SSブログ

「死にゆく妻との旅路」2011 [映画・邦画]

shiniyukutsumatonotabiji-038b2.jpg
〔2011年/日本/「死にゆく妻との旅路」製作委員会〕





清水久典は石川県七尾市で縫製工場を営んでいた。

11歳下の妻と結婚して20数年、
一人娘の沙織にも恵まれ、平凡ながらも幸せに暮らしていた。
しかし、知人の借金の保証人になったことから
生活は一変する。資金繰りに行き詰まった知人が
行方をくらまし、借金をかぶってしまった上に、
バブル崩壊のあおりで工場の経営が悪化。

清水は多額の借金を抱えるようになる。
そして清水が資金繰りに奔走している中、
妻、ひとみが大腸癌であることが分かる。

手術で癌を取り除いたものの、医者からは早ければ
3ヶ月で再発する可能性があることを告げられる。

そして、1999年12月。清水久典は保護責任者遺棄致死で
逮捕される。ガンで余命わずかの妻とともに9ヶ月に渡り、
ワゴン車で日本各地を放浪し、結果として妻を死なせたからだ。

清水は留置場でこの1年数ヶ月の日々、
そして妻との旅路を思い出す…。





実話だそうだ。
私がボランティアをしている個人自宅警備員宿舎の上映会で
アマゾンプライムのラインナップに入っているため、
見ることができた。1.900円払って劇場では…見ないだろう。

腹立たしいだけの映画。

表向き、夫は「大丈夫か?」「大丈夫か?」と、
やさしい言葉をかける…が、実際はなにひとつ動かない。
仕事を探す…と口では言いながら、
ハローワークに赴くも、自分の条件に合う仕事がない…と。
最終的に手持ちの金がなくなり、病身の妻を銭湯に
連れて行くことも出来ず、公園のトイレで体を拭かせる始末。

日々、病状が悪化し、妻から表情が消えていくというのに、
なにをしていいのかわからない状態。
毎朝、公園の猿のオリの前を掃除していたりする。

なにをしているの?。
とっとと自己破産して生活保護でも受けろよ。
ただただオロオロするばかり。

入院するのはイヤと妻がいくら言っても、
治療も受けさせず車でアチコチをフラフラ。
雪の積もる沿道で暖房もつけずに車内泊。
…健康な人間でも朝、凍死しとるわ!。

あげく妻に死なれても現実を認められず、
逮捕、釈放され車内に妻の姿がないことに気づき、
ようやく「妻の死」を認識した様子。

錯乱した夫=父親が車に引きこもり、
こども部屋おじさんになった瞬間、
娘がいきなり車の窓を叩き割り、父親をしばきたおす!。
娘最強!。


これを「殺人」として逮捕するのは正しいのか?、
昨今、「死ぬ権利」「安楽死を認めろ」などと声高に
叫ばれる自由な世の中だが、やはりこれは「殺人」。

私にも29歳年下の妻がいるが(?)、
同じ状況に追い込まれたとしても、
それでも私は妻を殺さないし、殺せない。




評価 ★★☆☆☆
nise!(10)