「ありがとう」第4シリーズ 第1話 1974 [テレビドラマ昭和]

〔1974年/日本/テレパック〕
歴史と伝統に育まれた学生の街、東京・神田。
その神田に安くて美味しいカレーライスの店、
「春」があった。
その店の女主人・春木治香は、開けっぴろげな性格で、
みんなから慕われていた。彼女の一人娘・吉は
明朗活発な上にキップが良く、学生達のアイドル的な
存在である。
ある朝、四月から近くの小学校の先生になったばかりの
「仲よしパン」の長男・金太郎が松葉杖をつきながら
「春」にやって来た。
金太郎は、春休みを利用してスキーに行ったが、
足をくじき、初出勤が遅れていたのだった。
ようやく退院し、シャバの空気を味わい、この店の
カレーライスの味に飢えてやってきた。
ファンの間では「幻」と呼ばれていた第4シリーズ、
「カレー屋編」の全貌がついに明らかに!
1974年(昭和49年)製作って、ほぼ半世紀前の番組
だよ!関西ではほぼ再放送もなかったのではなかろうか。
「ありがとう」といえば、世間一般では
水前寺清子&山岡久乃コンビのドラマだと相場は
決まっている。そのシリーズが全3作あり、
それぞれ婦人警官、看護婦、魚屋とシリーズ毎に
商売と舞台を変えて、放送を続けてきたが、
主演コンビは不変だった。
それが第4作を製作するにあたり、主演2人を交代
させてしまう。京塚昌子、佐良直美による、
「肝っ玉かあさん」コンビの登場である。

(TBS、テレパック伝統の第1話、出演者テロップ)
推測ではあるが、製作側としては水前寺清子続投で
第4シリーズに突入したかったのだろうが、当時の
チーター(水前寺清子)人気はすさまじく、
ちょっともう、やってらんね…という感じで、
降板したのかも知れない。

そのため、歴代「ありがとう」の出演者は、
ほぼ顔を揃えていながら、水前寺清子「だけ」が
いない世界、パラレルワールドのようになっている。

(へーちゃんもしっかりいる)
50年という時の流れは残酷である。
ビデオ撮影のため、色褪せることもなく
テレビに映し出される人々はイキイキと
しているが、すでに半数は鬼籍に・・・。

だって、岡本信人が詰襟だよ?!
この時点でもちょっと無理があるが。

まだ道端の草なんか食ってない時代ですよ。

時代を映すといえば、このみそラーメンの
おっさん。彼は劇中で「まぁまぁパンダ」という、
あまり有難くないミドルネームで呼ばれている。
これは当時の世相で上野動物園にカンカン、ランラン、
キンキン、ケロンパというパンダがやって来て、
一大ブームを起こしていた影響なのだろう。
どう見ても「どタヌキ」なのに。
物価も驚くばかり。

「野菜カレー150えん」!!
今、ココイチでちょっとトッピングしたり、
調子に乗って、大盛りにしたりすると
確実に一杯、1,000円は軽く超えてしまうんだよ!
もう怖くて、表でカレーなんか食えないよ!
そうか・・・150円か・・・。
ありがたい事に全話数分の映像をご提供いただいたので、
これからしばらくご一緒に「幻」と呼ばれた
第4シリーズを紐解いていこうではないか。

■番組出演 京塚昌子、佐良直美、山岡久乃、井上順、荻島真一、
研ナオコ、沢田雅美、大和田伸也、金田竜之介、佐野浅夫、
石坂浩二、音無美紀子、藤岡琢也、長山藍子、尾藤イサオ、
岡本信人、上村香子、奈良岡朋子、若山直嗣、伊藤洋一、
浜田雅子さんほか。
評価 ★★★☆☆
「日本沈没」1974 第1話 [テレビドラマ昭和]

〔1974年/日本/東宝企画〕
■第1話 飛び散る海
地球物理学者である田所雄介博士は、
地震の観測データから日本列島に異変が起きて
いるのを直感し、単身、調査に乗り出した。
潜水艇操艇者の小野寺俊夫、助手の幸長信彦助教授と
共に小笠原沖の日本海溝に潜った田所は、海底を走る
奇妙な亀裂と乱泥流を発見する。異変を確信した田所は
データを集め続け、一つの結論に達する。
それは「日本列島は最悪の場合、2年以内に地殻変動で
陸地のほとんどが海面下に沈降する」というものだった。
最初は半信半疑だった政府も、紆余曲折の末、
日本国民と資産を海外へ脱出させる「D計画」を
立案・発動する。
しかし、事態の推移は当初の田所の予想すら超えた
速度で進行していた。各地で巨大地震が相次ぎ、
ほとんど動きがなかった休火山までが活動を始める。
精鋭スタッフたちが死に物狂いでD計画を遂行し、
国民を続々と海外避難させる。
一方、あえて国内に留まり日本列島と運命を
共にする道を選択する者たちもいた。
我々の祖国、この美しい桜の国、
日本は本当に沈んでしまうのか・・・。
オイルショック、ノストラダムスの大予言、公害汚染…。
世紀末を思わせる混沌とした日本列島に、とどめを
刺すかのように刊行されたSF小説の大家、
小松左京先生の原作にして一大ベストセラーとなった
「日本沈没」を、東宝テレビ部が劇場用作品と並行して
全26話のシリーズとして制作したTV版「日本沈没」
今のテレビ界では実現不可能な放送期間半年に渡り、
丁寧に作られた物語は、劇場版をはるかに上回る
感動と迫り来る恐怖を与えてくれます。

そりゃあいきなり、日本が危ない、日本が沈む!
なんて言われても、一般人には理解されないわな。
キチガイ扱いの田所博士を映画と同じ、
小林桂樹さんが演じる。物言いが横暴であり、
コイツの勝手なふるまいにより、小野寺の婚約者は
地震の被害に遭い、あっけなく死んでしまう。

そのため、恨みすら抱いている小野寺。
しかし物語の展開上、度々「偶然」にして、
アチコチで出くわす、田所と小野寺。
その度にふたりの距離は近づく・・・。
こちらも「偶然」出くわす由美かおる。
登場当初は金持ちのご令嬢でイヤなオンナ。
度々「偶然」顔を合わせるうち・・・。
その度にふたりの距離は近づく・・・。

橋本功との距離は最初から近づきまくりである。
主題歌はなんと五木ひろしさん。
今だと月9ドラマを三山ひろしさんがケン玉片手に
担当するようなものか。
でも、あの時代、子どもでも演歌や歌謡曲を口ずさんで
いたような・・・歌にそれほど垣根がなかったように
思える。ブリンバンボン・・・なんて、気軽に歌えんもんな。
■番組出演 村野武範、由美かおる、小林桂樹、黒沢年男、
細川俊之、田中邦衛、沢田亜矢子、仲谷昇、鳳啓助、京唄子、
橋本功、丹阿弥谷津子、 伊豆肇、大和田獏、玉川伊佐夫、
五木ひろし、佐原健二、望月真理子、夏純子、相原巨典、
高野浩幸、マリ・クリスティーヌ、小栗一也、岡本信人、
小塙謙士、下條正巳、阿部百合子、佐々木孝丸、幸田宗丸、
松下達夫、曽我町子、小鹿番、大井小町、今井和子、新堀俊明、
村井国夫、津野哲郎、木田三千雄、新井つねひろ、山瀬洋、
岩城けい子、桂木美加、勝部義夫、草間璋夫、夏木順平、
榊田敬二、杜沢泰文、酒井郷博、池田義彦、山本圭、山村聰、
中村鴈治郎、田中邦衛、新堀俊明、池水通洋、市川治、作間功、
橋本功、佐々木孝丸、水沢アキ、小倉一郎、浜美枝、小川知子、
土屋嘉男、穂積ペペ、大村崑、大門正明、麻里とも恵、内田朝雄、
根上淳、柳生博、穂積隆信、新克利、柳沢真一、牧伸二、
竹井みどり、千石規子、石井富子、三重街恒二、林家木久蔵、
高津住男、武智豊子、下條アトム、藤木悠、加茂さくら、
吉田義夫、山添三千代、福田豊士、北沢典子、轟謙二、岸田森、
内藤武敏さんほか。
評価 ★★★☆☆
「百円硬貨」1986 [テレビドラマ昭和]

〔1986年/日本/松竹〕
銀行員の伴子は会社員の竜二と3年越しの
不倫の関係にあった。竜二の妻・松子は現場を押さえ、
二人に別れるよう迫るが、伴子は頑なにそれを拒む。
意地になった嫌われ松子は娘を連れて実家に帰るが、
絶対に離婚は承知しないと告げる。
八方ふさがりの2人に松子がいやがらせをしてきた。
2,000万円を用意すれば離婚してもいいという。
これはチャンス。松子の気が変わらぬうちにと、
焦る二人。伴子は銀行の金を横領する決意をする・・・。
時の流れというのは怖ろしい・・・。
松本清張先生原作による超一流サスペンス、
幾度も映像化された切ない名作を「コントにしてしまった」
「百円硬貨」という「焼肉定食」に並ぶ、印象深い
四文字熟語によるタイトルが人々の記憶に焼き付く。
この物語のキーポイントとなるアイテムが100円玉である。
たった一枚の100円玉がなかったために、この男女の運命は
大きく変わってしまった。
1986年と2024年で我々の間に広く行きわたったのが、
スマホにインターネット環境。これがあるために、
男女が待ち合わせ場所ですれ違う・・・などという
現象はもう起こり得ない。
この作品に出て来る二人の通信手段は、電話。
それも公衆電話だ。そして二人はお互いの手帳に
連絡先やスケジュールを書き込む。
まず、現代において「公衆電話がほぼ・・・ない」
この時点で、もうこのドラマが成立しなくなる。
銀行の毎日の締め業務もオンラインではない。
現金を人間が手で数える。
だから、伴子が2,000万円を数えるフリをして、
足元のゴミ箱に投げ込み、あとで回収・・・なんて、
アナログな窃盗技が実行できた。
伴子が逃亡のために乗り込んだ電車。
電車内に弁当の売り子がやってくる。
売り子が現在ではもう存在しない。
思えば、伴子が腹を空かしていなければ、
ここで支払いに細かいのを使わなければ、
この二人に明るい未来があったのかも知れない。
しかし伴子は余裕をこいて、空腹であろう奥田瑛二に
おみやげのシュウマイまで買ってしまう・・・。
シュウマイさえ買わなければ・・・。
辿り着いた田舎の駅。
待ち合わせ場所の駅に奥田瑛二がいない。
電話・・・しなくちゃ・・・!
しかし、この公衆電話は100円玉しか使えない!
さぁ、困った!
近くに一軒だけある商店はまだ開いていない、
駅員も一万円札の両替なんかできね~と断わられる。
池上季実子発狂!
うまい具合に電車に乗ろうとする親子連れが、
窓口に100円玉1枚を置き忘れていった・・・!

ゴクリ・・・!

思わず、その100円玉を手にする池上季実子。
しかし、手にした途端・・・。

「泥棒!!」と大騒ぎ!
2,000万円の現金をバッグに持ちながら、
100円玉1枚がなかったために、二人の計画は
ここで終焉を迎えたのだ・・・。
そもそも・・・そもそもだ。
芸能界でもサラブレットな池上季実子さんが、
奥田瑛二に罪を犯してまで魅かれるのが理解できない。

正直「棒」である。
よく言えば自然体、素直に言えば大根役者。
役柄上でも金もないクセに発情だけは一人前。
スキあらば発情。でも、金はない。
退職金の前払いを・・・!と会社に頼んでも、
200万円を切るという役立たず。
しかし発情だけは忘れない。
思うに池上季実子ももう後には引けない状況に
追いこまれていたんだろうな。
とにかくあの正妻にだけは負けたくない・・・、
その思いが職場からの横領まで実行に移させた。
手癖の悪さというのは生まれつきなのだろう。
目の前にある人の100円玉にも平気で手を出し、
そして破滅。
100円玉を手に入れる方法はほかにいくらでも
あったハズなのだ。村人に1万円と100円を交換して!と
お願いすればよろこんで!だろう。
交番があるのだから、そこで電話を貸してもらってもいい。
なのに、どうしても100円玉を使って、公衆電話から
連絡をしたい!この「こだわり」
そもそも、奥田瑛二に対しても「信用」はしていなかった
のだろう。待ち合わせに30分遅れた程度でここまで騒ぐ
必要もない。それが信用に足る人間であるならば。
すべての元凶は奥田瑛二にあり。
■番組出演 池上季実子、奥田瑛二、沢井桂子、白都真理、
福田豊土、北村総一朗、弓恵子、宗方勝巳、唐沢民賢さんほか。
評価 ★★☆☆☆
2024-09-21 12:00
nise!(22)
■「姫君捕物控」DVDサーカイブコレクション 加賀まりこ/二谷英明/団次郎さん■ [テレビドラマ昭和]

〔1972年/日本/日活/ユニオン映画〕
江戸小伝馬町のおんな牢に、武州無宿お竜という
名の女が入れられた。牢名主のお紺をはじめ
古顔の女たちは、お竜を痛めつけてやろうと
手ぐすねひいて待っていたが、そのお竜に
あっという間に全員のされてしまった。
このお竜、実は大岡越前守の娘、霞だった。
天一坊事件にたずさわっている父、
越前の片腕となって事件の調べに乗り出そうと
この牢に潜入していたのだ。
お竜の活躍により、徐々に物語は
天一坊事件の核心へと迫っていくのであった。

忍法帖シリーズなどでファンからの支持も厚い、
山田風太郎先生原作による「おんな牢秘抄」を
原作に青春ドラマシリーズを数多く手がけた
ユニオン映画が1972年(昭和47年)、
日本テレビ系で放映開始した「姫君捕物控」
大岡越前ご本人の映像化は数多いが、その娘が
主人公…というのはめずらしく、それを演じるのが
加賀まりこさん。実におきゃんでおちゃっぴぃな
お竜=霞が魅力的な一作。

本作は近年、オリジナルが改変されてしまい、
完全版で再見するのが困難となっている。
時代の流れかオープニング、いきなり全裸で
太鼓を叩く女性の姿がオールカット。
シルエットで描写されており、それほど刺激的
ではないのだが・・・。
さらには本編中も残酷描写がカットされており、
中でも最終話ラストの団次郎(団時朗)さん演じる
天一坊の処刑場面をまるごと削除!
「ウルトラマン夕陽に死す」場面が
欠落しているのだ。これでは作品全体に与える
印象も大きく変わってくるのである。
今回の商品化にあたり改変前のマスターを発見。
現行の修正後全13話と手を加えていない状態の
全13話、両方のバージョンを収録!
さらに映像特典として、同じ原作をもとにした
貴石彩子さん主演、1995年製作のビデオ作品
「美女奉行 おんな牢秘抄」全2作を巻末に収録。
カット前、カット後、そして95年版、違いを楽しもう!

第1話「無作法ご免」
第2話「無作法ご免その2」
第3話「手前生国は」
第4話「手前生国はその2」
第5話「読経無用」
第6話「読経無用その2」
第7話「娘占い師」
第8話「娘占い師その2」
第9話「刺青芸者」
第10話「刺青芸者その2」
第11話「女の花道」
第12話「女の花道その2」
第13話「女人殺法」(最終回)

■番組出演 加賀まりこ、二谷英明、前田吟、姫ゆり子、
団次郎、高松英郎、天草四郎、勝部演之、春川ますみ、
水上竜子、桜井啓子、根岸明美、二本柳敏江、中田喜子、
松風はる美、小栗一也、見明凡太郎、高城淳一、京春上、
小畑道子、睦五郎、清川新吾、穂積隆信、岡部正純、
内田勝正さんほか。

■全13話、約595分収録。
2024-01-18 12:00
nise!(17)
■「ぼくは叔父さん」DVDサーカイブコレクション 郷ひろみ/加藤治子/フォ-リーブスさん■ [テレビドラマ昭和]

〔1973年/日本/松竹〕
主人公の青年、早川大助は突然に父親を亡くし、
四国から義姉を頼って、都会の東京へとやって来た。
義姉の経営するレストランに下宿しながら働き、
定時制高校に通う大助を、義姉の3人の娘たちが
なんとか追い出してやろうと企む。
だが、大助の純粋なひたむきさに
いつしか彼女たちも心を開いていくのだった・・・。

1973年(昭和48年)より、日本テレビ系で放映された
松竹株式会社製作による連続テレビドラマ「ぼくは叔父さん」
郷ひろみさんの初主演となる本作は、
「郷ひろみ」という金の卵をスターダムに
押し上げるべく、ジャニー喜多川氏率いる
ジャニーズ事務所が一丸となりパワープッシュ!

坂の上に見えてきたあの集団は・・・、

そう!当時、一世を風靡していた
アイドルグループ、「フォーリーブス」!
「マグマ大使」のマモルくんをはじめとして、
1980年代、ジャニー喜多川氏による性加害を
告発していたコーちゃんこと、北公次さんである。

今思えば、この当時すでに彼らは被害者で
あったのか・・・そう考えると非常に複雑である。
しかし、芸能界とは「そういうもの」
そんな無言のうちの常識、了解が彼らの口を
つぐませていたのだろう・・・。
すべては明日のスターの座を掴むためであったに
違いない。
そんな裏事情も踏まえながら、懐かしんで頂きたい
本作が放送から50年の時を経て、ついに全話商品化!
テレビ放映された全26話に現存する予告編を収録して
いよいよ発売する。
この当時の松竹製作のテレビドラマで次回予告が
(抜けがありながらも)残されていたのは、
奇跡的と言える。
郷ひろみさんがとにかく初々しい。
ジャニー喜多川氏が夢中になるのも
わからなくもない・・・そんな若さ溢れる
珠玉の一作をお楽しみください。
■番組出演 郷ひろみ、児島美ゆき、秋谷陽子、加藤治子、
村地弘美、降旗文子、奈良富士子、岡崎友紀、青山孝、
北公次、江木俊夫、おりも政夫(フォーリーブス)、
千うらら、菅原謙次、山田隆夫、尾美としのり、太宰久雄さんほか。

■全26話、約650分収録。
2023-11-29 12:00
nise!(17)
「素浪人罷り通る 暁の死闘」1982 [テレビドラマ昭和]

〔1982年/日本/三船プロダクション〕
笠間藩七万石の藩主が倒れ、世継ぎとして
嫡子の菊千代が江戸から呼び戻された。
道中、菊千代の一行は、覆面の一団に
襲われるが、居合わせた素浪人に助けられる。
笠間藩では、この機に乗じて第二子の竹丸を
かつぎ出すものが出てきて...。
黒澤明監督作品『用心棒』『椿三十郎』の浪人を
思わせる三船敏郎さんが演じる流浪の浪人時代劇、
「素浪人罷り通る」シリーズ第2作。
ここでは「春夏秋冬」なるふざけた名前を名乗っているが、
きっと、あのお侍さんなんだろうな…と思わせるほど、
「どこに出ても安定の三船敏郎」である。
本作は泉谷しげる、千石規子さんが圧巻である。
仙石規子さんと言っても、多くの方がピンと
来ないだろうが、昭和のテレビドラマファンなら、
顔を見れば、あぁ、あの人ね!と納得。
ほかの作品ではセリフもあまりない役が多いけれど、
ここでは泉谷しげるさんと親子を演じる。
若様と知り合い、それを悪代官から匿った
多助(泉谷しげる)これが不幸のはじまり。
クルクルパーのふりをして、凌ごうとするが、
悪代官もアホではない。多助の母親を捕えて、
その目の前でいたぶる。

母親のたねも、すべてを悟っており、
多助はアホだから、なにもわからねぇ!
目の前でおらが殺されてもわからねぇ!と絶叫し、
舌を噛み切って自害。

母親の言いつけを守り、若様を守るべく、
クルクルパーを続ける多助。

通夜において、近所の者がかわいそうに親が死んでも、
あのザマだ・・・と帰っていく。
素浪人・春夏秋冬と多助。そして、たね。
まだ、「かごめかごめ」を歌い続ける多助。
春夏秋冬が背中でつぶやく。
「もういい、多助。泣け」
泣きわめく多助。
ここはもう絶品!
1982年のアカデミー助演男優賞は泉谷しげるに
独占させるべきだった!
悪は成敗され、村には平穏が戻った。
いずこへか旅立っていく春夏秋冬。
作劇パターンはほぼすべて同じ。
どこを割っても三船敏郎が顔をのぞかせる、
ファンにはたまらない定番のミフネである。
■番組出演 三船敏郎、泉谷しげる、千石規子、青木義朗、
伊沢一郎、中村竜三郎、近藤宏、秋谷陽子、二本柳俊依、
遠藤征慈、八名信夫、伊豆肇、杉江廣太郎、北條清嗣、
木田三千雄、弘松三郎、入江正徳、田付貴彦、吉中六、
大島光幸、林健樹、新井一夫、森下明、加藤茂雄、宮寺康夫、
篠田薫さんほか。
評価 ★★★☆☆
2023-10-05 12:00
nise!(14)
■「晴れのち晴れ」DVDサーカイブコレクション 山岡久乃/坂口良子/黒沢年男さん■ [テレビドラマ昭和]

〔1977年/日本/テレパック〕
東京都葛飾区堀切の下町。
定年間際の夫、鉄馬に代わって義父の墓参りを
するために、みさ子は土佐中村に出かけた。
その墓前で、みさ子は豊という30歳ぐらいの
男性と出会う。鉄馬は、みさ子と結婚する前に、
幼い息子を親類に預けたと言っていた。
目の前に立つその子こそが豊だったのだ。
鉄馬の退職金1千万円のうち半分の500万円を
もらえる約束になっていると豊は告げる。
娘の明子に内密にすべく、みさ子は平静を
装ってはみたものの、内心は腹立たしいやら、
悔しいやら。
退職金はは弁護士の長男、昌平が事務所の
設立資金として秘かに狙っているのだった…。

1977年(昭和52年)、テレパック制作、TBSテレビ系
放映の連続テレビドラマ「晴れのち晴れ」全26話が
本邦初映像商品化!

後に東海テレビ制作の昼ドラ「牡丹と薔薇」などで、
一時代を築く、中島丈博先生がメインとなり脚本を担当。
あらすじだけを追うとサスペンスドラマで、死人が続出
しそうな雰囲気ではあるが、そこはTBSのホームドラマ。
犠牲者は出ませんので安心してお楽しみください。
「池中玄太80キロ」で共演する西田敏行、坂口良子さんが
ここでは兄妹。しかも猪八戒は
なんと弁護士役!豚でもない!
主題歌を担当するのは、
惣領泰則&ジム・ロック・シンガーズさんという
見どころたっぷりな70年代の古き良き日本の物語を
ご堪能ください。

■番組出演 山岡久乃、坂口良子、黒沢年男、草笛光子、
千秋実、西田敏行、吉田日出子、由利徹、赤木春恵、
高瀬春奈、平田満、梅宮辰夫、井上順、高橋昌也、
井上純一、マッハ文朱、山本道子、池上季実子、
永島暎子、立川真理、日向亜希、長勢由香子、安田えみ、
五十嵐薫子、初井言栄、タモリ、久保晶、千歩憲生、
伏見哲夫、川部英雄、半田晶子、照内敏晴、猪野剛太郎、
武田洋和、山本聰、喜久川清、綿引勝彦、山本聰、
喜久川清、田村宗正、岸部一徳、泉ピン子、中村伸郎、
根上淳さんほか。

■全26話、約1,220分収録。
2023-09-30 12:00
nise!(8)
■「夕空晴れて」DVDサーカイブコレクション 三木のり平/藤間紫/八千草薫さん■ [テレビドラマ昭和]

〔1971年/日本/テレパック〕
第十代目の刀剣研ぎ師、留魂堂を営む
結城重兵衛の一家を軸として、
その周りの人々の暮らしぶりを描くホームドラマ。
父の重兵衛に勘当されて家を出ていた長女の紬と
その夫が許されて結城家に同居することのなった。
その喜びの裏では、長男で週刊誌記者の重男が、
会社の編集方針と自分の正義感との間で板挟みと
なり苦悩する日々を過ごしていた。
重兵衛は昔さながらの男性上位の性格だったが、
近ごろでは、女性上位の時代に追いやられて、
結城家当主の実権も危うい毎日に戦々恐々。

1971年(昭和46年)より、フジテレビ系月曜夜9時の
枠で放送開始された約50年前の「月9ドラマ」がこちら!
「ありがとう」「肝っ玉かあさん」のテレパック製作、
「夕空晴れて」です。
ビデオ撮りだったドラマ作品の多くが消去され、
業務用ビデオテープが上書きされる中、奇跡的に
全13話が完全に保存されていました。
インターネット上でも詳細な情報があまり得られない
埋もれた一作となっていますが、三女役を演じる
紀比呂子さんが実にキュート。
ご立派なエラがここまでチャームポイントに転換された
女優さんもめずらしいのではないでしょうか。

次回予告編が欠落している回がございますが、
放送当時、あなたの家族のエピソードを大募集!…
という企画があり、その告知、及び後日の発表
映像が残されており、それも余さず収録いたしました。

放送50年目の元祖「月9」ぜひ、ご家庭でお楽しみください。
■番組出演 三木のり平、藤間紫、八千草薫、山本学、山本圭、
池部良、大空真弓、紀比呂子、土屋嘉男、久保保夫、
本郷秀雄、神太郎、黒木進(小野武彦)、白石奈緒美、
有馬昌彦、湊俊一、早乙女ゆう、上野綾子、進千賀子、
小倉一郎、田中真規子、大森義夫、伊藤弘一、松島慎一、
津坂匡章(秋野太作)、町田祥子、園浦ナミ、佐藤輝昭、
遠藤義徳、菊地優子、加賀谷礼奈さんほか。

■全13回、約610分収録。
2023-09-29 12:00
nise!(14)
■「ボクは女学生」DVDサーカイブコレクション 北公次/木村由貴子さん■ [テレビドラマ昭和]

〔1973年/日本/東宝〕
海に囲まれた地方都市、南海市で暮らす、
高校生の清水次郎。通称・次郎長オヤブン。
次郎は両親を飛行機事故で失い、祖父が創立した
清水病院の院長の家に引き取られ、居候として暮らす。
そんな時、次郎が通う南海高校が、経営不振で
院長の娘・アカネの通う女子校、白鳥女子学園に
吸収合併された。
もとが女子高のこの校内では男子の立場は弱い。
というよりも完全にウーマンパワーに押されてしまい、
男子学生の居場所はない。
これではイカンと次郎たちは打倒!女生徒の旗を掲げて
立ち上がるのであった。

1973年(昭和48年)、フジテレビ系放映開始、
東宝製作による連続テレビドラマ「ボクは女学生」
当時、人気絶頂であったフォーリーブスの北公次さん
単独初主演作として東宝、フジが力を入れて製作。
第1話には郷ひろみさん、フォーリーブスのメンバーが
ゲストとして出演、画面に華を添えました。
そのお返し…という形か、
同時期にスタートした郷ひろみさんの主演ドラマ
「ぼくは叔父さん」(松竹)にフォーリーブス全員で
ゲスト出演し、互いにエールを送りあっていました。
作品自体はご覧のように、
バナナの皮を道に置いておいて・・・、

すべったぁっ!

ウッシッシ・・・!
てな平和なものですが、
近頃、世間を騒がせるジャニーズ事務所の
性加害問題。先日も、本作品で主演の北公次さんによる
34年前のジャニー喜多川氏による加害告発映像が
流され話題となりました。

しかし、ジャニーズ事務所の権力は強大で
北公次さんによる、金が目当ての妄言として、
大きく採り上げられることもなく、
失意のまま亡くなられたのが、2012年。
それでも最後は、ジャニーさん、メリーさんへと
感謝の言葉を遺しておられました。
ようやく世界規模で未成年への性加害が大きく
報道されはじめ、もし北公次さんがご存命であれば
どれだけこの当時の無念が晴らされた事でしょうか。
残念ながら北公次さんも、そして、ジャニー喜多川氏も
すでにこの世にはないのです・・・。
ジャニーズ事務所を退所して以来、一種のタブーと
なっていた北公次関連作品。
その中でも、若かりし頃の公ちゃんを見たいという、
熱い要望にお応えし、本邦初商品化となる
「ボクは女学生」全25話のDVD化が決定いたしました。
大竹しのぶさんのテレビドラマデビュー作でもある
70年代ジャニーズアイドルドラマの元祖を
お楽しみください。
■番組出演 北公次、木村由貴子、小坂まさる、進士晴久、
大竹しのぶ、郷ひろみ、青山孝史、江木俊夫、おりも政夫、
小野ひずる、木村理恵、大山のぶ代、関田哲也、山本紀彦、
太宰久雄、曾我廼家一二三、加藤武、加藤みどり、
加瀬麗子、柳谷寛、塩沢とき、石川るみ子、緒形真弓、
泉芙美子、安武じゅん、樋田康、山内淑子、野口みどり、
増田佳子、小林文彦、中村俊男(中村ブン)、畠山麦、
吉田次昭、進藤英太郎さんほか。
■全25回、約630分収録。
2023-09-06 12:00
nise!(10)
■「蜃気楼博士」DVDサーカイブコレクション 井上昭文/剣持伴紀/吉川浄さん■ [テレビドラマ昭和]

〔1978年/日本/NHK〕
超能力で人を殺して見せると宣言する霊媒師の
峠原忠明。テレビ、週刊誌などのマスコミを
巻き込み、公開殺人実験を行うと峠原はうそぶく…。
それに真向から対立するのが、超能力の存在を
完全否定する奇術師の「蜃気楼博士」こと、
久保寺俊作。
彼はかつてアメリカでも活躍した著名なマジシャンで
あり、「ドクター・ミラージュ」という異名を
持つほどだ。だが、彼には心臓に持病があった…。
そのため、日本に帰ってからは表舞台に出る事は
なかったのである。
その「蜃気楼博士」がなぜ、今・・・。
事件の真相に迫ろうとするのは、週刊誌記者の
草間昭一と、その弟である中学生の次郎。
そしてマスコミが注目する中、第一の遠隔殺人実験が
行われる。「ロープで体を縛ることは出来ても、
霊魂は自由だ」という峠原。クローゼットの中に
ロープで縛られた状態で閉じ込められ、足元に短刀を置く。
短刀には昭一が書き込んだ印が。
「ある人物を、この短刀を使って私の守護霊が殺す」
そして遠く離れた都内の公園で見つかる遺体。
その背中にはあの短刀が刺さっていたのである。
続けて第二の実験を行うという峠原・・・。

都築道夫先生の原作をもとに、川崎九越先生が
脚本を担当したNHK少年ドラマシリーズ
第86作「蜃気楼博士」
例によって例のごとく、放送したNHKには映像が
残されておらず、再見は絶望的と思われていたが、
新聞記者の草間昭一を演じた吉川浄さんが個人的に
ベータビデオに記録・保存していたものをNHKに寄贈。
奇跡的に全12話が復元デジタル化された。
NHKもただ寄贈されました、ありがとうではなく、
二次利用、三次利用するならば、それなりの見返りを
提供者に与えるべきではないだろうか。
人の人生において、様々な出来事があり、
1本のビデオテープを現在再生できる状態で、
当時から保存し続ける…というのは、並大抵の努力で
出来ることではないと思われる。
そのおこぼれに預かり、ちゃっかり製品化するこちらも
どうか?と思われるが・・・。
何にしても、この世から消え去ったと思われていた作品が
再びこうして陽の目を見るという事はめでたいとしか
言いようがない。吉川浄さんに感謝しつつ、全12話、
ご堪能ください。

■番組出演 井上昭文、剣持伴紀、吉川浄、田中健三、安東千恵夫、
志摩晶、鬼頭昭夫、樫村慶、河合雅代、石垣浩子、広瀬五朗、
川村博信、若杉浩平、舟木淳、青木信介、大桑明、伊藤春雄、
原純二、藤城健太郎、岡部雅郎、藤尾年樹、榊原忠義、おかさだろ、
清水甚也、槙田美栄子、江崎順三、八神雄二、吉田憲司、
西戸威さんほか。

■全12回、解説を含む約260分収録。
2023-08-28 12:00
nise!(9)