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「カニを喰べる。」2015 [映画・邦画]

カニを喰べる..jpg
〔2015年/日本/サモワール〕




定職にも就かず、アルバイトで生計を立てる
田宮治は、ある日パチンコ屋から出てきたところで、
中学時代の野球部の仲間・青島とばったり出くわす。

青島もやりたいことがみつからず、その日暮らしの
生活をしていた。青島は再会するや突然、
野球部の先輩・長谷川の地元である富山へ、
「カニを食べに行こう」と提案する。

お金も具体的な計画もないまま、
二人は軽トラックで富山を目指す。

ガソリン代も持っていない二人は立ち寄った
廃校の体育館で、今井町知子と出会う。
町知子は二人のあこがれの存在だった野球部の
マネージャー金子真沙美に瓜二つだった。
町知子は一緒に富山までカニを食べに行くと言い出す。




・・・これは一体・・・どのような目的で製作された
作品なのであろうか・・・。
「テーマ」というものが見えてこない。
ロードムービーというジャンルに属するらしいのだが、
彼らの「足」である重要なアイテム、軽トラックも
途中で苗字も知らぬ女に乗り逃げられてしまい、
男2人は盗んだ自転車で旅を続ける・・・。

無軌道な若者・・・もう若いとは言えない年齢の
2人による無軌道、無計画で終わりがなく、
気が付けば終わっていた・・・そんな物語。

タイトルにある「カニを喰べる。」という行為は
ラスト近くでどうにか果たすが、それも取ってつけたか
のように突然、彼らにカニが与えられるご都合の良さ。

カニである必要性がまったくない。
うなぎでもイクラでも、タラちゃんでも
よかったのである。

それほどにこの作品にテーマを求めたりしてはいけない。

一点だけ引っかかる場面があるとするならば、
イタコの婆さんが出てきて、すでに亡くなっていた
野球部の女子マネージャーを降霊させ、2人と談笑する
箇所がある。音声はかき消されて何を語らっているのか
はわからないが、実に楽しそうに学生時代に戻ったかの
ように語らっている。

時の流れとともに、我々もこの世より、
あの世の人々のほうが会いたい、語りたい、
そんなメンツのほうが増えてくるのだろうな。





■本編出演 染谷俊之、赤澤燈、東亜優、水澤紳吾、
 中里ひろみ、谷口千明さんほか。




評価 ★☆☆☆☆
nise!(20)