SSブログ

「長靴をはいた猫80日間世界一周」 1976 [映画・アニメ]

71tdge90zaL._AC_SY445_.jpg
〔1976年/日本/東映動画〕




ここはドンドン町のサロン。
名士たちを前にペロはとんでもないことを宣言してしまう。
80日間で世界を一周してみせると言ってしまったのだ。

グルーモンという金持ちブタが、これを聞きつけ、
回れない方に全財産を賭けると言い出した。
負けたらペロは生涯を奴隷となってしまう。

そこへペロをつけ狙う殺し屋たちが飛び込んでくるが、
グルーモンにぶっとばされてノックアウト。

ペロはカバのカーター、ネズミの親子と水陸両用車で
旅立つことに。スペインからイタリア、キリシアと
旅は続き、そのあとを絶えず殺し屋たちがつけまわす。

一行はクエズ運河を越えガラビア砂漠へ。
ペロたちのあとを追うのは、殺し屋たちばかりでない。
グルーモンの意を受けたガリガリ丸のガリガリだ。
彼の役目はペロの世界一周旅行を妨害すること。

さぁペロは無事、80日間で世界一周を
成し遂げることが出来るのか?。




東映まんがまつり内で上映された「長靴をはいた猫」の
第3弾にあたるのが本作。前作より4年ぶりの登場。

今回は動物キャラクターのみで物語が展開され、
人間はひとりも出て来ない。やはり第1作と比べると…。
第1作が完璧すぎるのが原因で、本作もまんが映画としては
及第点なのだが実に分が悪い。

3作通してみてみると「かしこい猫のペロ」の世渡りが
上手すぎて軽く恐怖すら感じる。

猫という動物はきまぐれな生き物だが、自分の興味ある
出来事に首を突っ込んでいき、周りをうまく動かし、
自分が主役に躍り出る。

3作ともに実はたいしたことはなにひとつ成し遂げていない。
それでも「主役は主役」である。実にズル賢い…。

歴代ペロの声優は、石川進、鈴木ヤスシ、なべおさみさんと、
すべて異なっており、主題歌も同じものが使われながら、
各人が新たに編曲されたものを新録音するという凝りよう。

鈴木ヤスシという人は、梅宮辰夫さんの「不良番長」シリーズや、
テレビのバラエティーでの活躍が目立ったマルチタレント的な
人であったが「声優」として、もっと評価されてもいいんじゃ
なかろうか。

久々に見返したが「長靴をはいた猫」は、
つくづく東映アニメーションの財産である。(ただし1作目に限る)。




評価 ★★★☆☆

nise!(20) 

nise! 20