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「告白」2010 [映画・邦画]

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〔2010年/日本/リクリ〕



中学校の教室。
終業式後の雑然としたホームルームで、教壇に立つ
担任の森口悠子が静かに語りはじめる。

「わたしは、シングルマザーです。
わたしの娘は、死にました。
警察は、事故死と判断しました。

でも事故死ではありません。
このクラスの生徒に殺されたんです」。

森口は、妊娠後に娘の父親のHIV感染が判明したことで
結婚しなかったと語り、娘を殺した犯人は2人いるが
名前は明かさず少年Aと少年Bとしますと述べ、
少年Aが電気ショックによって娘を殺害したこと、
居合わせた少年Bが娘をプールへ投げ入れたこと、
その事実を警察へ伝えて蒸し返す気はないことなどを語る。

名前は伏せられていたが、生徒達には少年Aは渡辺修哉、
少年Bは下村直樹であることは明らかだった。

森口は、先ほど犯人である2人の昼食の牛乳の中に、
娘の父親の血液を入れた、HIVに感染するかどうかは運次第、
2人には「命」をしっかりと噛み締めてほしいと告げると
教室は騒然となる…。





どっかーん!て。

湊かなえ先生の同名小説を松たか子さん主演で映画化。

いや~~~、今までなんで見なかったんだろう!。
こんな爽快感、久々に味わったわ!。

勧善懲悪。
悪いヤツはとことん地獄に叩き落としてやらないと。
たとえそれが「未成年」であろうと。

松たか子さんについては今まで、春のパンまつりの人、
程度のイメージしかなかったが、開幕30分を「独白」で
魅せる、聞かせる演技力に感嘆。

そして、未成年であろうが、教え子であろうが関係ない。
わが子を殺された復讐を着々と果たしてゆく…。

生徒たちを演じる役者らもウマイ!。
松たか子さんだけではここまでの名作には
仕上がらなかっただろう…と出演者をよくよく見ると、
芦田愛菜、橋本愛さんらのお名前が…納得。

ただ、終盤の一番の盛り上がりシーンの演出。
あの「漂流教室」のような、「大鉄人17」の
グラビトン攻撃のような逆回転シーン…いるか?。
あそこまで気合い入れてCG…いらんやろ?。

圧巻はラストシーン。
松たか子さんが倒れている加害生徒の髪をつかみあげて、
上から目線で…、

…なーんてね。

決まった!。




評価 ★★★★★
nise!(9) 

「こんぷれっくす×コンプレックス」2017 [映画・アニメ]

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〔2017年/日本/PANPOKOPINA〕





大人に対して憧れを抱く中学2年生の小谷ゆいは、
男子のワキ毛への興味を抑えることができない。

特にクラスで一番ワキ毛の濃い武尾マサトから
目をそらせずにいたが、一方の武尾は
自分のワキ毛の濃さが悩みの種だった。

ふとしたきっかけで彼らは言葉を交わすようになり、
少しずつ距離が近くなっていくが……。




なんじゃこりゃ!?。

日本初のワキ毛アニメ誕生!(多分)。

思春期特有のどーでもいい悩みをアニメ化しました!。
ワキ毛フェチの女子中学生が同級生男子に接近。
目的はワキ毛。

女子はまんまと間近でワキ毛を見ることに成功!興奮!。

ところがある日、ワキ毛がコンプレックスだった
男子がなんの断りもなく剃ってしまった!。
今にも泣きそうな女子…!。

男子にとってのコンプレックスなどどうでもよいのだ。
自分はただ、あのワキ毛が見たいのだ。

男子中学生は勘違いして「告白」しちゃう。
だが女子は「ごめん…」と拒否。

そりゃそうだ。女子は男子が好きなのではない。
男子の「ワキ毛が好き」なのだ。

とまどう男子だったが、終わりは突然訪れる。

女子にもワキ毛が生えたのだった…。

はじまりそうでなにもはじまらない。
ただ、中学生のある日常を切り取っただけのワキ毛アニメ。


…なにが伝えたかったのだろうか…。




評価 ★★☆☆☆

nise!(11) 

「フェーズ6」2009 [映画・洋画]

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〔2009年/アメリカ〕




致死率100%、治療不能のウイルスが蔓延した世界。

街はゴーストタウンと化し、わずかに生き残った人たちは、
感染を恐れ他人との接触を断っている。

そんな中、感染を免れたお調子者で粗暴な兄ブライアンと、
真面目で心優しい弟ダニーの兄弟は、兄の恋人ボビーと、
弟が想いを寄せる女友達ケイトを連れ、
感染者がいないであろう、幼い頃の思い出の地である
海岸を目指し、車を走らせていた。

しかし、ある事情から、感染した父娘を同乗させたことで、
4人の中に潜んでいた本性が次第に剥き出しになっていく…。

死と隣り合わせの極限状況の中で、彼らは何を見て、
何から目をそらすのか? 。
そして生き残るために彼らが選んだ選択とは―。




致死率100%!!。

ウイルス感染によるパニック映画かと思えば、
混乱はない。すでに感染は世界中にまんべんなく行き渡り、
わずかに生き残った人々には、「絶望」しかない。

そんな中でも、あの日の海岸に向かい、
そこでウイルスの終息を待てば、生き残れるのではないか?。
そう考えた4人の男女によるロードムービー。

生きるために非情なまでに人を切り捨てる兄。
それを非難して責める弟。どうしても兄のように
割り切る事が出来ない…。

と、見せかけておいて…この弟。
終盤、ついに兄が感染した途端に重傷の兄に拳銃を向けて
車のキーを寄越せ、そこでもまだ自分を正当化、
「俺に…撃たせないでくれ…!」。

想い出の海に兄を連れていってやることすらせず、
実の兄に弾丸を撃ち込み、とどめを刺す。

弟と女は想い出のビーチに辿り着き…Fin。

…なんじゃ!この映画は!!。

日本が脅威から生き残るためには、弱者は切り捨てろ。
それが教訓と言えば教訓か?。




評価 ★☆☆☆☆
nise!(12) 

「エボラシンドローム 悪魔の殺人ウイルス」1996 [映画・洋画]

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〔1996年/香港〕




日本を覆う新型コロナウイルスの脅威…。
我々にはなす術はないのか?いや、手はあるハズだ!。

過去の映画になにかヒントがあるはずだ。
そうだ!映画から生き残る術を探し出すのだ!…と、
ここ最近、ウイルス感染系の作品を見まくっていますが、
本日は「エボラシンドローム 悪魔の殺人ウイルス」!。

エボラ出血熱!あったなぁ。
この焼肉のタレのようなウイルス。
現在も決定的な治療法はないらしいぞ。
…怖ろしい…。

それでは早速、見ていこうか。



香港マフィアの下っ端のカイはボスの嫁と昼間っから
情事の最中。サイコー!サイコー!サイコー!。
そこへボスと子分がお帰りに。

「こいつに無理やり強姦されたのよっっ!」。
ボスの嫁にも売られて、カイ大ピンチ!。

工作バサミでチン切りの刑にされる瞬間、大反逆!。
あっという間に3人を皆殺し!。
奥の部屋に隠れていた娘にもガソリンをかけ、
焼き殺そうとするがその時、人が入って来て逃走。

それから10年。

カイはアフリカにいた。
コックとして中華料理屋の下働きをしていた。

訳アリ物件のカイをオーナーが格安でこき使っており、
その嫁にも無碍にされカイは不満を募らせていた。

ある日オーナーと豚肉の仕入れに田舎の村に出向くカイ。
エンストしてヒマを持て余したカイがふと見ると、
井戸端に女が倒れている…。

駆け寄ったカイは介抱するでなくおもむろに、
強姦!強姦!強姦!。

この女こそエボラの感染者だったのですが、
そんなことには気が回らぬカイ。
行為が終了すると頭を殴打し即、殺害。

店に帰って来たカイはついに発病!。

ようやく…ようやく…ウイルス映画になったか?。
もうすでに半分過ぎたが、エログロばかりで、
ウイルスまったく関係ないぞ!。
どうなってんだこの映画…。

ところがカイはエボラウイルスの抗体を持つ、
1.000万人にひとりの男だったため、
奇跡の復活をとげるのだった!。

…全然、ウイルス映画じゃねぇじゃん…。
さすが「人肉饅頭」の監督だな…。

カイはオーナーとその妻を惨殺!。
その肉を使いアフリカンバーガーを調理製造、
大々的に売り出す。それがンマイ!と大当たり。

エボラウイルス入りバーガーにより、
街にウイルスが拡がりはじめる。

そんな時、あのマフィアの娘が成長し、新婚旅行へと
この地に偶然やってきて偶然カイを発見。
偶然、気づいて警察にタレこむが証拠がないため、
警察は相手にせず。

それをいいことにカイはオーナーの隠し財産を手に入れ、
偽造パスポートで香港へ舞い戻る。

金にモノを言わせ、風俗三昧!。
感染!感染!感染!!。
爆発的に拡がりはじめるウイルス!。

カイは生ける核弾頭となった!。
感染した途端にブッ倒れ即死する人々!!。
そんな早よ死ぬか?。漫画か?!。


ここまでなら悪趣味下品なエログロムービーとして、
本作は★1個だったであろう。

だが本作の真骨頂はここからである。
作品の評価は大逆転する。


昔の女に会いに来たカイ。
カイの金に目がくらんだ昔の女。

細菌核弾頭は女連れでウイルスを撒き散らす!。

クシャミ連発!ハナクソをあちこちにつけまくる!。
次々と倒れる町の人々!。

その頃、ついに警察の捜査がカイに及んでいた。
マフィアの娘もカイを追っていた。

娘は偶然、町でカイを見つける!。

警察に追われるカイ!いよいよ観念するか?!。
だが、カイはくじけない。
拳銃を持った警官に抵抗するカイの武器は…、
自分のツバ!。

幼女を人質にツバを吐きかけながら逃げ回るカイ!。

「オレはエボラだど!!」。

しかし、せっかくの人質だったのに、
気付くと幼女は窒息死していた。

警官の麻酔弾が命中!するも、
「なんだ!こんなもの!」。
自らナイフで腕を切り裂き、患部を捨てて逃亡続行!。

警官がふと気づく。

「こりゃあ、殺すしかねぇな・・・」。

ウイルスを死滅させるにはどうする?そうか焼却だ!。

火炎放射器をカイに浴びせる警官!。

だが、カイは死なない。
火だるまになりながら、なおも町の人々にウイルスを
撒きながら駆け抜ける!!。不死身か!。

路地から飛び出したカイを市民の車が轢いた!。
倒れたカイに執拗に弾丸を打ち込む警官。
ようやくカイは退治されたのだった…。


だが、物語はここで終わらない。
先ほどカイが切り捨てたカイの感染した肉片を
路上の犬がンマそうに食っている…。

その犬とじゃれあい、同じ食べ物を楽しむ
幼い女の子…。幸せそうに微笑む保護者…。…Fin。


どこがウイルス感染映画やねん?と思わせた前半。
やはりウイルスは焼却処分に限る、
キチガイに刃物ほど危険なものはないと教えた後半。

サイコーの教訓となった映画であった。

まもなく日本もこれが「現実」となるだろう。




評価 ★★★★★
nise!(11) 

「こぼれる」 2011 [映画・邦画]

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〔2011年/日本〕




4年目の結婚記念日。
早苗はささやかなディナーに夫、啓祐との
共通の友人の麻紀を招待する。

学生時代を共に過ごした3人だったが、
結婚式以来麻紀とは音信不通になっていた。

久々の再会を喜ぶ3人の会話は弾み、
隔てた時間は埋まるはずだったが…。





手塚悟監督による短編映画。
3人の微妙な表情、会話の進行により過去の出来事、
それぞれが口に出さない腹の内を観客に想像させる。

ラスト3分で一気に急展開。
ホラー風味全開!行方知れずになった 子供の髪飾りが、
3人が食べているビーフシチューから出て来る…。
ひとり微笑む女。絶叫して子供を探す母…。

で、ネタバレになるけど子供は別の部屋でスヤスヤ寝とる…。

…なんで髪飾りが入っとるねん。

まぁ、精神的嫌がらせなんだろうが。

リアリティーは感じる。役者に。
全員、知らない人!(あくまでも自分が)。
子役もあんまりカワイクはない(あくまでも主観)。
これはリアル。

不妊治療を妻だけが懸命になっている、
妻だけのせいにされるのは、2011年だからギリギリ
許された設定だろうね。
半分は男のほうにも責任があるのに。
というか厳密に検査すれば、男側の問題が大きいらしいぞ。
なのに、不妊治療は女側の体にだけ負担が大きいという…。

手塚悟監督はこの後、病気により「同名半盲」という、
聞き慣れない後遺症を抱えながらも、
現在も精力的に作品を制作中とのこと。
応援の意味もこめて★ひとつ追加。

でも正味30分の本編に対して特報が2分40秒って長くない?。




評価 ★★★☆☆


nise!(11) 

「39 刑法第三十九条」  [映画・邦画]

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〔1999年/日本/光和インターナショナル〕




殺人容疑で逮捕された犯人・柴田真樹には、
事件当時の記憶がない。

やがて裁判が始まると弁護側は心神喪失を主張、
精神鑑定により、被告人が多重人格と認定される。

ところが鑑定を行った教授の助手・小川香深は、
被告人の精神障害は詐病と直感し、独自の調査で
柴田の内面に迫って行く…。

犯行時、犯人が心神耗弱もしくは心神喪失の場合は
罪に問わないという刑法第三十九条の規定をめぐって
繰り広げられる犯人と鑑定人の虚々実々のやり取りを描く。





目の付け所はおもしろい。
けれどもやはり世界で勝負できるスケールではなく、
2時間サスペンスのグレードアップ版、
ギャラの高そうな出演者集めました!的作品に落ち着いている。

かつて未成年のキチガイに妹を殺された男の復讐劇。
しかし「刑法第三十九条」を自分も利用してやる…!。
そんなお話。

法廷での江守徹の早口で聞き取りにくい声の
話しっぷりはリアル。実際の法廷もこんな感じだろうなと
思わせる。その他の登場人物もほとんど喜怒哀楽もなく、
ボソボソと喋り続ける。堤真一の過剰な演技以外は。

本作は2時間かけて堤真一が演技派だと暴いたまでで終了。
物語はこれからも続くのだが、そこは描かない。
…ので、堤真一が復讐を果たしたのはいいが、
妹を殺害した元・少年を殺したのまでは理解できるが、
その妻で妊婦である女性までをも殺害した…という部分は、
疑義が残る…という部分で終わってしまい、
事件の全容が見えてこない。こちらはモヤモヤしたまんま。


しかし20年も前の作品になると出演者が皆、若い!。

鈴木京香さんの美しさは絶品。
そらぁ、真田広之もその付き人の堤真一も、
その色香に惑わされるわ!。
というより、この当時の鈴木京香と共演して、
口説かないという選択肢はないよ。
と言うか、全力で口説かないのは失礼に当たるだろう?。

そこが一番の見どころ。




評価 ★★☆☆☆
nise!(11) 

「感染列島」 2009 [映画・邦画]

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〔2009年/日本/「感染列島」製作委員会〕





いずみ野市立病院の救命救急医・松岡剛のもとに、
一人の急患が運び込まれてくる。
その患者は高熱に痙攣、吐血を催し、
全身感染ともいえる多臓器不全に冒されていた。

しかし、あらゆるワクチンを投与するも虚しく、
患者は死亡してしまうのだった。

さらに、正体不明のウイルスは医療スタッフや
患者たちにも感染、病院がパニック状態に陥ってしまう…。





もうすぐ我々もこのような状況に陥るからな!。
予習として見ておかないといけないだろう…。
そう思いながら見始めたのだが…なんとも肩透かし。

テーマ、設定はよいと思う。
しかし、多額の予算をかけているだろうに、
同じくウイルス蔓延をテーマに扱った過去作
「復活の日」よりもスケール感が大幅ダウン!。
というより比べるまでもない。

「俳優の顔」を写さねばならないのはわかるが、
表をマスクひとつせずにウロウロ。
病院から病院を渡り歩き、あげくの果ては感染源を求めて、
海外にまで行っちゃう!。ここでも軽装。

海外の患者の描写はすでに「ゾンビ」扱い。

で、医者も「かかっちゃった…」。

とにかく人がバタバタ死んでゆく描写と、
「90万人死亡」などのテロップに脅されて、
…なんかスゴイ映画なんじゃ…と
思わせられてしまうだけであった。

要所要所でコメディアンを使うのも悪い風潮。
芸能事務所のしがらみはわかるが、
一本の作品として見た時に「そこだけ浮いちゃう」。

日本映画がどんどん劣化していき、韓国映画にすら
負けちゃうのは、こういう事務所の力関係なんかも
大いに影響してるんじゃないだろうか。

日常生活で何かの参考になるかと思い、見てみたが、
細かい部分でリアリティーに欠けており雰囲気だけの作品。





評価 ★★☆☆☆



nise!(13) 

「おんなのこきらい」 2014 [映画・邦画]

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〔2014年/日本/GOLD FISH FILMS〕




とにかくかわいい事だけが取り柄のOL、和泉キリコは
かわいい食べ物を過剰摂取しては吐く、過食症の女の子。

職場の男達にはちやほやされ、女の子には嫌われているが、
女の子の価値は可愛いことがすべてと信じて日々を送っている。
キリコには何も怖い物はない。
彼女は果たして本当の幸せを掴みとれるのか…?。





小芝風花さんが出ていなければ、わたしの人生において、
絶対に見ていなかったであろうシリーズその35弾!。

しかし、見終えて気づく…。
…出てねぇじゃねぇかっ!。

amazonで検索したらこのタイトルが出たんだよ!。
オレの人生における79分をかやせかやせ!。
いや、79分どころじゃないな。
見終えてから、「え?どこに出てた?見落とした?」と、
また最初に戻ったもんな!ゆうに2時間近くは費やした。

評価としては…。
めんどうくさいメンヘラ女の夢の中の出来事、という感じ。
残念ながらなにも心に残らない。

主人公の病んだ女が自分の経験から成長する物語、
ならまだ見るところはあっただろうが、
ラストで「キミ、カワイイね」と声をかけられ、
「ハイ!」と強くうなづいて去ってゆく。

…なにも成長していない。

でワザとらしいほど偶然にすれ違う、この作品の
主題歌担当の3人組バンド、その名も「ふぇのたす」。

この映画全体が「ふぇのたす」の長ったらしい
プロモーションビデオのような出来!!。

この好待遇なのに、ふぇのたす、翌年にはもう解散しとる!。
なんちゅう恩知らず!。

小芝風花さんが出ていないことのショック、
そしてこの映画のフニャケタ出来栄え!。
ここまで腹立たしい作品も久しぶりである。
世の中にはトンデモナイ作品が存在するのだなぁ…。




評価 ☆☆☆☆☆
nise!(11) 

「点」 2017 [映画・邦画]

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〔2010年/日本/S・D・P〕




田舎町で床屋を営む理容師の高志。

夏のある日、幼馴染で高校時代の恋人、
ともえがやって来る。

14年ぶりに再会した二人。

あの頃と今が交錯して、会話はどこかぎこちない。
「結婚式のためにうなじの毛を剃って」と
お願いするともえ。高志は少し戸惑いながらも、
ともえを店の中へ案内する。





30分に満たないショートムービー。
友達の結婚式に出席するため、帰京したともえ。
ふと、昔の恋人に会ってみたくなった。

なにかあったのだろう…。

高志は家業を継いで理髪店主になっている。
ふと、郵便受けを見るとすでに家庭を持っているようだ。

ぎこちない会話が14年間の時の流れを感じさせる。

途中、ともえのスマホに着信が。
表に出たともえが誰かと話している。
「…色々と…もう、限界なんだよね…」。

なにかあったのだろう…。

本作は高校時代の恋人が再会し、なにごともなく、
ただ、別れていくだけ。
日常生活における、ただのヒトコマ、一点。

ただ、ともえは髪を切ってもらった後、
少し前向きになれたようだ。
自転車をこぐ姿が力強い。

多くは語らない。なにも説明はない。
「ご想像ください」。そんな作品。

映画ってやはり「女優を綺麗に撮る」。
これ、重要だな。

中村ゆりさんの魅力を再発見。
山田孝之さんの毛深さを再認識。そんな一本。




評価 ★★★☆☆
nise!(11) 

「イヴの時間」 2010 [映画・アニメ]

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〔2010年/日本/スタジオ六花〕





未来、たぶん日本。

ロボットが実用化されて久しく、
人間型ロボットが実用化されて間もない時代。

ロボット倫理委員会の影響で、人々はそれを“家電”として
扱うことが社会常識となっていた。
頭上にあるリング以外は人間とまったく変わらない
外見に影響され、必要以上にアンドロイドに入れ込む
人々は“ドリ系”と呼ばれ社会問題とされるほどである。

高校生のリクオも幼少の頃からの教育によって
アンドロイドを人間視することはなく、
便利な道具として利用していた。

ある時リクオは、自家用アンドロイドのサミィの
行動記憶の中に奇妙な言葉が含まれている事に気づく。

親友のマサキとともにサミィの足跡をたどると、
そこには「人間とロボットを区別しない」という
ルールを掲げた奇妙な店が広がっていた…。

その店の名は「イヴの時間」。





AI、AIともてはやされているけれど、
AI=人工知能に「感情」を持たせるのは
実に「危険」な事なのだな。

「家電」としてお気軽に量販店で買って使える
アンドロイドなのに、裏の顔を持ち、二面性を発揮する。
で、持ち主の前では無感情を装い、堂々と「ウソをつく」。

こんなに未来的な物語であるのに、
新たな法整備もなにもないのかいまだにアシモフの
「ロボット三原則」が普通に使われている。

「ロボット三原則」とは、
第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。
また、その危険を看過することによって、
人間に危害を及ぼしてはならない。

第二条
ロボットは人間にあたえられた命令に
服従しなければならない。
ただし、あたえられた命令が、
第一条に反する場合は、この限りでない。

第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反する
おそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

つまり、自己防衛のためなら、
「ウソをついてもよい」という訳だ。

で、持ち主に内緒で仕事をサボリ、
謎の喫茶店に入り浸ってる。
この店内では、人間もアンドロイドも平等に扱われるという
ルールが存在する。見た目で判断できる唯一の目印、
頭上のリングも自分の意思で消すことが出来る。

つまり一見しただけでは人間だか、アンドロイドだか
判別できない。

店内では各自、本を読んだり語ったり、
あるいは恋愛を楽しんでイチャライチャラしている者も…。

このイチャついているバカップルも、その行動は
持ち主には、ナ・イ・シ・ョ…なのである。

ちょっと待てよ…。この店の支払いは誰が…。
え、持ち主の財布からちょろまかして…。

いや、それすらも自己防衛のためならば許されるのだ。
なんせAIだから。

この本編を見ただけでは理解しきれない謎が多すぎて、
いきなり突き放されたように終わってしまうのだが、
感動するよりも、近未来への「恐怖」を感じる一作だった。

まだ我々の世界では機械に「心」を与えてはいけないのだ。




評価 ★★☆☆☆
nise!(11)