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「海のトリトン」1979 [映画・アニメ]

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〔1979年/日本/アニメーション・スタッフルーム〕





漁師の一平じいちゃんに岬で拾われた緑色の髪の子どもは、
トリトンと名づけられ育てられるが、不吉な髪の色として疎外される。

ある日、一頭の白いイルカ、ルカーにトリトンは出会う。
ルカーは、トリトンが人ではなく、海棲人類トリトン族の
最後の生き残りであること、トリトン族は七つの海を支配し
暴虐の限りを尽くす、ポセイドン族と戦う運命にあることを
告げるのであった。

トリトンはそれを信じようとしなかったが、
一平がトリトンと一緒に拾ったトリトン族の衣装と、
宝物「オリハルコンの短剣」を発見し、ルカーの言葉が真実だと知る。

その頃、トリトンを発見したポセイドン族の尖兵が漁村を襲い、
トリトンは村を救うため、海への旅立ちを決意する。

トリトン族の他の生き残りを探すため、
父母の仇、村の仇であるポセイドン族を倒すために、
今、少年は旅立つ・・・。




サンケイ新聞紙上で、連載された手塚治虫先生の
漫画作品を原作に1972年(昭和47年)よりテレビ放映された
「海のトリトン」を1979年、「宇宙戦艦ヤマト」にはじまる
アニメブームの波に乗り、総集編として編集し、劇場公開。

制作は虫プロ商事から派生したアニメーション・スタッフルーム。

後に「宇宙戦艦ヤマト」を手掛け、空前のアニメブームを巻き起こす、
西崎義展さんのテレビアニメ初プロデュース作品であり、
「機動戦士ガンダム」の富野由悠季先生、初監督作品でもあります。

日本アニメ界の奇跡がここに集結し、
誕生した永遠の海洋冒険ロマンです。

テレビシリーズ全27話を1時間半に編集するのは無理があり、
前編、後編と分割し制作されるも、後半は劇場公開されないまま、
1980年代、ビデオソフトの時代に発売されるまでお蔵入りと
なっていた曰くつきの一作。

「海のトリトン」という作品自体、複雑な権利関係の末、
現在に至っており、原版素材も散逸が激しく、
本放送当時の姿で再見するのは非常に困難。

現在発売されているDVDソフトなどでは、
不適切、差別と受け取れる用語はすべて削除されている。

現在、確認できる中で、トリトンを完全に近い形で見られるのは、
バンダイビジュアルより発売されたレーザーディスクセットが
唯一の物である。ただし初回生産分に限る。
クレームにより、再版分からは修正がかけられてしまっている。

著作権、権利関係というのは年々厳しくなり、
過去の名作たちは我々の知らないところ、
気付かないところで修正を受けたり、
闇に葬られたりしているのだ・・・。

まぁ、マニアックな方以外にはまったく関係ないし、
一般人の人生も左右しないけどね。





評価 ★★★☆☆



nise!(10) 

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