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「キカイダー01」第1話 1973 [テレビ特撮昭和]

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〔1973年/日本/東映〕



第1話「無敵!! 人造人間ゼロワン誕生!!」


つい先週、死闘を終えどこかへ旅立っていった
人造人間キカイダー=ジロー。

しかし、悪の根は絶えることはなかった。
再び、日本を暗雲が覆った。
悪のエネルギーが充満した時、それを感じ取り、
お寺に納められた仁王像の目が怪しく光った…。
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…びよ~ん!びよ~ん!びよ~ん!!。
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ドッカァァ~~ンッッ!!。
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「キカイダ~~~…」
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「ゼロワンッ!!」。


このキカイダーゼロワンこそ、光明寺博士が
ジローを造り出す以前に完成させ、仁王像の中で
眠らせていた正義の人造人間だったのだ!。

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ここで色々と疑問が噴出する。

先週までダーク破壊部隊が暗躍し、
ジローがバラバラにされるほど苦戦していたのに、
ひたすら眠っていたのはなぜか?。

後から出て来たのに、ジローの弟ではなく兄貴なのは
なぜか?。

ジローの良心回路は開発途中の不完全なものであった。
そのため善と悪の狭間でジローは苦しみ続けた。
だが、ジローの後から出て来た兄のイチローに
組み込まれた良心回路は「完全なもの」である。

正義を遂行することに迷いはない。

自ら「正義の戦士」と名乗るほど、根っからの正義である。

戦う相手は、先々週死んだハズのハカイダー。

卑怯なことを嫌い、
正攻法で正義と戦ったハカイダーは死んだ。

ここにいるハカイダーはダークの首領である、
プロフェッサー・ギルの脳を組み込まれて
普通の悪党として再び登場したのだった。

そのため、色違い3人の子分を引き連れ、
子どもですら平気で人質にとるのであった。
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子どもの危機に鳴り響くトランペット…!。
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彼こそが…、
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「正義の戦士…」
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「キカイダァ~、
 ゼロワンッッ!!」。


この不敵な笑顔!負ける気がしない!。
この頃のヒーローは「お兄さん」ではない。
頼れるオッさんである!!。


展開される物語にはツッコミどころが多い。
というか、ツッコませるところばかりである。
しかし、それを上回る力強さが文句を言わせない。

この脚本を手掛けたのが、現在日本版「24」を
担当する長坂秀佳先生なのである。現在につながる、
おもしろけりゃあ、細かい事はいいんだよ!、は
この当時から健在である。

後のムック本のインタビューによれば
「原作」クレジットこそ「石森章太郎」に
なっているが、本当の原作者はオレだ!ってな
証言を残している。

番組タイトルを「キカイダーゼロワン」にするか、
「ゼロワンキカイダー」にするかで半日揉めたんだよ、
その時、ちょっと頭を冷やしましょうということに
なって、皆が表に出た時、石森先生がオレのそばに
ささっと寄ってきて、「ボクは長坂くんの意見に
賛成なんだけどねぇ~」と耳打ちしてくれたとか。

制作予算が厳しいと現場に言われていたので、
撮影を見に行ったら、ハカイダーの衣装が
ゴロゴロしてるんだよ。
とっさに「これを使って集団にすればいいじゃねぇか」と。
このアイディアを出したのもオレ!。

長坂先生特有のリップサービスなのだろうが、
「手柄は全部オレ!」。
失敗したら「現場に理解がなかったせい」。

天才のなせる技である。

しかし、ここまで大口を叩きながら現役を続けていられる…、
というのは、皆に愛されている証拠となろう。





評価 ★★★★☆
nise!(10) 

nise! 10