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「キカイダー01」第2話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕



第2話「ハカイダー四段攻撃とは何か?!」





秘密を握る少年アキラをつけ狙うハカイダー4人衆。
謎の女リエコがいる病院に駆け込んだイチローとアキラを
ハカイダーたちが襲う。

アキラを連れ、その場から逃げたと一緒にいたリエコは、
偽のイチローにアキラを預けてしまい、ハカイダーたちに
アキラはまんまと連れ去られた!。

さすがパーフェクト人造人間イチローは、
アキラの居場所を一瞬で察知する。救出に向かうイチロー。

キカイダーゼロワンにチェンジし、ハカイダー4人臭との
決戦に挑む!!。



やはり4対1ではさすがのゼロワンも大ピンチに陥る。
両足を破壊され、身を隠したまま時刻は夕方に…。

そう、第2話においてゼロワン最大の弱点が明らかに。
太陽エネルギーを動力とする彼は、太陽が沈むと
そのパワーは1/10にまで落ち込む。
戦闘力は人間以下となってしまうのだ!。

良心回路はカンペキなのに、
やはりなにか弱点は欲しいよなぁ…と光明寺博士が
強引に取り付けたようだ。夜は戦えないじゃん!。

ハカイダーに見つかるまいと、身を隠しているゼロワンに
遠くから「おにいちゃぁぁ~ん!」と、大声を出して
駆け寄ってくる、空気を読まない少年アキラ!。

来るなよ!騒ぐなよ!見つかっちまうじゃねぇか!!と、
言わんばかりに「来ちゃいけないっ!来ちゃいけない!、
来るんじゃない!アキラくんっっ!!!」。

小声で叫ぶゼロワンの傷ついた身勝手な姿が痛々しく、
次回へとつづくのであった。




評価 ★★☆☆☆



nise!(2) 

「キカイダー01」第1話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕



第1話「無敵!! 人造人間ゼロワン誕生!!」


つい先週、死闘を終えどこかへ旅立っていった
人造人間キカイダー=ジロー。

しかし、悪の根は絶えることはなかった。
再び、日本を暗雲が覆った。
悪のエネルギーが充満した時、それを感じ取り、
お寺に納められた仁王像の目が怪しく光った…。
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…びよ~ん!びよ~ん!びよ~ん!!。
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ドッカァァ~~ンッッ!!。
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「キカイダ~~~…」
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「ゼロワンッ!!」。


このキカイダーゼロワンこそ、光明寺博士が
ジローを造り出す以前に完成させ、仁王像の中で
眠らせていた正義の人造人間だったのだ!。

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ここで色々と疑問が噴出する。

先週までダーク破壊部隊が暗躍し、
ジローがバラバラにされるほど苦戦していたのに、
ひたすら眠っていたのはなぜか?。

後から出て来たのに、ジローの弟ではなく兄貴なのは
なぜか?。

ジローの良心回路は開発途中の不完全なものであった。
そのため善と悪の狭間でジローは苦しみ続けた。
だが、ジローの後から出て来た兄のイチローに
組み込まれた良心回路は「完全なもの」である。

正義を遂行することに迷いはない。

自ら「正義の戦士」と名乗るほど、根っからの正義である。

戦う相手は、先々週死んだハズのハカイダー。

卑怯なことを嫌い、
正攻法で正義と戦ったハカイダーは死んだ。

ここにいるハカイダーはダークの首領である、
プロフェッサー・ギルの脳を組み込まれて
普通の悪党として再び登場したのだった。

そのため、色違い3人の子分を引き連れ、
子どもですら平気で人質にとるのであった。
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子どもの危機に鳴り響くトランペット…!。
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彼こそが…、
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「正義の戦士…」
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「キカイダァ~、
 ゼロワンッッ!!」。


この不敵な笑顔!負ける気がしない!。
この頃のヒーローは「お兄さん」ではない。
頼れるオッさんである!!。


展開される物語にはツッコミどころが多い。
というか、ツッコませるところばかりである。
しかし、それを上回る力強さが文句を言わせない。

この脚本を手掛けたのが、現在日本版「24」を
担当する長坂秀佳先生なのである。現在につながる、
おもしろけりゃあ、細かい事はいいんだよ!、は
この当時から健在である。

後のムック本のインタビューによれば
「原作」クレジットこそ「石森章太郎」に
なっているが、本当の原作者はオレだ!ってな
証言を残している。

番組タイトルを「キカイダーゼロワン」にするか、
「ゼロワンキカイダー」にするかで半日揉めたんだよ、
その時、ちょっと頭を冷やしましょうということに
なって、皆が表に出た時、石森先生がオレのそばに
ささっと寄ってきて、「ボクは長坂くんの意見に
賛成なんだけどねぇ~」と耳打ちしてくれたとか。

制作予算が厳しいと現場に言われていたので、
撮影を見に行ったら、ハカイダーの衣装が
ゴロゴロしてるんだよ。
とっさに「これを使って集団にすればいいじゃねぇか」と。
このアイディアを出したのもオレ!。

長坂先生特有のリップサービスなのだろうが、
「手柄は全部オレ!」。
失敗したら「現場に理解がなかったせい」。

天才のなせる技である。

しかし、ここまで大口を叩きながら現役を続けていられる…、
というのは、皆に愛されている証拠となろう。





評価 ★★★★☆
nise!(10) 

「人造人間キカイダー」第43話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕



第43話「ジローの最期か ダーク全滅か!?」。



ジローの変身回路は脳手術を受け回復した
光明寺博士により復活。白骨ムササビを必殺のデンジエンドで
葬り去る。そして追い詰められたダークの首領、
プロフェッサー・ギルは自ら自爆スイッチを押し、ダークは滅びた。
ついに平和がよみがえったのだ。

指名手配されていたジローの容疑はようやく解け、
光明寺博士は少し海外でのんびりしたいと言い出す。
「実はスイスに家が買ってあるんだ!」。
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喜ぶ光明寺の子どもたち。

当時、日本人が海外で暮らす…などということは、
よほどの金持ちでないと叶えられない夢物語だった。

だが、ひとり浮かない顔のジロー・・・。
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ジローは密かに博士だけに別れを告げて旅立つ。
不完全な良心回路はそのままに、それに負けない
精神力を身に付けるために。
「完全な機械にはなりたくありません」と。
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光明寺一家を乗せた飛行機がスイスへ向けて飛び立つ。

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ひとり見送るジロー。

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光明寺ミツコの心の叫びが大空に響く…。

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東映作品って、どうも最後が尻すぼみ、唐突な締め方に
なるものが多い印象があるのだが、キカイダーに関しては、
ラストを連続物にすることで人間ではない
「人造人間」の成長物語を見事に描ききった。

やはりこれは脚本家、長坂秀佳先生の手腕によるところが
大きいだろう。そして、ただの脇役からはじまり、
いつの間にか主役を食う存在となった、うえだ峻さん演じる、
名探偵・服部半平の存在。
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実際のところ、服部半平なくして、キカイダーという番組の
後半は成立しない。重要場面で必ず登場し、その場の空気を
一変させ、すべてさらっていってしまった。

過去の資料本によると、続編にもこのままスピンオフとして
続投が望まれたのだが、うえだ峻さんが人気者となってしまい、
スケジュールの都合からそれが叶わなかったとか。

テレビ版「人造人間キカイダー」の影の主役は、
実は服部半平その人なのだ。再見する機会があれば、
その点に注目してご覧頂きたい。

うえだ峻さんこそ、日本のチャップリンになり得た
稀有なコメディーリリーフ的俳優なのだ。

見事完結したキカイダーは後から登場するのに、
「兄貴」という設定の次作へとつながってゆく…。





評価 ★★★★★
nise!(2) 

「人造人間キカイダー」第42話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕


第42話「変身不能!? ハカイダー大反逆!」。




前回ラストで爆発四散してしまったキカイダー。

目前で宿敵キカイダーを倒されたハカイダーは、
自らの目的を見失う。
「…俺は…俺は…なんだ!?」。
「これから俺はなんのために生きてゆく…?!」。
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ハカイダーはアカ地雷ガマを倒す。
「…俺は仲間を殺ってしまった…!」。

生きている意味を失くしたハカイダーは、
自分を創った者が憎い、それを殺す…!という答えを出す。
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ダークの首領・プロフェッサー・ギルを
殺害しようと壁をブチ破り、基地内へ侵入。

苦し紛れのギルは「お前を創ったのは光明寺だ!」と叫ぶ。
嘘を吹き込まれたハカイダーは地下牢の光明寺博士を
殺害しようと迫る。

それを止めたのは、
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ミツコの修理を受け、奇跡的によみがえった
キカイダーであった…!。
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どこまでも対等に戦いあいたいハカイダーは
告げる。
「まず足をつけてもらえ、俺はカタワものは相手にせん」。
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その頃、プロフェッサー・ギルはダーク破壊部隊、
最強の戦士・白骨ムササビを完成させ送り込む。
そのためにハカイダーはキカイダーとの決着を前に
倒されてしまった。
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キカイダー=ジローの腕の中で息絶えるハカイダー。
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さぁ大変だ!このままではハカイダーの頭部に
組み込まれた光明寺博士の脳みそまでもが死んでしまう!。

もう時間がない!ミツコに光明寺の脳手術をするように
告げるジロー!。

しかしミツコはロボット工学はかじっているが、
人間の手術なんてしたことがない!。
それでもやれと言うのか?!ムチャぶりにもホドがある!。

そこへ天井から降りて来た白骨ムササビは不気味に迫る…。
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                       つづく。


長坂秀佳先生の脚本による怒涛の展開はつづく。

自我崩壊し、ついに生きる目的を失うハカイダーの暴走。
復活するも修理が不完全であり、変身できないキカイダー。

そして、キカイダーVSハカイダーの戦いは、
決着が描かれることなく終わりを迎える。

子供むけ30分ドラマ、それも1970年代の(!)、
その存在はテレビの世界でも一段も二段も低く
見られていた時代に製作スタッフはここまで
高レベルの作品を送り出し、子供たちを挑発、興奮させる。

そして今また、当時の子どもたちによる再評価が
作品を永遠の名作へと昇華させるのだ。次回、ついに最終回。




評価 ★★★☆☆
nise!(2) 

「人造人間キカイダー」第41話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕


第41話「壮絶 ジロー空中分解!」。


今回登場する敵はアカ地雷ガマ。
これと言って必殺技もないのだが、体内で無数の爆弾を
作り出し、それを口から吐き出すというもの。

本作が強烈なのは、普通に戦闘がはじまり、
キカイダーがアカ地雷ガマに飛び乗った途端…、
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どっかぁ~ん!。

最終回が迫る中、主人公が五体バラバラ!!。 無題385.jpg

殺人の汚名を着せられ、ろうあ者になり、
警察に逮捕され、刑務所から逃走。
全国に指名手配されながら、生みの親である博士の
脳みそを頭に移植した弟ロボットと戦わなければ
ならない…。

ここまで主人公を追い込んでしまう展開が
あってよいものか?!。

そしてついにタイトル通り、空中分解バランバラン!。

これが「番組を乗っ取った」と豪語する、
脚本家・長坂秀佳の怖るべき手口なのである!。




評価 ★★★☆☆
nise!(10) 

「人造人間キカイダー」第40話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕


第40話「危しジロー!機能完全停止!!」。


ダークの新たな計画、それはキリギリスグレイを使い、
超音波により、日本国民をすべてキチガイにしてしまう、
恐ろしい「市民キチガイ計画」だった。

キリギリスグレイの秘密能力「マッドサイクル」は、
あらゆる音波を3.000倍にアップして発信するのだ!。

ダークは秘密アンテナ施設を建設していたが、
偶然、写生に来ていた少年により絵に描かれてしまう。
その絵を公表されれば、計画は失敗に終わる。

キリギリスグレイは少年を襲う。
少年はハンペンとマサルに出会い、マサルはサブローから
もらった機械の動きを停止させる、デスホイッスルを使い、
キリギリスグレイを足止めし、サブローを呼んだ。
少年とマサルたちを逃がすサブロー。

ことごとく、キカイダー討伐を邪魔し、命令に逆らう
サブロー=ハカイダーに手を焼くダークの首領、
プロフェッサー・ギルはハカイダーの廃棄を決定する。

その後、キリギリスグレイの執拗な襲撃のゴタゴタに、
マサルはデスホイッスルを落としてしまう。

その無くしたデスホイッスルをマサルに届けたのは、
ジローだった。マサルの信頼がなければ、
この先、人造人間として生きていても仕方がないと告げる。

そして、光明寺博士の息子であるマサルの手で、
分解してほしいと願う。



残り話数もわずかとなったが、今回もみどころ満載、
突っ込みどころ満載でお送りします。

まずは少年にアンテナ施設を
「写生」されてしまうのである。

写真に撮られたり、スマホで撮影…ではなく写生である。
どんなに長時間のんびりと警備していたのか。
そして執拗にその「絵」にこだわる悪の組織…。

その絵が完成し、提出されて公表されるまでに
キチガイ作戦をとっとと遂行すればいいのに…。

ラストはデスホイッスルを捨て、ジローにすがりつく
マサル。ジローへの信頼が復活するところで次回へつづく。
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今回もキカイダーの空中殺法が炸裂し、
自由自在に大空をかけめぐるが、
吊り下げ撮影用のクレ-ンが映り込んでいるのは
ご愛嬌。ということで。
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評価 ★★★☆☆
nise!(6) 

「人造人間キカイダー」第39話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕


第39話「父の仇ジロー 全国指名手配」。



ついに光明寺博士殺しの罪で全国指名手配されるジロー。
正義のヒーローが国家権力に指名手配され、追われる身に!。
海外のテレビドラマ「逃亡者」の児童版を思わせるこの展開!。

対峙するキカイダーとハカイダーであったが、
光明寺博士の脳を見せつけられて、手を出せない
キカイダーに戦えと告げるハカイダー。
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飛び道具は使いたくないが、逃げるならば撃つ!。

仕方なく戦うキカイダーだが、やはり手加減しなくちゃ。
だって、脳が見えてるし…。
なんとかその場を逃れたキカイダー。

その頃、ダークでは子供たちをさらい兵士へと改造する
作戦が行われようとしていた…。

光明寺の娘と息子の間にも亀裂が入ろうとしていた。
ジローを信じたい、姉のミツコ。
信じたいが、信じきれずに揺れ動く息子のマサル。

そんなマサルの心のスキマをついて、
ハカイダー=サブローは「オレに協力しろ」と、
秘密武器デス・ホイッスルを手渡す。
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ここから発する光を当てると機械はすべての
動きを停止する便利なものだ。
さらには笛までついており、これはサブローに直結している。
この笛の音を聞くとサブローがいつでもどこでも
現われるという仕組みである。本当に便利!。

その頃、キカイダーはダークロボット・アンコウブラウンから
子供たちを救い出し敵を倒した。だが間髪を入れず警察の
追っ手は迫る。

誰にも信じてはもらえぬ身だが、この子供たちだけは、
ジローが正義の味方であることを知っている。
彼らの声援を背に去ってゆくジロー。        つづく。

不完全な人造人間ながら意外と強いキカイダー。
ハカイダーとも互角、いやそれ以上に戦えるのだが、戦えない…。
色々と「アラ」はあるのだが、勢いで見せてゆく
脚本のチカラには脱帽するしかない。




評価 ★★★☆☆

nise!(9) 

「人造人間キカイダー」第38話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕



第38話「ハカイダーがジローを殺す!」。

ついにキカイダーとハカイダーが対峙する!。

光明寺博士は実は生きており、このハカイダーの完成に
重要な役目があった。それは…ハカイダーの頭脳には、
光明寺博士の脳髄が移植されているのだ!。
透明フードから見えているのが、その脳みそ!。

それを知ったキカイダーは、ハカイダーに手出しする
事が出来ずにただ逃げるしかなかった…!。

この秀逸なアイディア!。
人質として、脳みそを、しかも相手に見えるように
むき出しで脅迫しながら迫って来る敵の設定よ!。

光明寺博士殺害の汚名をきたまま逃走を続けるジロー。
苦悩する光明寺の娘ミツコと息子のマサル。
「本当にジローは父を殺したのだろうか」…。

そこへ姿を現したのが、巨大なナイフを片手で
くるくる回しながら、なんと新宿のビルの壁を、
歩いて降りて来る男…、
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その名はサブロー。

サブローは言う、「オレはジローが壊れた時、
目覚めるように作られた」と…。

サブローはジローを倒すと宣言する。
果たしてサブローの言う事は本当なのか…。

ダークロボット・ヒトデムラサキを破り、
ひと息ついたキカイダーの前にまたしてもハカイダーが!。
両者一歩も譲らぬまま次週へとつづく…!。


特撮ヒーロー番組数あれど、後半のわずかな話数に
登場するのみの悪役キャラクターの分際で、
渡辺宙明先生作曲、水木一郎アニキ歌唱による
テーマソングを持つなんて前代未聞、ハカイダーただひとり!。





評価 ★★★☆☆



nise!(6) 

「人造人間キカイダー」第37話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕



第37話「ジローの弟 強敵ハカイダー!」

オーバーヒートを起こし、機能停止のまま倒れ込んだ
ジロー。その間に光明寺博士は連れ去られてしまった。

女性カメラマンの撮ったジローが光明寺を襲う、
決定的な証拠写真をもとにジローは警察に重要参考人として
連行される。

しかしジローは、ギルの笛の影響と創造主である、
博士を襲ったショックから口がきけなくなり、
無実を訴えることが出来なくなっていた。

ジローはダークの暗躍を目撃した少女を救うが、
警察の目の前でまたしてもギルの笛の音が彼を苦しめる!。
ジローの手が少女の首を絞めようと伸びてゆく…!。

拳銃を構える警官たちにより再び連行されるジロー。


その様子を監視カメラで見ていたのが、
悪の首領・プロフェッサー・ギル。

そしてついにキカイダー最大の強敵、
ハカイダーの登場である…!!。

…出ろ…、
出て来い、
ハカイダァ~!!.

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この安藤三男氏の危機迫る演技!周囲には飛沫が飛び散り、
口の中でツバが糸を引きまくる!なにより、
ここまでドアップにする必要が…?!。
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そして棺から姿を現したのは…、
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体内に悪魔回路を組み込んだ悪の戦士ハカイダー!。



長坂秀佳先生の脚本はどこまでもヒーローを追い詰める。
これ以前の子ども番組ではありえなかった、
ヒーローによる子供への暴行、それを警察組織の前で
行わせる。

警察もジローを人間だと思い込んでいたからこそ、
慎重に捜査をしていたが、人造人間=機械だと知るや、
「機械なら人権ないじゃん!」
「危険な機械は壊そう!」と捜査も裁判も抜きで即決。

そこへ光明寺博士の他殺死体が発見される…!。
喋ることが出来ず、弁解できないジロー。
(筆談ではアカンのか?と思うが、そこは気にするな)
四面楚歌の中、ハカイダーは誕生し、
留置場の中のジローには大学教授たちによる、
分解・解体チームが迫っていた。どうする?どうなる?!。

ここで「つづく」。

また一週間、先延ばしかよ!!。
しかし長坂脚本はこんなもんではない。
まだまだジローを追い込んでゆく…。
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評価 ★★★☆☆
nise!(5) 

「人造人間キカイダー」第36話 1973 [テレビ特撮昭和]


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〔1973年/日本/東映〕




第36話「狂ったジローが光明寺をおそう」


記憶喪失となり全国津々浦々をさまよい歩いている、
光明寺博士がどうしても必要な悪の首領、
プロフェッサー・ギル。

ついに光明寺の居場所をつきとめ追い詰めた。
もう少しだ!。しかし、そこへギターの青年・ジローが
颯爽と現れ、ダーク破壊部隊のロボットから博士を
救おうとする…のだが、ギルは超音波笛を使い、
その悪魔の音色で、ジローの良心回路を妨害する。

この超音波に負けた時、ジローは完全な悪の人造人間と
なってしまうのだ。笛の音と良心回路のギリギリの
せめぎあいが続く中、無責任に「良心回路を使え!」と、
叱咤激励する光明寺博士。ついに彼の記憶が戻ったのだ。

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しかし、執拗なギルの笛の前についにジローは、
創造主である光明寺博士を手にかけようとする。

「ジタバタするな光明寺!抵抗すると命を落とすぞ!」。

アイザック・アシモフによるロボット三原則、
「ロボットは人間に危害を加えてはならない」、
当時の児童向け番組でこれを破ってしまった脚本がスゴイ。

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手をかけた瞬間、ジローの良心回路がオーバーヒートを
起こし、すべての機能が停止してしまった。
微動だにしないジロー…!。


また、この回の音楽の使い方、演出も素晴らしい。
子門真人さん歌唱による挿入歌「悪魔が今日も笛を吹く」が
実に効果的に使われている。

ここで「つづく」なのである。
もう、来週が待ち遠しくて仕方ない!。
長坂秀佳先生は、昭和48年の時点でこんな怖ろしい
脚本を、子供むけの番組で書いていた…。実に怖ろしい。




評価 ★★★☆☆
nise!(10) 
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