酒と豚汁定食だけだが、
頼めば大抵の物なら作ってくれる。

そんなマスターが出す懐かしい味を前に、
客たちの悲喜こもごもな人生模様が交差する。




深夜テレビで人気を博した「深夜食堂」がついに映画化!。
ではあるが、良くも悪くもテレビそのままを3本繋げた
オムニバス…という感じで、果たして劇場に足を運んで
1.900円出してまで観たいか?と問われれば、
「それはいいよぅ~」とおことわりせざるを得ない。

深夜、なにげなくつけていたテレビで、飯テロされながら
現在では希薄になった人情に触れるのがいいのだ。

見た後には何も残らず、残さない。
それがいいのではないだろうか。

あの「深夜食堂」が映画になった!!と気張って観るほどの
モンではなかった。この店の店主同様、深く関わらず、
ただ黙って見守っている。それぐらいの距離感がいい。




評価 ★★☆☆☆

nise!(12) 

「くちづけ」2013 [映画・邦画]

160621_01.jpg
〔2013年/日本〕





知的障害者たちの自立支援のためのグループホーム、
ひまわり荘。元・漫画家の愛情いっぽんこと、
阿波野幸助は娘のマコを連れて、ひまわり荘に
身を寄せ、いっぽんは職員として働く。

しかし、ひまわり荘の経営が難しくなったり、
入居者、うーやんのことで妹の智子が婚約を
破棄されたりと厳しい運命が彼らを待ち受ける。

そして、いっぽんにも病気が見つかってしまう。
こんなに冷たい社会の中でマコをひとりにできないと、
残り少ない自分の命を察した父、いっぽんが
選んだ選択は…。




まさか竹中直人さんに泣かされる日が来るとは!。

障害を持つ者の家族が背負った宿命…。

もう、この父親の視点で見てしまう訳よ。
死期を悟った父親の視点で。
身内が誰一人おらず、せっかく施設に預けても、
抜け出して父親の元に戻ってきてしまう。

こんな時、第三者は
「誰か相談する人はいなかったのか?」とか、
「気付いてやれる人はいなかったのか?」とか、
軽々しく言ってくれちゃうが、言える人はいい。

でも、すべて自分の責任だと感じて、
自分が片付けてしまわないといけない、
他人に迷惑をかけてはいけないと
背負いこんでしまう人がいる。
どうしてそれを責められようか。

後半、泣きながら娘の首に手をかける父親の姿がある。
もうここで涙腺が崩壊する。

竹中直人やで!あの竹中直人が泣かせに来よるんやで!。

本作は竹中直人がいつもの竹中直人ではなく、
抑えた竹中直人で「愛情いっぽん」を演じきり、
ほかの出演者も抑えた演技を見せている…が、
ただひとり、宅間孝行という、うーやんを演じた
よく知らない俳優さんが浮きすぎ!。

これは舞台劇の演技やろ?。

会話も的確な返しが上手すぎて、知的障害者というより、
コメディアンのそれである。

最後までこれを貫いており、ここだけが見ていて厳しい。
と、今資料を見たら、この映画の脚本書いてる人なの?!。

脚本だけにとどめておいたほうがよかったんじゃない?。




評価 ★★★★☆

nise!(10) 

「恋妻家宮本」2017 [映画・邦画]

169227_01.jpg
〔2017年/日本/ビデオプランニング〕




子供が独り立ちした中学教師の宮本陽平と妻・美代子は、
25年ぶりに訪れた夫婦二人きりの生活に困惑してしまう。

ある夜、妻側の記入欄が記載された離婚届を見つけ陽平は
激しく動揺するが、美代子に意図を聞き出すこともできず
悶々とした日々を過ごす。

混乱しながらも陽平は、料理教室の仲間や教え子と
関わる中で家族の在り方を見つめなおし、考えはじめた。





重松清先生の小説「ファミレス」を劇場映画化。
「こいさいか」と読むのか。

正直、劇場に足を運んで1.900円出して、
普通の夫婦の普通の生活、ありふれた日常を
見たいとは思えない。

出演者のファンで盲目的に、この人が出ているから、
これは「お布施よ!」と劇場に行くなら
それはそれでアリとは思うけれど。

劇場作品に求めるのは「非日常」ではなかろうか。
約2時間、私の目は私の体を離れて、この作品世界の中へ
入り込んでゆく…そんなウルトラでQな体験を求めて、
1.900円を払うのである。

エンディング。吉田拓郎の曲を
ファミレスに集合している出演者たちが
歌い継いでゆくシーンは、カーテンコールのようで
おもしろかったが、やはり劇場スケールとは感じず。

じゃあどうすれば劇場にふさわしい作品なのか?と、
問われれば答えに困っちゃうが、あまりにも起伏が
なさすぎて暗闇で観ていたら寝てしまうコース決定。
刺激が!刺激が欲しいんだよ!オレは!!。
もっと熱い刺激が!。






評価 ★☆☆☆☆


nise!(11)