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「人造人間キカイダー」第35話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕




第35話「ジロー デンジエンドの最期!」

記憶を失い農民として暮らしていた光明寺博士を、
カラスの大群が襲う。

それはダークの新たな作戦の幕開けだった。
間一髪、救いに入ったジローにより光明寺は脱出。

ダーク破壊ロボット、クロガラスが出現。
としての正体を現した。「桁が違う」能力を持つクロガラスは、
キカイダーの必殺技であるデンジエンドを跳ね返した。

技が破られ、驚き逃走するキカイダー。

ジローは鉄塔から高圧電流を流し込み、パワーアップを図る。
それはまさに命がけの行為であった…。






現在、テレビ朝日系深夜に放送されている日本版「24」、
担当の長坂秀佳先生の脚本による連続ストーリーの開幕である。

光明寺博士は記憶喪失で行方不明なのであるが、ジローや
娘、息子の周りを常にうろついている。
まぁ、そうしてくれないとストーリーが進まないのだが。

番組終盤になって、いきなりのキカイダー新必殺技が登場!。
合成を贅沢に使うリッチなもの。

ラストはいよいよ登場を間近に控えた最強戦士、
ハカイダーのシルエットと超どアップで高笑いをしながら、
カメラ目線で視聴者に語り掛けるプロフェッサー・ギル!。
(上部画像ご参照)。

かつて、ここまで視聴者を脅しまくる悪の首領がいただろうか!。
安藤三男最強である!!。

今回も次回予告ではハカイダーを1カットだけチラ見せ。
どこまでも引っ張る東映のスタッフ!。
ここまでやられれば、来週も見るしかにだろうよ?!。
当時の子どもは。





評価 ★★★☆☆
nise!(11) 

「人造人間キカイダー」第34話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕




本作が製作されたのは1973年。
この年は日本を空前のパンダブームが襲った。

東京・上野動物園にランラン、カンカンという2頭の
パンダがやってきたのだ!。白と黒…という抑え目な体色が
日本人の好みにあったのだろうな。

2時間待ちの行列で、観覧できるのは30秒(!)という、
怖ろしい環境で「密」どころではなかった。
当然、その人気っぷりは映像の世界にも波及し、
テレビ、映画、様々な作品にパンダは登場した。

「人造人間キカイダー」
第34話「子連れ怪物 ブラックハリモグラ」である。

この回に登場するダーク破壊部隊が送り込む敵ロボットは、
ブラックハリモグラとその娘、子ハリモグラ。

パンダのぬいぐるみが大好きな小学生程度の女の子ロボだ。
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同じく当時人気だった「子連れ狼」のテーマをバックに、
ヨタヨタ歩くハリモグラ親子。
その声も「サザエさん」のマスオさんでおなじみ、
増岡弘さんのご担当ということもあり、どこかユーモラス。
「悪」を感じさせない。


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逃げまどうハリモグラ親子をバイクで追い回すキカイダー。

正義の戦士キカイダーもこの回ばかりは、
なんだか悪役っぽい…。

崖上で無慈悲に親ハリモグラにとどめを刺すキカイダー!。
「父ちゃぁぁぁ~~~ん!!」絶叫し、父を追い、
崖から足をすべらせる子ハリモグラ。
あえなく爆発、絶命…!。

遺されたパンダのぬいぐるみを手に、
「子供だけでも助けたかった」。
キカイダーのセリフが白々しい…。


本作最大のインパクトは本編終了後にやってくる。

CM明け、次回予告の箇所が…、
いきなり聞き慣れない、水木一郎アニキの曲が流れて来る。
ナレーションは一切なし。

カラスに襲われる光明寺博士、そして謎のシルエット…!。
はじめて目にする黒いスーツのキャラクターが、
バイクで疾走している…これは一体なんだ!?。

そう、これこそが次回からはじまる、
連続ストーリー、ハカイダー登場の序章であったのだ!。

一切の説明を視聴者にせず、次週まで興味を引き続ける、
このスタッフの手腕よ!。
当時の子どもたちはテレビの前でどれだけ驚いただろうか。

だって、インターネットのなかった時代だぜ?!、
予備知識なんてゼロに近いんだぜ?!。

そして「人造人間キカイダー」は次回より、
戦後の児童向けテレビ番組史上例を見ない、
空前絶後の展開に突入してゆく…。




評価 ★★★☆☆
nise!(9) 

「ウルトラマンレオ」第1話 1974 [テレビ特撮昭和]

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〔1974年/日本/円谷プロ〕




故郷である獅子座L77星はマグマ星人の侵略によって
滅ぼされ、命からがら脱出したレオは地球にたどり着いた。

地球人おおとりゲンの姿となり、城南スポーツセンターの
指導員として平和に生活していたのだ。

一方、ウルトラセブンは再び地球防衛の任に就き、
モロボシ・ダンとして宇宙パトロール隊MACの
隊長を務めていた。

地球に侵略の手を伸ばしてきたマグマ星人と
二大怪獣レッドギラス、ブラックギラスと対戦した
ウルトラセブンは足を折られ、セブンに変身する
能力を失ってしまう・・・。

ウルトラセブンのピンチに颯爽と現れたゲンに、
ダンは地球を守ることを依頼する。

「明日の朝、昇る朝陽がお前だ!」と。




もうサブタイトルからして絶望しかない。
「セブンが死ぬ時!東京は沈没する!」。

放送当時、オイルショックに沈んでいた日本列島を覆う、
重苦しい空気は子ども番組にまで波及していた。

先週まであれだけ入れ替わり立ち替わり、地球に来ていた
ウルトラファミリーは一体どこに消えたのか、
地球を守る最後の砦がウルトラセブンただひとりという世界観。

しかも、第1話でセブンは宇宙人と怪獣2体にボコボコにされ、
足まで叩き折られてしまう。耳まで落ちている…。
このシーンに被さる効果音がまた痛そう…。

変身能力まで失ってしまうという鬱展開なのだが、
それを救ったのが、滅亡した惑星から逃げて地球で
隠れ住んでいたL77星の宇宙人、レオであった。

レオはウルトラ一族ではないので、この時点ではまだ
「ウルトラマン」ではない。名もなき助っ人宇宙人である。

絶望の中に一筋の光を見せて、第1話は終了。
次回後編へとつづくのである。





評価 ★★★★☆
nise!(11) 

「宇宙鉄人キョーダイン」1976 [テレビ特撮昭和]

スカイゼル、グランゼルの活躍により、ガブリン率いる、
悪の軍団・デス五人衆は次々と倒されて行った。

後がない事を悟った五人衆のひとり、デスガッターは、
不退転の覚悟でキョーダインに戦いを挑む。
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人間の姿に身を替え、キョーダインのスキを伺う。
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そう、彼こそが橋爪功である!。


橋爪の元に耳より情報が飛び込んで来る。
キョーダインの秘密基地の台所にある流し台を
新しいものと交換するというのだ!。それも今日。

思い余った橋爪功は自らの体を部下に切り刻ませ…、
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流し台(新品)に組み立てさせる。

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これが憎き相手、「愛と誠」の夏夕介と、
「君たちは魚だ」の佐々木剛である。

後方に見えるムチムチのミニスカートは、
アニメソング界の女王・堀江美都子サマである。

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流し台の橋爪功はまんまと秘密基地の台所に
無事設置される。


しかし…すぐに…バレる。

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基地からたたき出され、草むらで夏夕介と、
材木で殴り合い!!。

結局、ここまで努力したものの、キョーダインの前には、
橋爪功も敗北を喫する…。というか、まだ芸能界では
キョーダインに勝てるレベルになかったのだ。
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ショックを受けたのは自宅でテレビを見ていた、
小川真由美の娘だった。

いつ頃からか、自分の家に母と同じ文学座だという、
怪しい男が出入りするようになっていた。

…なんだよ、あの売れない三流俳優は…。

それこそがデスガッターだった。

小川真由美と橋爪功は事実婚状態であり、
小川の娘は橋爪のことをよく思ってはいなかった…。

テレビの前で娘は絶句した。

「流し台を…パパと呼ばなければいけないの…?」。

娘の涙の訴えに、いくら役の上とは言え、
水槽で泳ぐ魚を手づかみで捕え、いきなりその横腹に
かじりつき食いつくす…という、おちゃめな一面を
見せる小川真由美もしばし考えた…。「流し台か…」。


小川真由美と橋爪功。
当時の芸能界のポジションから言えば、
「格差」カップルであった。確かにそうだ。
しかし、アタシはアイツを愛してしまったのよ…。

でも、流し台はないわな…流し台は…。

それが原因となったのかどうかは、
今となっては定かではないが二人は婚約状態のまま、
破局を迎えた…。

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その後、風は功に吹き、現在の橋爪功がある。

功はつらいよ。功に歴史あり。


(一部、時系列的におかしな部分も見られますが、
 小川真由美さんの精神的にもおかしな部分がございますので、
 それでおあいこです。ご了承ください)。





評価 ★★★★★
nise!(13) 

「光戦隊マスクマン」1987 [テレビ特撮昭和]

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〔1987年/日本/東映〕




地底帝国チューブが、地上への侵攻を開始した。
これを10年前から予見していた科学者・姿三十郎は
5人の若者を選抜、光戦隊を結成した。

人間に秘められた未知の力、オーラパワーを
科学力で増幅し、光戦隊マスクマンがここに誕生。

リーダーであるタケルの恋人・美緒の正体は、
地底帝国チューブのイアル姫だった。
裏切り者として地底に凍結されたイアル姫を、
タケルは救うことができるか…!。




1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」からはじまり、
令和の「騎士竜戦隊リュウソウジャー」まで、
その人気は衰えることなく親子2代に渡り親しまれる
東映が世界に誇るスーパー戦隊シリーズ。

こちらは堂々のシリーズ第11弾!、
1987年(昭和62年)放映開始「光戦隊マスクマン」。

アニメ「闘将ダイモス」のように、
一組の恋人が善と悪に分かれ、戦いの渦中で、
引き裂かれる…。戦隊モノに特定の彼女アリを
本格的に持ち込んだ生々しい設定のヒーロー登場!。

オトナの俳優を目指し「渡る世間は鬼ばかり」
などで活躍していた海津亮介さんは、
橋田壽賀子さんの逆鱗に触れ、芸能界を引退。
現在はみそラーメン屋を経営する傍ら、ファンに向けて
グッズや色紙を販売し、地道にがんばっておられる。

悲劇のヒロインを演じる浅見美那さん。
当時、すでに日活ロマンポルノなどで活躍されており、
変身しないとはいえ、子供番組のメインキャストに
ポルノ女優が登場したのはなかなかの衝撃であった。

その後、時代の流れが変わり「AV女優」と呼ばれる
職業の方々が続々と、子供番組に登場してくる。
多分、プロデューサーの趣味だったのだろう。

そんなキャスティングのハシリとも言えるのが、
「光戦隊マスクマン」だったのだ。




評価 ★★★☆☆
nise!(11) 

「超新星フラッシュマン」1986 [テレビ特撮昭和]

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〔1986年/日本/東映〕




全宇宙を旅し、さまざまな生体改造を続けてゆく、
改造実験帝国メス。その配下にあるエイリアンハンターは、
地球で改造実験の素材として5人の子供をさらった。
その5人はフラッシュ星人に救われて育てられる。

そして20年後。
成長した5人は自分たちをさらったメスが地球侵略を
計画していることを知り、地球に帰還。

過酷な環境のフラッシュ星で鍛えられた強靭な肉体と、
最新科学で超新星フラッシュマンとして、メスと対決する。





1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」からはじまり、
令和の「騎士竜戦隊リュウソウジャー」まで、
その人気は衰えることなく親子2代に渡り親しまれる
東映が世界に誇るスーパー戦隊シリーズ。

こちらは堂々のシリーズ第10弾!、
1986年(昭和61年)放送開始「超新星フラッシュマン」。

フラッシュマンの戦いは実に哀しい。
生まれた直後、ある日突然、宇宙へさらわれた彼らは、
故郷の危機を知り、それを救うために帰ってきた。

戦いながらも、それぞれの生き別れの家族を探す。
ようやく5人のうちのひとり、サラの家族ではないか?と、
思われる一家に出会う。

しかし運命はどこまでも彼らを翻弄する。
地球人でありながら、フラッシュ星で育った5人は、
反フラッシュ現象を発症し、地球の環境に
適応できなくなっていたのだ。

このまま地球にとどまれば、彼らは死に至る。

戦いが激しさを増し、タイムリミットが迫る中、
ようやく敵組織を壊滅させるも、フラッシュマンには
時間がなくなった。

サラの本当の家族と再会、確認する間もなく、
瀕死のまま、彼らは地球を去らねばならなくなった。
いつか必ず、この現象を克服し、地球に帰って来ると
誓いながら…。

地球を守るために戦っているのに、
その地球に拒絶されたと絶望する戦士。
5人のうち、ひとりだけ身元が判明すると思わせる展開。
複雑な思いのメンバーたち。

子供向けにアレンジされて、わかりやすく描かれているが、
ドラマはかなりの悲劇度。ラストも決してハッピーエンド
とは言い難い。

本作最終回には通常のエンディングテーマが流れる
バージョンと本放送で流された本編とエンディングが
繋がったバージョンが存在する。
現在はDVDソフトの映像特典として両方の鑑賞が可能。




評価 ★★★★☆
nise!(11) 

「電撃戦隊チェンジマン」1985 [テレビ特撮昭和]

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〔1985年/日本/東映〕


ハートに火が点くぜ!



地球外生命体の脅威から地球の防衛を任務とする
地球守備隊の日本支部では、各部隊から
集められた精鋭たちに対して、鬼軍曹と呼ばれる
教官、伊吹による激しい訓練が今日も行われていた。

その過酷すぎる訓練に対して多くの隊員は、
次々と脱落していってしまう。

そんな最中、星王バズー率いる異星人の集団、
宇宙帝国大星団ゴズマの地球侵略が始まった。
地球守備隊員達は絶体絶命のピンチに陥る。

その時、地球から謎の光が放たれ5人の隊員が、
偶然にもその光を浴びた。5人は強化服をまとった
戦士に変身。とまどう5人…。

その驚異的なパワーは異星人を圧倒する。
自分たちの力に驚く5人に伊吹は言う。
今までの厳しい訓練は、地球守備隊内に設置された
特殊部隊である「電撃戦隊」のメンバー選抜のためだったと。

彼ら5人こそが地球が発する不思議な力、
アースフォースに選ばれた戦士であることを。
地球の最後の切り札、それが電撃戦隊チェンジマンなのだ!。





1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」からはじまり、
令和の「騎士竜戦隊リュウソウジャー」まで、
その人気は衰えることなく親子2代に渡り親しまれる
東映が世界に誇るスーパー戦隊シリーズ。

こちらは堂々のシリーズ第9弾!、
1985年(昭和60年)放送開始「電撃戦隊チェンジマン」。

ダイナマン、バイオマンに続き、本作も大河ドラマ的縦糸が、
ストーリーの軸となり、1年間に渡り展開される。
主人公たちは「地球に選ばれた戦士」であるがため、
その「驕り」で慢心となり、調子をこいてしまうような
異色のエピソードも作られる。

ほかの軍人仲間に「俺たちが選ばれれば良かった…!」とまで、
言わしめてしまう。で、反省して再戦に…と。

また、誰もが一度は考える「この変身スーツが脱げなくなったら
どうすんの?」というエピソードも。

最終回では驚愕のどんでん返し!。
宇宙を舞台にした作品にふさわしく、
鬼の長官だった伊吹さんが実は…宇宙人だった!!。
そして宇宙へ旅立ってゆく…。なんて広大な世界観なのでしょう。

本作の主題歌を担当する「KAGE」なる歌手の正体は、
かつてアイドル的人気を誇ったグループ、
レイジーの「ミッシェル」こと影山ヒロノブさん。

芸能界の上がり下がりに揉まれて、どん底にあった彼が、
アニメソングに出会い、再び表舞台で大活躍に至るきっかけが、
この「電撃戦隊チェンジマン」。

本作がなければ後の「ドラゴンボールZ」の歴史は、
少し違ったものになっていただろう。
なんせ海外のファンが「ちゃーらーへっちゃらー♪」と
合唱するほど親しまれる国民歌なのだから…。

なんにでも「ご縁」「タイミング」というのはあるなぁ。





評価 ★★★☆☆



nise!(9) 

「冒険ロックバット」1975 [テレビ特撮昭和]

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〔1975年/日本/ピー・プロダクション〕



ここは動物たちが平和に暮らす「どうぶつ国」の
「どうぶつ村」。今日も黒雲の姿をした悪の帝王、
ワルジャンとその手下、ドラダヌギーが悪事を働いている。

科学者のズク博士は、この国の平和を守るため、
2体のロボット、ロックバットと、その弟ブレイザーを製造。
おっちょこちょいのロックバットは、失敗を繰り返しながらも、
正義のためにブレイザーとともに活躍する。




1975年(昭和50年)より放送開始された「冒険ロックバット」。
月曜から土曜日までの週6日間、夕方5分間放送されたミニ番組。

製作は、漫画家・うしおそうじ先生率いるピー・プロダクション。
かつて「マグマ大使」や「スペクトルマン」で隆盛を誇った
ピープロもロボットアニメブームに押され、特撮作品が下火となり、
実質的にこれが同社が製作した最後の連続テレビシリーズとなった。

同社の売りであり、社長自ら自虐ギャグとして愛用していた
「低予算」を逆手に取り、アニメ合成、バンクフィルム
(撮影済みフィルムの再使用)の多用、廃園となった遊園地で
撮影を行うなど、お金がない!を感じさせない作りとなっている。

一見子供向けに見せかけた物語も、デートに梅干し持参で、
2人でそれをしゃぶっている…など、
シュールな部分が随所に見られ、
こちらはあっけに取られたまま5分間が過ぎてゆくのだ。

本作は全156本と言われ、近年ブルーレイ商品の特典として、
現存する話数が映像ソフト化されている。
欠落した話数のサブタイトル部分「のみ」というような、
断片も収録されているのだが、なぜこのような細切れの
フィルムが残されているのだろうか…。

と、思い当たるフシが…。
後年、本作を再放送する際、15分枠に収めて
番組販売するため、本編を繋ぎ合わせる処理が
行われていた。1990年代の再放送はこれが主となっており、
この時にどうも原版をチョン切ってしまった可能性が高い。

うしおそうじ先生は1980年代後半、東京でビデオショップを
経営するなど一般ファンとの交流も積極的に行っておられた。

現在のように作品が二次利用、三次利用されるとは
考えられなかった時代、一度放送・製作に使用した素材は
不用品として、気軽にあげたり、捨てたりしていた場合が
多かった。

遊びに出向いて、帰り際に6mmの音楽テープをもらった!、
ってな話も耳にした(笑)。(だから今、CDが出せない)。

ロックバットの欠落話数はその繋ぎ合わせたフィルムを
発見できれば復元できる…かも知れない。
が、使い古した16mmフィルムなんて、
もう残っていないだろうなぁ。




評価 ★★★☆☆


nise!(12) 

「超電子バイオマン」1984 [テレビ特撮昭和]

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〔1984年/日本/東映〕



キミの心にしるしはあるか?。

高度な文明によって栄えたバイオ星は、その超科学によって
生み出された超物質「バイオ粒子」をめぐる戦争により滅びた。

バイオ粒子の平和利用を目指していたバイオ星平和連合は、
宇宙一美しい星、地球で将来、自分達のような
科学をめぐる悲劇を繰り返させてはならないと、
自我を持つ巨大ロボット・バイオロボとピーボを
地球に送りこむ。

地球に到着したピーポは深い眠りにつく。そして500年…。
ドクターマンと名乗る狂気の天才科学者が、
新帝国ギアを率いて世界征服を開始した。

地球の危機に目覚めたピーボは、5人の若者を召喚する。
彼らは500年前、バイオロボによって肉体と精神を強靱にする
バイオ粒子を浴びせられた5人の若者の子孫だったのだ。

宿命の糸で結ばれた5人の若者は、
バイオマンとしてギアに立ち向かう!。




1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」からはじまり、
近年の「騎士竜戦隊リュウソウジャー」まで、
その人気は衰えることなく親子2代に渡り親しまれる
東映が世界に誇るスーパー戦隊シリーズ。

こちらは1984年(昭和59年)より放映開始された
シリーズ第8弾!「超電子バイオマン」。

本作から女性メンバーを2人に増員。
そしたら、ウチの幼稚園の先生がポツリと言ったのよ。
「増えたら増えたで、問題も増えるで…」。

当時はこの言葉の意味はよくわからんが、
とにかくすごい自信だったことはよく覚えている。

先生の予言通り、撮影中にイエロー役の女優が
突然失踪。同棲中の女性と駆け落ちした…など、
理由は様々ささやかれるが、現在も明らかには
されていない。

困ったスタッフは、とにかく「殺しましょう!」と、
イエローフォーを劇中で戦死させる。
当然、素顔の女優は出てこられないので、スーツのまんま
みんなで土中に埋める…。

声は「ワンピース」「ドラゴンボール」のクリリン、
「未来警察ウラシマン」のジダンダで世界的に有名な、
田中真弓女史が無理やりアフレコ。

とにかく殺すことに成功した。

さて、問題はその後である。

失踪した女優の所属先である事務所、
ジャパンアクションクラブより、急遽後釜の女優を用意。
もう、ホントすいません…と、
当時は子供番組にこの人が?!と思われるクラスの、
真田広之さんをお詫びのゲストとして出演させる…。

その後も、映画主演で活躍中の黒崎輝さんまでが、
ゲストにやって来て、戦隊シリーズにしては、
豪華すぎる出演陣となった。これぞ怪我の功名。

その後も、東宝で活躍された中丸忠雄さんが登場。
敵味方ともに、リッチな出演者が揃った。
内部のゴタゴタで揺れに揺れた戦隊シリーズ、
それが「超電子バイオマン」なのであった。

消えた女優、矢島由紀さんはその後も、
現在に至るまで、一切表舞台に姿を現さない…。




評価 ★★★☆☆
nise!(11) 

「科学戦隊ダイナマン」1983 [テレビ特撮昭和]

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〔1983年/日本/東映〕


爆  発  !


地底世界で、地上の人類すら及ばぬほどの進化を遂げた
有尾人一族・ジャシンカ帝国。
初めて帝国の統一を成し遂げた帝王アトンは今、
地上侵略を宣言した。しかし、ジャシンカの動きを
察知していた夢野久太郎博士は、科学の粋を集めた
秘密基地・ダイナステーションとダイナロボを密かに建造し、
来るべき戦いに備えていたのだ。

博士が日本全国から呼び寄せた5人の若者たちは、
博士が発明した強化服ダイナスーツを装着し、
科学戦隊ダイナマンとなってジャシンカを迎え撃つのだ!。

子供たちの夢と未来を守るため、ダイナマンは戦う!。




1975年の「秘密戦隊ゴレンジャー」からはじまり、
近年の「騎士竜戦隊リュウソウジャー」まで、
その人気は衰えることなく親子2代に渡り親しまれる
東映が世界に誇るスーパー戦隊シリーズ。
こちらは堂々のシリーズ第7弾!「科学戦隊ダイナマン」。

ダイナマンのキーワードは「爆発!!」。
とにかく「爆発!」。
至るところで「爆発!」。
それもカラフルな5色の「爆発!」が巻き起こる。
毎回名乗る度に「爆発!」。
CGのない時代である。いちいち「爆発!」させていた。

企画時の名残から、野球選手のユニフォームを
モチーフとして、敵側のデザインをアニメ界で活躍していた
出渕裕先生を招集。

プロデューサーを東映ロマンロボの鈴木武幸さんがご担当。
「ボルテスV」や「闘将ダイモス」で描かれた大河ドラマ的
展開が物語に導入される。

しかし…放送第10話より、放送時間が30分から25分に
短縮されてしまい、本編が実に慌ただしいものと
なってしまう。

敵の攻撃、ダイナマン登場、名乗り、戦艦の出動、
ロボットの合体、敵との決闘…とても25分では
描き切れない分量の物語をギュウギュウに詰め込んでいる。
ちょっとこれは厳しかったのだが、
この放送形態は1997年まで続いてしまう。
戦隊苦難の時代である。


キャスト面では前年「大戦隊ゴーグルファイブ」の
ブラックを演じた、春田純一さんがスライドして、
この年もダイナブラック役を続投。

大葉健二さんという前例もあったが、
これはなかなかに異例な抜擢。
春田さんは後に、つかこうへい劇団の舞台役者として
JAC(ジャパンアクションクラブ)を代表する出世頭となった。




評価 ★★★☆☆

nise!(11) 
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