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「くちづけ」2013 [映画・邦画]

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〔2013年/日本〕





知的障害者たちの自立支援のためのグループホーム、
ひまわり荘。元・漫画家の愛情いっぽんこと、
阿波野幸助は娘のマコを連れて、ひまわり荘に
身を寄せ、いっぽんは職員として働く。

しかし、ひまわり荘の経営が難しくなったり、
入居者、うーやんのことで妹の智子が婚約を
破棄されたりと厳しい運命が彼らを待ち受ける。

そして、いっぽんにも病気が見つかってしまう。
こんなに冷たい社会の中でマコをひとりにできないと、
残り少ない自分の命を察した父、いっぽんが
選んだ選択は…。




まさか竹中直人さんに泣かされる日が来るとは!。

障害を持つ者の家族が背負った宿命…。

もう、この父親の視点で見てしまう訳よ。
死期を悟った父親の視点で。
身内が誰一人おらず、せっかく施設に預けても、
抜け出して父親の元に戻ってきてしまう。

こんな時、第三者は
「誰か相談する人はいなかったのか?」とか、
「気付いてやれる人はいなかったのか?」とか、
軽々しく言ってくれちゃうが、言える人はいい。

でも、すべて自分の責任だと感じて、
自分が片付けてしまわないといけない、
他人に迷惑をかけてはいけないと
背負いこんでしまう人がいる。
どうしてそれを責められようか。

後半、泣きながら娘の首に手をかける父親の姿がある。
もうここで涙腺が崩壊する。

竹中直人やで!あの竹中直人が泣かせに来よるんやで!。

本作は竹中直人がいつもの竹中直人ではなく、
抑えた竹中直人で「愛情いっぽん」を演じきり、
ほかの出演者も抑えた演技を見せている…が、
ただひとり、宅間孝行という、うーやんを演じた
よく知らない俳優さんが浮きすぎ!。

これは舞台劇の演技やろ?。

会話も的確な返しが上手すぎて、知的障害者というより、
コメディアンのそれである。

最後までこれを貫いており、ここだけが見ていて厳しい。
と、今資料を見たら、この映画の脚本書いてる人なの?!。

脚本だけにとどめておいたほうがよかったんじゃない?。




評価 ★★★★☆

nise!(10)