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「クレーマー」2008 [映画・邦画]

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〔2008年/日本/アートポート〕





製菓会社でクレーム処理を担当する継村は、
ある日、ナイトウと名乗る男から、製品の飲料に
異物が混入していたと苦情を受ける。

毅然と対応する継村だったが、ナイトウは
「詫びてどうなる」と反論。
次第にナイトウの行動はエスカレートしはじめ、
脅しとも取れる言葉を口にするように。

そして、継村の生活まで脅かされはじめたのだ…。





「脚本」に3人の方が連名でクレジットされているのだが、
3人もいて、ひとりも疑問を感じずに公開にまで至ったのが
スゴイと思った。こっちの方がよっぽどホラーだ。
これは多分、ボランティアで参加だろうな。
脚本料が発生するレベルじゃない。


この作品の狙い…というか、テーマがホラーなのか、
精神異常者を扱った社会性のあるものなのか、
不条理なのか、コメディーなのかとうとう最後まで意味不明。

異常犯罪モノだとしたら、この「クレーマー」、
人間の枠を越えた超人類だろう。
とにかく神出鬼没、すべてお見通し、できない事はなにもない。

どこにでも侵入可能、殺人も自由自在。
その調査能力はCIAも真っ青。
事件のきっかけとなったクレーム電話の時点で、
苗字しか名乗っていない電話口のイチ社員の、
自宅の家電、自宅住所、すべて手の内に…。

異物(虫)が混入されていたとクレームをつけた
飲料を会社に送り付けて来るのだが、
そのペットボトル飲料が、虫を入れた後、
ちゃんと封印されて新品状態になっている。

つまり飲料の製造工場のひとつも持っている…、
ということだろう。…なんという財力!!。

中盤からは物語の流れが変わってきて、
連続殺人の様相を呈してくるのだが、
女2人、刑事までが殺害されていながら、
一向に警察の動いている様子もなし…。

終盤、えっ…これって、被害者に見えた主人公の
狂言、もしくは別人格が引き起こした事件だったのか…?、
と思わせておいて、ラジオから流れてきたのは、
主人公のバラバラ死体が製菓会社の倉庫で発見されました。

最後の最後で、ようやく犯人らしき人物が映されるが、
明確な描写はなし…。

ただ、印象に残ったのは、一時期今で言う、
「ゴリ押し」で売れに売れていたが、
佐々木蔵之介さんとの熱愛発覚で自滅して消えて行った
小野真弓さんが完全オバちゃん化して「友情出演」
していたことだ。

時の流れの残酷さを感じさせて、
本作最大の恐怖を感じさせてくれた…。





評価 ☆☆☆☆☆

nise!(8) 

nise! 8