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「必殺仕業人」第28話 1976 [テレビドラマ昭和]

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〔1976年/日本/松竹〕




今夜も金もらい恨みを晴らす、仕業人たちの
仕置きは終わった。しかし、頼み人に値切られたうえ、
やいとやが験担ぎに引いた、みくじは「凶」。

やいとやがなにげなく捨てたこのみくじが、
仕業人の崩壊・終焉へと繋がってゆく…。

江戸留守居役を殺された柴山藩はその面子を賭け、
下手人を捜索する。殺された要人の息子、
土屋小十郎がその筆頭である。

小十郎は仕業人の仕事であると確信し、
現場に落ちていたみくじから、やいとやを突き止める。

同心たちに襲撃されるも、やいとやは逃走。
だが、その場にいた、剣之介が捕えられ
激しい拷問にかけられる。

やいとやは自らが囮となり、剣之介とその妻、
お歌を逃がそうとするが、
やいとやの目の前で2人は無残にも斬り殺される。

一方、奉行所では柴山藩が事件を調べていくうちに、
土屋多門の不正が明るみに出て、以降の土屋多門殺しに
関する探索が打ち切られた。捕まっていたやいとやは
解き放ちとなる。

納得がいかない小十郎は主水に果たし状を送りつける。

主水はやいとやと酒を酌み交わし、果たし状の件を話す。
やいとやは一笑に付すが、主水はそれを受けるという。

足を洗い、江戸から離れようとするやいとやに、
主水は無言で差しだしたみくじ…。
その時、やいとやははじめて今回の一件は
自分の過失であったと気づくのだった…。

翌朝、果たし合いが行われる…。
剣を交える主水と小十郎…。




当時、日本全体を覆っていたオイルショックの
重苦しい雰囲気…。それはテレビ業界にも大きな影響を
与え、本作も独特の空気管が漂う作風となっている。

それでも「必殺シリーズ」は常に「新しい血」を入れ、
挑戦し続ける。

オープニングに流れるナレーションがいきなり、
「あんた、この世をどう思う?」。

語るのは宇崎竜童さんだ。
当時、ダウンタウンブギウギバンドで、
あんた、あの子のなんなのさ?と問いかけていた頃だ。

出演者もかつて裏番組でライバルとして、
敵対していた「木枯し紋次郎」の中村敦夫さんを迎えた。

最終回は壮絶の一語。
死んだ2人はまったくの犬死に。
ただ無様に斬られ、川に転がっている。

そして今までに見られなかった中村主水の剣豪としての
姿が見られる。相手を前に堂々、名乗りをあげ、そして斬る…。

「中村主水、恐ろしい男よ」。

つぶやく、やいとやを背に主水は、
朝もやの中に消えてゆく…。

これが後に嫁姑に毎回いびられる姿を繰り返すように
なるとは、とても想像できないカッコよさである…。

第一期の中村主水は次作「新・必殺仕置人」にて完結する。





評価 ★★★★☆


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