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「長靴をはいた猫」1969 [映画・アニメ]

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〔1969年/日本/東映動画〕




月の綺麗な夜にネズミを助けたことから、
裏切猫としてボスネコに死刑を宣告されたペロ。

あわやというところで縛り首のナワを切って逃げ出した。
三匹の殺し屋がそのあとを追う。殺し屋たちを追っ払って
雨やどりのため、農家の軒先を借りたペロは、
そこで少年・ピエールに出会った。

ピエールは父の死後、二人の兄にろくに食べ物ももらえず
コキ使われていたのである。意気投合したペロとピエールは
追い出されるままに家を出た。

町まで来てみると、お城のローザ姫のおムコさん捜しの
貼り紙が。 よし、これだ!。ペロの大活躍が始まった。
ピエールをローザ姫のおムコさんにしてしまおうというのだ。

しかし、ライバルには魔王ルシファがいる。
知恵の限りをつくすペロだったが…。





1969年(昭和44年)、東映動画(東映アニメーション)制作、
東映まんがまつりで公開された長編まんが映画
「長靴をはいた猫」。

シャルル・ペローの有名原作を、井上ひさし、山元護久、
森康二、宮崎駿先生ら錚錚たるスタッフの手により、
日本中に一大ペロブームを巻き起こした一作。

東映アニメーションを代表するキャラクターのペロは、
令和の現在でも、そのイメージキャラクターとして使用され、
子供たちに愛され続ける。

久々に見返す機会があったのだが、やはり…おもしろい。
老若男女、見る者を問わず。
漫画映画の基本、動画のすべてがここに詰まっている。

後に製作される「未来少年コナン」「ルパン三世」、
スタジオジブリの諸作などの元ネタがここに凝縮。

昭和の時代、これらをすべて人間が人の手で一枚一枚、
描いていたのだ。コンピューター全盛の昨今では、
信じられない昔話に聞こえるかも知れない。

また昨今、声優ファンからは、
「俳優を声優に使うなんて!」問題がよく取り上げられ、
あれって、ジブリが木村タコヤを起用したあたりから、
より自然な演技を、よりナチュラルに!と始まったのよね!と、
よく批判の対象にされちゃうが、タコヤは悪くない。

ご覧なさい。すでに1969年の時点で、
石川進、榊原るみ、水森亜土、愛川欽也、小池朝雄、
益田喜頓さんといった芸達者な顔出しをメインとした
「俳優さん」がズラリと参加されている。

パディントンの声を、松坂桃李さんが演ってもエエんじゃ…。

しかし、悪役として設定されている魔王ルシファ。
よくよく見てみると、太陽の光でその存在を
抹殺されてしまうほど、悪い事…してないよな。

そもそも、王様がこの世で一番の金持ちに姫をやる!、
なんて一大広告をブチあげたから始まったことであり…。
ルシファもまた、拝金主義者の犠牲者であったのだ…。




評価 ★★★★★

nise!(11) 

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