「春になったら」 第8話 2024

〔2024年/日本/ホリプロ/カンテレ〕




■第8話「“グラッチェ椎名”最後の実演販売！父の退社式」

雅彦に認めてもらい晴れて結婚することになった瞳。
結婚式の内容を大幅に変更し、雅彦のための式に
したいと式場の担当に相談する。

雅彦は、増していく痛みに限界を感じ、
20数年務めた職場から、ついに引退を決意。
最終日に自社初のオリジナル商品を実演販売する事に。

自宅では吐血するなど病状が悪化し始め、
不安に駆られる瞳は結婚式の招待状を手渡し、
娘のウエディングドレス姿をその目で
見ることを約束させる。



伝説の実演販売マン・ノリタケ。
最後の舞台でも、口八丁手八丁で200丁のハサミを
完売させ、実演販売マン人生に有終の美を飾る。

実際の世界にも、決して表舞台に立つことは
なくても、こうした「仕事のプロ」は
数えきれないほどいるのだろう。

スーパーの総菜コーナーでひたすら調理し続ける人、
黙々と店内の掃除を続ける人、商品の消費期限の
チェックを日々行うシルバー人材センターの人。

派手にスポットライトが当たる事はない、それらの
人々の地道な作業のおかげで我々の生活は
なり立っている。それは忘れてはならないし、
本当はもっと感謝され、評価されるべきである。

ノリタケにも人生のエンディングが近づいてきた。
次回は自分の葬式に関するアレやコレやのようだ。

このような場面になると思い出すのが、
元ザ・ハンダースのメンバーであり、俳優の
小林まさのりさんのことである。

ガンの宣告を受けてからの闘病生活、そして
完治する事はないと知らされ、自分自身の「終活」を
バラエティー番組で克明に放送し続けた。

自分の入る棺桶の選定、葬式の流れ、明るくやりたい
と笑顔で語る小林さんの姿には驚かされたものだ。

間もなく訪れる自分の死を前にして、
ここまで朗らかに日々を過ごせるものなのかと。

奇跡は起こる事無く、享年62歳で人生の幕を
閉じられた。その心境はご本人にしかわからないが、
様々な葛藤の中、遺される家族にとって、最善の道を
選ばれたのであろう。

ドラマと現実を同一視しては失礼な話であるが、
こうして田舎の片隅に暮らす人間にも、
小林さんの死にゆく姿は大きなインパクトを
残してくれた。




■番組出演　奈緒、木梨憲武、濱田岳、小林聡美、光石研、
　筒井真理子、影山優佳、石塚陸翔、深澤辰哉、見上愛、
　森カンナ、西垣匠、橋本マナミ、矢柴俊博、葵揚、
　吉田正幸、神谷圭介、ホメーテ渋谷、ヨリー・フジオカ、
　杏花、金子隼也、菊池亜希子、近藤公園、桜井聖、
　荒川浩平、長岩健人、佐分利眞由奈、金子ゆい、
　わかばかなめ、得田舞美、オラキオ、シャンシャン、
　前野恵、安藤広郎、優木千央、園田裕樹、長田涼子、
　セキ・ア・ラ・モード、中井貴一、渡辺喜子、
　池田鉄洋、中村優子さんほか。





評価　★★★☆☆