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「誤断」2015 [テレビドラマ平成]

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〔2015年/日本/テレパック〕




大手製薬会社・長原製薬の広報部員・槙田高弘は、
通勤途中、駅で飛び込み自殺に遭遇。

数日後、副社長の安城隆雄に呼び出された槙田は、
あの自殺事件に自社の薬品が関係している
可能性があることを告げられる。安城の特命で
警察に探りを入れる槙田。

今、業績不振にあえぐ長原製薬にとって
外資との合併交渉が破談になると致命傷に
なりかねない。そんな中、検死の結果報告に
渦中の薬品の成分が記載されていることを知る。

厚生労働省への報告義務がある中、安城が槙田に
下した命令は、被害者遺族との示談と薬害の
隠蔽であった。会社の命運を背負い困惑する槙田は、
顧問弁護士・高藤辰美に助けを求めることとなった。

果たして、槙田は会社の利益のために自らの手を
汚してしまうのか…。




製薬会社の致命的な過ちにより死者が出た。
ヘタをすれば会社はつぶれる。

どうする!どうなる?!

会社側が出した答えは隠蔽。
金で黙らせろ。

会社の言い分としてはこうだ。
訴訟を起こされても、どうせ金額の争いとなる。
最後は金で解決せねばならない。
それならば金で黙らせるんだ。

・・・なんだか今、実際に起きている
社会的な問題とリンクしているような・・・。

それぞれの立場にそれぞれの正義があり、
どちらが正しい・・・とは言い切れない部分がある。

会社は多くの社員とその家族の生活を守らなければ
ならない。

まだカッコよかった頃の玉鉄演じる主人公の
チカラもないクセに、無力な正義の
振りかざしっぷりがシャクに障る。
やってる事もムチャクチャ。
同僚の女子社員を婚姻前に孕ませたりな。

「悪」として描かれる副社長に対しても、
散々、世話になっておきながら対立し、
カッコよくタンカを切る。
「あなたは間違ってる」と。

そんな大きな啖呵を切れる立場では
まったくないのに。

柳葉敏郎演じる、製薬会社の顧問弁護士も
おかしい。途中で実は敵でした!パターン。
製薬会社の内情を調べ、情報を掴むために
顧問弁護士になったのだ!バレたからもう
顧問弁護士は辞める!

・・・この弁護士に守秘義務はないのか?

で、この作品の一番いただけないところ。
それは40年前の隠ぺい事件ばかりに焦点が当てられ、
物語の発端となった、いま起きた薬品の隠ぺいに
ついてはまったく触れず、解決せずで終わってしまった。

なんじゃそりゃ!

この後、調子こいた玉鉄は日々うまいものを食い、
遊び惚けて、今では見るも無残にブクブクに
肥え太った・・・。俳優は自分自身が売り物
なのだから、節制していつでも最上の状態で
お客様の前にお出しできるようにしておかなければ…。

Wowowのドラマ、最近は重厚さがなくなったなぁ。
「…これは…!」と唸るような作品に出会えなくなった。





■番組出演 玉山鉄二、蓮佛美沙子、小林薫、柳葉敏郎、
 中村敦夫、中田喜子、市毛良枝、泉谷しげる、大空祐飛、
 足立梨花、小市慢太郎、甲本雅裕、奥貫薫、赤間麻里子、
 堀内正美、角替和枝、日野陽仁、阪田マサノブ、西村和彦、
 東根作寿英、トクナガクニハル、戸田昌宏、平田裕一郎、
 及川いぞうさんほか。




評価 ★★☆☆☆
nise!(18) 

nise! 18