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「空飛ぶタイヤ」2018 [映画・邦画]

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〔2018年/日本/松竹撮影所〕




ある日「タイヤ」が空を飛んだ…。

突然起きたトレーラーの脱輪事故。歩道を歩いていた母子。
母親の命は一瞬にして奪われる。

整備不良を疑われた運送会社社長・赤松は、
車両の欠陥に気づき、製造元である大手自動車会社の
ホープ自動車カスタマー戦略課課長・沢田に
再調査を要求。同じ頃、ホープ銀行の本店営業本部、
井崎は、グループ会社であるホープ自動車の経営計画に
疑問を抱き、独自の調査を開始する。

それぞれが突き止めた先にあった真実は
大企業の“リコール隠し”。
果たしてそれは事故なのか、事件なのか。





重厚な物語。全編に重苦しい空気が流れる。
演じる長瀬にもほとんど笑顔がない。
実際に起きた脱輪事故をベースに書かれた、
池井戸潤先生による作品を映像化したもの。

2019年に起きた東池袋の自動車暴走による、
母娘が亡くなられた事故を思い出さずにはいられない。
ある日、突然にして家族を奪われる悲しみよ…。

本編は勧善懲悪で巨悪が暴かれて物語は終わる。
しかし、現実に起きた事件はと言えば、
やはり巨大企業は強い。なにがあろうとも揺るがない。
正しさが正義ではないのだ。理不尽ではあるが。
そう思うとやるせなさだけが残る作品。

同じ原作をもとに、2009年に本作はテレビドラマとして
放送されている。実はそちらを先に見ていたのだが…。

テレビと映画、比べてしまうと圧倒的にテレビ版の勝利。

そりゃあテレビ全5話、約5時間という尺を考えると、
映画は2時間で収めなくてはいけない。
どうしても駆け足、ダイジェスト的になってしまうのは
仕方がない。

だが、零細企業の人々が虐げられ、押さえつけられ、
そして…逆転する!。この爽快感はテレビ版のほうが
圧倒的であった。

映画を観て、感動された方には、ぜひテレビシリーズを
オススメしたい。家族愛、社員愛はテレビ版は圧勝である。




評価 ★★★☆☆


nise!(20)