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「コレット・水瓶座の女」1991 [映画・洋画]

コレット・水瓶座の女_.jpg
〔1991年/カメアリ・フラダンス・コイツ〕


舞台は20世紀初頭のパリ。
田舎育ちのガブリエルは、父のもとを訪れた都会の
出版社の社員、ウィリーと恋におち結ばれ結婚。

都会の社交界にデビューしたガブリエルは、
一流女優のポラール・ソーレルに引き合わされる。

ポラールとウィリーは実は以前から深い仲だった。
彼は妻のガブリエルに、3人で暮らそうと話しはじめる。
驚き、動転したガブリエル。
夜の街をさまよう彼女は暴漢に襲われる。

ガブリエルは自分の身に起こるショックな出来事を
日記に書き綴ることにより自我を保っていた。
架空の主人公を作り出し、自分を投影していた。

その日記を盗み見たウィリーはグッドアイデアを
思いつく。ガブリエルにもっと書くように命じる。
官能色を強めて、極めて刺激的に。

ウィリーはやがて『学校のクローディーヌ』と題して
出版をはじめる。もちろんガブリエルには無断で。
ウィリーの著作として。

本は一般に受け入れられベストセラーとなり、
ウィリーは一躍売れっ子作家の仲間入りをする。
ガブリエルはゴーストライターのまま…。

3年後、変わらぬ生活を続けていた彼らだったが、
夫の裏切りはその後も度々続き、
ガブリエルはついに決断をするのだった…。





ひとことで言えば、この映画のテーマは「女性の自立」

この時代、女は男の三歩後ろを歩け、というのが常識。
女は一度、入籍すると「人権」というものはなくなり、
男の「所有物」となるのだな。

街でトラブルに巻き込まれても、加害者を責めるよりも
奥さんの管理を厳しくしろよ、しつけしとけよ!と、
警官が旦那に言い放つ。それが「あたりまえ」だった時代。

旦那も自分の「所有物」だと信じて疑わないので、
自分の趣味で女学生の制服を着せて写真館に
連れていったりする。

写真屋がコントかよ?!と文句を言おうものなら、
「これで若く見えんじゃね?」と言わんばかりに、
妻には無許可で後ろから髪をバッサリ。

とても今では商業作品として公開できないレベル。
バズるとか、炎上するとかじゃない問題作間違いなしの
描写てんこもり。

それだけにラスト8分は、溜飲の下がる思いである。




評価 ★★★☆☆
nise!(16) 

nise! 16