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「長靴をはいた猫80日間世界一周」 1976 [映画・アニメ]

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〔1976年/日本/東映動画〕




ここはドンドン町のサロン。
名士たちを前にペロはとんでもないことを宣言してしまう。
80日間で世界を一周してみせると言ってしまったのだ。

グルーモンという金持ちブタが、これを聞きつけ、
回れない方に全財産を賭けると言い出した。
負けたらペロは生涯を奴隷となってしまう。

そこへペロをつけ狙う殺し屋たちが飛び込んでくるが、
グルーモンにぶっとばされてノックアウト。

ペロはカバのカーター、ネズミの親子と水陸両用車で
旅立つことに。スペインからイタリア、キリシアと
旅は続き、そのあとを絶えず殺し屋たちがつけまわす。

一行はクエズ運河を越えガラビア砂漠へ。
ペロたちのあとを追うのは、殺し屋たちばかりでない。
グルーモンの意を受けたガリガリ丸のガリガリだ。
彼の役目はペロの世界一周旅行を妨害すること。

さぁペロは無事、80日間で世界一周を
成し遂げることが出来るのか?。




東映まんがまつり内で上映された「長靴をはいた猫」の
第3弾にあたるのが本作。前作より4年ぶりの登場。

今回は動物キャラクターのみで物語が展開され、
人間はひとりも出て来ない。やはり第1作と比べると…。
第1作が完璧すぎるのが原因で、本作もまんが映画としては
及第点なのだが実に分が悪い。

3作通してみてみると「かしこい猫のペロ」の世渡りが
上手すぎて軽く恐怖すら感じる。

猫という動物はきまぐれな生き物だが、自分の興味ある
出来事に首を突っ込んでいき、周りをうまく動かし、
自分が主役に躍り出る。

3作ともに実はたいしたことはなにひとつ成し遂げていない。
それでも「主役は主役」である。実にズル賢い…。

歴代ペロの声優は、石川進、鈴木ヤスシ、なべおさみさんと、
すべて異なっており、主題歌も同じものが使われながら、
各人が新たに編曲されたものを新録音するという凝りよう。

鈴木ヤスシという人は、梅宮辰夫さんの「不良番長」シリーズや、
テレビのバラエティーでの活躍が目立ったマルチタレント的な
人であったが「声優」として、もっと評価されてもいいんじゃ
なかろうか。

久々に見返したが「長靴をはいた猫」は、
つくづく東映アニメーションの財産である。(ただし1作目に限る)。




評価 ★★★☆☆

nise!(20) 

「ながぐつ三銃士」 1972 [映画・アニメ]

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〔1972年/日本/東映動画〕




壊れた城の近くにあるネコの国。
ペロを追っていた三匹の殺し屋たちが抹殺に失敗して、
おめおめと猫の国へ帰ってきた。
猫の王の怒りは頂点に達していた。

「今度こそペロを殺せ!」と三匹に命じるのだった。

一方、のんびり。と大西部の旅を楽しんでいたペロは、
旅の途中、美しい少女アニーとジミー少年と仲良くなる。
そこへ、砂煙をあげて覆面の強盗団が襲いかかってきた!。

さらに三匹のネコの殺し屋たちもペロを見つけて
闘いを挑んできた。馬車は全速力をあげて、
ララミーの町へ逃げ込むが、アニーの父はすでに
殺されていた。父を殺した犯人を探すため
町に残ることになったアニーは、酒場をレストランに
改造して店開きをするが、ボスの子分たちが
店に来てまたしてもメチャメチャにしてしまう…。




大ヒットした「長靴をはいた猫」の続編。
通常、ヒットを飛ばすと間髪空けずにすぐ、2弾3弾を
送り出すものだが、この当時はのんびり。としていたものだ。

上映時間が短いこともあり、やはり前作と比べると見劣り
してしまう。…というより、前作が「まんが映画」として
完璧すぎるのがいけない。

あれを越えるまんが映画を作るというのは、令和の現在に
おいても至難の業だと思われる。

ストーリー的にもいきなり人が死んでしまったり、
殺伐とした感じが伝わってくる。
当時の怪獣・変身ヒーローブームの影響もあるのかも
知れない。

それでも充分に良心的な子供向け作品に仕上がっているのだが。




評価 ★★☆☆☆

nise!(16) 

「長靴をはいた猫」1969 [映画・アニメ]

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〔1969年/日本/東映動画〕




月の綺麗な夜にネズミを助けたことから、
裏切猫としてボスネコに死刑を宣告されたペロ。

あわやというところで縛り首のナワを切って逃げ出した。
三匹の殺し屋がそのあとを追う。殺し屋たちを追っ払って
雨やどりのため、農家の軒先を借りたペロは、
そこで少年・ピエールに出会った。

ピエールは父の死後、二人の兄にろくに食べ物ももらえず
コキ使われていたのである。意気投合したペロとピエールは
追い出されるままに家を出た。

町まで来てみると、お城のローザ姫のおムコさん捜しの
貼り紙が。 よし、これだ!。ペロの大活躍が始まった。
ピエールをローザ姫のおムコさんにしてしまおうというのだ。

しかし、ライバルには魔王ルシファがいる。
知恵の限りをつくすペロだったが…。





1969年(昭和44年)、東映動画(東映アニメーション)制作、
東映まんがまつりで公開された長編まんが映画
「長靴をはいた猫」。

シャルル・ペローの有名原作を、井上ひさし、山元護久、
森康二、宮崎駿先生ら錚錚たるスタッフの手により、
日本中に一大ペロブームを巻き起こした一作。

東映アニメーションを代表するキャラクターのペロは、
令和の現在でも、そのイメージキャラクターとして使用され、
子供たちに愛され続ける。

久々に見返す機会があったのだが、やはり…おもしろい。
老若男女、見る者を問わず。
漫画映画の基本、動画のすべてがここに詰まっている。

後に製作される「未来少年コナン」「ルパン三世」、
スタジオジブリの諸作などの元ネタがここに凝縮。

昭和の時代、これらをすべて人間が人の手で一枚一枚、
描いていたのだ。コンピューター全盛の昨今では、
信じられない昔話に聞こえるかも知れない。

また昨今、声優ファンからは、
「俳優を声優に使うなんて!」問題がよく取り上げられ、
あれって、ジブリが木村タコヤを起用したあたりから、
より自然な演技を、よりナチュラルに!と始まったのよね!と、
よく批判の対象にされちゃうが、タコヤは悪くない。

ご覧なさい。すでに1969年の時点で、
石川進、榊原るみ、水森亜土、愛川欽也、小池朝雄、
益田喜頓さんといった芸達者な顔出しをメインとした
「俳優さん」がズラリと参加されている。

パディントンの声を、松坂桃李さんが演ってもエエんじゃ…。

しかし、悪役として設定されている魔王ルシファ。
よくよく見てみると、太陽の光でその存在を
抹殺されてしまうほど、悪い事…してないよな。

そもそも、王様がこの世で一番の金持ちに姫をやる!、
なんて一大広告をブチあげたから始まったことであり…。
ルシファもまた、拝金主義者の犠牲者であったのだ…。




評価 ★★★★★

nise!(11) 

「きまぐれオレンジ☆ロード あの日にかえりたい」1988 [映画・アニメ]

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〔1988年/日本/東宝/スタジオぴえろ〕





2月下旬。大学入試の合格発表の日、恭介は去年の夏の
苦い思い出をかみしめていた。

恭介は同級生のまどかが好きで付き合っていたが、
後輩のひかるにも好かれて友達付き合いをしていた。

しかし、演劇が好きで元気なひかるのアプローチは
日に日に積極的になっていく。ある日、恭介は家に
オーディションの結果を報告に来たひかるのキスを
受け入れてしまう。

まどかはひかるの明るさから、恭介との間に
何かあったと直感し、落ち込んで講習を欠席するようになる。
一方、ひかるは有頂天だが、まどかの家に遊びに来た時、
恭介との写真を見つけてふたりの関係を知ってしまう…。



1980年代、アラレちゃんのヒットを受けて、
「少年ジャンプ」に掲載された作品なら、
とりあえずアニメにしとけ!、ってな風潮があった。

「きまぐれオレンジロード」もテレビアニメが好評であり、
放送終了後に「その後」を描いた劇場版が公開された。
テレビアニメに慣れ親しんだファンには、ちょっと…、
いや、かなり衝撃的。

優柔不断の見本のような主人公(実は超能力者)が、
2人の女性の間でどっちつかずのラブコメディー。
それがテレビシリーズだったのに、
本作はそれではイカン!ハッキリ決着をつけようじゃないか!。
そんな誰が得をするのか?という、三角関係の結末が、
怖ろしくリアルに描かれる…。

なんせ「超能力」なんか、もう微塵も関係ない。
優柔不断なクズが2人の女性に手をつけたあげく、
すぐにバレてしまい、ハッキリ答えを出せと迫られ、
片方をこっぴどく振る!。

そのやり方もエゲツない。アニメでここまでやるか?と
見ていて気分が悪くなる演出…。

原作者にまで「これはちょっと…」と難色を示され、
国内では未だDVD商品にもしてもらえない不遇な作品となった。

テレビシリーズがお好きな方には、
とてもオススメできない、夢も希望もない一作。




評価 ★☆☆☆☆

nise!(12) 

「ダンボ」1954 [映画・アニメ]

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〔1954年/アメリカ/大映〕




先日、実写版「ダンボ」の感想を書いたけれど、
 ↓
https://sigiaigi.blog.so-net.ne.jp/2019-04-11


そうなると、やっぱり気になるのが、
アニメ版の、オリジナル「ダンボ」。


で、早速観てみた。



夢は楽して成り金一直線!!。

とにかく金!そして女!。
このふたつをこよなく愛する男、小原良。

ふとしたきっかけから、1度だけ良と過ちを犯した
聖なるシスターのルディア。
良と幼馴染みの茂庭みほと、
梶木連合会会長の1人娘である梶木美妃との、
三角四角関係を中心にギャンブルを武器に
人生をのしあがってゆくサクセスストーリー!。




今をときめく佐藤仁美さんもチョイ役でご出演。
東海テレビの昼ドラといい、この方も下積みが長いなぁ。
ここでは酒ヤケ前の初々しい演技が拝見できる。

内容的にはこの時期にありがちな、粗製乱造とにかく数打ちゃ
当たるだろう?的、Vシネマを一部劇場で箔付けのために
公開しておきました!これでビデオジャケットに、
「劇場公開作品」と銘打てるでしょ?、ってな内容。

当たれば2弾、3弾もあったのだろうが、
どうやらこれで打ち止めとなったらしい。
予定通りというところだろう。

そもそも「ミナミの帝王」や「静かなるドン」の
当たり方が異常だったのだ。それだけの話。




評価 ★☆☆☆☆
nise!(14) 

「ドカベン」1977 [映画・アニメ]

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〔1977年/日本/日本アニメーション〕



かつてこれほど、キャラクターと声優が
合致した作品があったであろうか?!。
画面から聞こえてくる声が、まさしく岩鬼!まさしく殿馬!。
もうコミックスを読んでも、その声しか頭に響かない・・・。
そんな奇跡の一作、水島新司先生原作、
秋田書店・週刊少年チャンピオン連載、不朽の名作「ドカベン」。



こちらは1976年(昭和51年)、日本アニメーションにより
テレビアニメ化されたものを東映まんがまつりの一作として
劇場で公開。

先ごろ、原作漫画が堂々の完結!というニュースが
世間を騒がせたのも記憶に新しいのですが、
そんなモン、昔々1981年に完結しとるんよね。
それがいつの間にか「プロ野球編」とかいうのが
はじまってて・・・。

で、今回の完結騒ぎではじめて知ったのだが、
や~まだ!の妹のサチコよ!。
あんな男を渡り歩くアバヅレに成長しとったんか!?。
・・・知らんかったわ。

さらに岩鬼の男っぷりよ!。出戻りの夏子はんとその子供を
引き取るってすごいな!。人生、色々あるな!。

今回図版に使用させていただいたコミックス第1巻。
秋田書店の怖ろしいところは1972年発行のこの本が、
いまだ絶版にならずに版を重ねて、今でも普通に本屋で買える!。
物持ち良すぎ!。
(でも、素知らぬ顔して価格は上昇している・・・)。

時代は紙から電子書籍の時代に移り変わったというのに。

秋田書店のことだ。あと30年は普通に書店に並んでそうだ・・・。
永遠不滅の野球漫画はまた、店頭でも永遠不滅なのだ。




評価 ★★★☆☆
nise!(17) 

「海のトリトン」1979 [映画・アニメ]

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〔1979年/日本/アニメーション・スタッフルーム〕





漁師の一平じいちゃんに岬で拾われた緑色の髪の子どもは、
トリトンと名づけられ育てられるが、不吉な髪の色として疎外される。

ある日、一頭の白いイルカ、ルカーにトリトンは出会う。
ルカーは、トリトンが人ではなく、海棲人類トリトン族の
最後の生き残りであること、トリトン族は七つの海を支配し
暴虐の限りを尽くす、ポセイドン族と戦う運命にあることを
告げるのであった。

トリトンはそれを信じようとしなかったが、
一平がトリトンと一緒に拾ったトリトン族の衣装と、
宝物「オリハルコンの短剣」を発見し、ルカーの言葉が真実だと知る。

その頃、トリトンを発見したポセイドン族の尖兵が漁村を襲い、
トリトンは村を救うため、海への旅立ちを決意する。

トリトン族の他の生き残りを探すため、
父母の仇、村の仇であるポセイドン族を倒すために、
今、少年は旅立つ・・・。




サンケイ新聞紙上で、連載された手塚治虫先生の
漫画作品を原作に1972年(昭和47年)よりテレビ放映された
「海のトリトン」を1979年、「宇宙戦艦ヤマト」にはじまる
アニメブームの波に乗り、総集編として編集し、劇場公開。

制作は虫プロ商事から派生したアニメーション・スタッフルーム。

後に「宇宙戦艦ヤマト」を手掛け、空前のアニメブームを巻き起こす、
西崎義展さんのテレビアニメ初プロデュース作品であり、
「機動戦士ガンダム」の富野由悠季先生、初監督作品でもあります。

日本アニメ界の奇跡がここに集結し、
誕生した永遠の海洋冒険ロマンです。

テレビシリーズ全27話を1時間半に編集するのは無理があり、
前編、後編と分割し制作されるも、後半は劇場公開されないまま、
1980年代、ビデオソフトの時代に発売されるまでお蔵入りと
なっていた曰くつきの一作。

「海のトリトン」という作品自体、複雑な権利関係の末、
現在に至っており、原版素材も散逸が激しく、
本放送当時の姿で再見するのは非常に困難。

現在発売されているDVDソフトなどでは、
不適切、差別と受け取れる用語はすべて削除されている。

現在、確認できる中で、トリトンを完全に近い形で見られるのは、
バンダイビジュアルより発売されたレーザーディスクセットが
唯一の物である。ただし初回生産分に限る。
クレームにより、再版分からは修正がかけられてしまっている。

著作権、権利関係というのは年々厳しくなり、
過去の名作たちは我々の知らないところ、
気付かないところで修正を受けたり、
闇に葬られたりしているのだ・・・。

まぁ、マニアックな方以外にはまったく関係ないし、
一般人の人生も左右しないけどね。





評価 ★★★☆☆



nise!(10) 

「忍風カムイ外伝」1971 [映画・アニメ]

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〔1971年/日本/東宝・TCJ動画センター〕




寛文年間の末、己の道を己の力で切り開かんと
忍びの世界に入ったカムイ。

しかし、忍者の世界は理不尽な殺戮もいとわない、
非情の掟に縛られたものだった。

真の自由に憧れたカムイは抜け忍となる道を選ぶ。
だがそれは、忍びの掟には決して許されざる行為だった。

追手の忍者たちの攻撃は休むことなくカムイを襲う。
必殺の変移抜刀霞斬り、飯綱落としを駆使し、
カムイは今日も生き続ける。
カムイの安息は死が訪れる時だけなのだろうか・・・。




白土三平先生の漫画作品を原作にエイケン(TCJ動画センター)が、
1969年(昭和44年)より、フジテレビ系で放映開始した
「忍風カムイ外伝」。

テレビシリーズ全26話の最終章を「月日貝の巻」として劇場公開。

「少年忍者風のフジ丸」「ワタリ」とことごとく、
東映にひどい目にあわされた白土三平先生が「サスケ」に続いて、
エイケンとタッグを組んだ作品。

現在では放送コードに激しく抵触し、放映できないエピソードも
存在する。それがテレビ版第5話「五ツ」。

この一見、意味のわからないサブタイトルの本当の意味が
理解出来るのは番組のラスト。

カムイの前に現われた、名張の五ツと呼ばれる忍び。
凄腕の忍者である。どのような危機に瀕しても、
決して負けることがないのである。

変移抜刀霞切りすら破る強敵であった、
忍びの五ツには秘密があった。

五ツの胸には、もう一本の腕が生えていたのだ!。
これこそが五ツの名前の所以とも言われるもので、
奇形に生まれた彼はこの「奥の手」を使い、
数々の危機を切り抜けてきたのであった。

奇形に生まれたがために、いわれなき差別を受け、
闇の世界に生きなければならなかった者の苦悩よ・・・。


このように「カムイ外伝」には様々な弱者たちの姿がある。
それは決して差別を助長する目的で描かれたのではない。
しかし、現在ではそのような描写は「差別」につながるとして、
表に出されることはない。

だがそれは、これらを見る事により、差別とはなにか?を
考える機会を奪われてしまっている事に気付かなければならない。

見せない事が子供を守る事ではない。
大人が勝手な判断で規制せず、見せる事により、
清濁併せ呑み「してはいけないこと」を学ばせる事こそ、
必要なのではなかろうか・・・。

なお、「カムイ外伝」の後番組が「サザエさん」である。
カムイ外伝最終回には、サザエさんと握手するカムイの
バトンタッチ映像が流れたと伝えられる。

サザエさんが、現在にまで続く日本を代表するアニメーションに
成長すると誰が想像できたであろうか。人生はわからんなぁ。




評価 ★★★☆☆






nise!(12) 

「六神合体ゴッドマーズ」1982 [映画・アニメ]

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〔1982年/日本/東京ムービー新社〕




宇宙の征服を企てるギシン星の皇帝ズールによる、
地球侵略が開始された。地球防衛を任務とする
クラッシャー隊の隊員、明神タケルは戦いの中、
自分が17年前、ズールによって地球征服のために
送り込まれた存在であることを知る・・・。

だが、地球人として育ち、この星を愛するタケルは、
世界各地に眠るガイヤーら六体のロボットを目覚めさせ、
六神合体を完成させる。

ゴッドマーズを操りギシン星の刺客に挑み、
戦い続けるタケルの前に暗殺者として現れたのは、
実の兄、マーグの姿であった・・・。





「魔法使いサリー」「仮面の忍者赤影」「ジャイアントロボ」の
横山光輝先生が1976年(昭和51年)に
秋田書店・少年チャンピオン誌上に連載した「マーズ」を
原作とし、あまりと言えばあんまりなラストに驚愕した
東京ムービー新社が「より」テレビ向けに、
「より」痛快ロボットアクションに調理、味付けし
1981年(昭和56年)より、日本テレビ系で放映開始した
「六神合体ゴッドマーズ」。


この作品は日本のテレビアニメの歴史を色々と塗り変えた。
今でこそ「キャラ萌え」とか「○○推し!」など、
アニメキャラクターを実在のあいどるのように扱うのは、
ファンにとって「普通の行為」なのだが、
まだ、そんな言葉すらなかった時代に、
作品に登場する「マーズ」と「マーグ」の兄弟に人気が集中。

アニメ雑誌に「マーグが(もうすぐ)死ぬ!」と掲載されるや、
ファンによる助命嘆願の署名運動が行われる。

署名空しく、やっぱりマーグは死亡。
ファンを集めて、マーグのお葬式が開催される。
アニメキャラクターの葬式なんて、「あしたのジョー」の
力石徹とマーグぐらいなものであろう。

さらにエキサイトしたファンによる署名運動は、
この作品の映画化嘆願に路線変更。10万名ものファンの熱意に
押されて制作・劇場公開されたのが本作なのである。

アニメファンが熱かった時代の愛の金字塔的作品、
それが「六神合体ゴッドマーズ」なのであった。

補足ながら、原作漫画版「マーズ」の
あまりにもあんまりなラストシーンとは・・・。

主人公は地球人類を守るため、戦いぬいて
平和を取り戻したのだが、安堵した人々は目の前で
争いをはじめる。

ベックリする主人公。

「ボクはこんなみにくいモノを守ってきたのか…」。

絶望した主人公は封印された言葉を叫ぶ。

「ガイアー!!」。

その瞬間、この宇宙から地球は爆発四散した。完。

・・・えぇ~~~~~~~~~~~~~~~~~!。

さすがにこれはテレビアニメには出来んわぁ~~~~。





評価 ★★★☆☆

nise!(11) 

「新巨人の星」1978 [映画・アニメ]

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〔1978年/日本/東京ムービー〕






飛雄馬は完全試合達成で左腕を壊し、
野球界から忽然と姿を消した。あれから5年。

かつてのライバルであった花形は、飛雄馬の行方を
追い求めていた。明子と結婚し、今は義弟となった飛雄馬を。

ようやく再会を果たすのだが飛雄馬は草野球チームの
雇われ代打として落ちぶれた生活をしていた。
やはり、まだ野球を捨てきれてはいなかったのだ。

野球地獄とは縁を切って第二の人生を歩むよう、
説得する花形だったが、その頃、古巣の巨人軍はどん底であり、
長嶋監督を救うため、既に引退していた盟友の伴が、
アメリカから呼び寄せたビッグ・ビル・サンダーをコーチとして、
飛雄馬を秘かに特訓。テスト生として、巨人へ再び入団させる。

飛雄馬の復帰を知った、父・一徹は飛雄馬には、
「大どんでん返し」の秘密があると語る。
それは元々右利きだった飛雄馬を左投げ投手として
矯正させていたのだ!。

飛雄馬は右投手として再生し、再びマウンドに立てるのか・・・。





講談社・週刊少年マガジン誌上に連載された
梶原一騎・川崎のぼる先生による、野球漫画の金字塔、
「巨人の星」が不死鳥の如く、炎の中から再び羽ばたいた!。

1977年(昭和52年)放映開始「新・巨人の星」。
製作は東京ムービー(トムスエンタテインメント)。

1978年の東宝チャンピオンまつり内で、
テレビ版第17話「嵐の中のテスト生」を上映。
(前年に東映系で上映された初期話数の編集作品も存在する)。

世の中、かつて一世を風靡した作品は、
どれだけ綺麗に完結していようとも、
おとなしく眠らせてはくれない。ファンが望む、、望まないに
関わらず、「銭になる」なら作られるのがパート2。

本作も野球界を去った主人公、どうすりゃいいんだ?。
そうだ!もともと右利きだった事にしようぜ!!。

この鶴のひと声で飛雄馬が帰って来たのだ。

一度、どん底まで落ちた男がいかにして復活するのか、
それが本作の見どころでありテーマ。
実生活において、疲れが出はじめる中年世代への
エールとして「新巨人の星」を強くオススメしたい。


7月第2週より、KBS京都テレビにおいて、
平成に入って4度目の再放送が開始される予定。
引き続き「Ⅱ」も放送されるとは思うが、
KBS京都はなんぼほど「新巨人の星」が好きなのだろう。

なのに、あの長ったらしい第1作はまったく再放送しない…。
なぜだ?。
ご覧になれる環境の方はぜひ、荒木伸吾先生が作画を
手掛けた回だけでも要チェック!。
(8、15、20、33、40話)です。






評価 ★★★☆☆
nise!(9) 
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