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「素浪人罷り通る 暁の死闘」1982 [テレビドラマ昭和]

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〔1982年/日本/三船プロダクション〕




笠間藩七万石の藩主が倒れ、世継ぎとして
嫡子の菊千代が江戸から呼び戻された。

道中、菊千代の一行は、覆面の一団に
襲われるが、居合わせた素浪人に助けられる。

笠間藩では、この機に乗じて第二子の竹丸を
かつぎ出すものが出てきて...。




黒澤明監督作品『用心棒』『椿三十郎』の浪人を
思わせる三船敏郎さんが演じる流浪の浪人時代劇、
「素浪人罷り通る」シリーズ第2作。

ここでは「春夏秋冬」なるふざけた名前を名乗っているが、
きっと、あのお侍さんなんだろうな…と思わせるほど、
「どこに出ても安定の三船敏郎」である。

本作は泉谷しげる、千石規子さんが圧巻である。
仙石規子さんと言っても、多くの方がピンと
来ないだろうが、昭和のテレビドラマファンなら、
顔を見れば、あぁ、あの人ね!と納得。

ほかの作品ではセリフもあまりない役が多いけれど、
ここでは泉谷しげるさんと親子を演じる。

若様と知り合い、それを悪代官から匿った
多助(泉谷しげる)これが不幸のはじまり。

クルクルパーのふりをして、凌ごうとするが、
悪代官もアホではない。多助の母親を捕えて、
その目の前でいたぶる。
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母親のたねも、すべてを悟っており、
多助はアホだから、なにもわからねぇ!
目の前でおらが殺されてもわからねぇ!と絶叫し、
舌を噛み切って自害。
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母親の言いつけを守り、若様を守るべく、
クルクルパーを続ける多助。
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通夜において、近所の者がかわいそうに親が死んでも、
あのザマだ・・・と帰っていく。

素浪人・春夏秋冬と多助。そして、たね。

まだ、「かごめかごめ」を歌い続ける多助。

春夏秋冬が背中でつぶやく。
「もういい、多助。泣け」

泣きわめく多助。

ここはもう絶品!
1982年のアカデミー助演男優賞は泉谷しげるに
独占させるべきだった!

悪は成敗され、村には平穏が戻った。
いずこへか旅立っていく春夏秋冬。

作劇パターンはほぼすべて同じ。
どこを割っても三船敏郎が顔をのぞかせる、
ファンにはたまらない定番のミフネである。





■番組出演 三船敏郎、泉谷しげる、千石規子、青木義朗、
 伊沢一郎、中村竜三郎、近藤宏、秋谷陽子、二本柳俊依、
 遠藤征慈、八名信夫、伊豆肇、杉江廣太郎、北條清嗣、
 木田三千雄、弘松三郎、入江正徳、田付貴彦、吉中六、
 大島光幸、林健樹、新井一夫、森下明、加藤茂雄、宮寺康夫、
 篠田薫さんほか。





評価 ★★★☆☆
nise!(14) 

nise! 14