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「人造人間キカイダー」第43話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕



第43話「ジローの最期か ダーク全滅か!?」。



ジローの変身回路は脳手術を受け回復した
光明寺博士により復活。白骨ムササビを必殺のデンジエンドで
葬り去る。そして追い詰められたダークの首領、
プロフェッサー・ギルは自ら自爆スイッチを押し、ダークは滅びた。
ついに平和がよみがえったのだ。

指名手配されていたジローの容疑はようやく解け、
光明寺博士は少し海外でのんびりしたいと言い出す。
「実はスイスに家が買ってあるんだ!」。
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喜ぶ光明寺の子どもたち。

当時、日本人が海外で暮らす…などということは、
よほどの金持ちでないと叶えられない夢物語だった。

だが、ひとり浮かない顔のジロー・・・。
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ジローは密かに博士だけに別れを告げて旅立つ。
不完全な良心回路はそのままに、それに負けない
精神力を身に付けるために。
「完全な機械にはなりたくありません」と。
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光明寺一家を乗せた飛行機がスイスへ向けて飛び立つ。

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ひとり見送るジロー。

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光明寺ミツコの心の叫びが大空に響く…。

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東映作品って、どうも最後が尻すぼみ、唐突な締め方に
なるものが多い印象があるのだが、キカイダーに関しては、
ラストを連続物にすることで人間ではない
「人造人間」の成長物語を見事に描ききった。

やはりこれは脚本家、長坂秀佳先生の手腕によるところが
大きいだろう。そして、ただの脇役からはじまり、
いつの間にか主役を食う存在となった、うえだ峻さん演じる、
名探偵・服部半平の存在。
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実際のところ、服部半平なくして、キカイダーという番組の
後半は成立しない。重要場面で必ず登場し、その場の空気を
一変させ、すべてさらっていってしまった。

過去の資料本によると、続編にもこのままスピンオフとして
続投が望まれたのだが、うえだ峻さんが人気者となってしまい、
スケジュールの都合からそれが叶わなかったとか。

テレビ版「人造人間キカイダー」の影の主役は、
実は服部半平その人なのだ。再見する機会があれば、
その点に注目してご覧頂きたい。

うえだ峻さんこそ、日本のチャップリンになり得た
稀有なコメディーリリーフ的俳優なのだ。

見事完結したキカイダーは後から登場するのに、
「兄貴」という設定の次作へとつながってゆく…。





評価 ★★★★★
nise!(2) 

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