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「柔道讃歌」1974 [テレビアニメ昭和]

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〔1974年/日本/東京ムービー〕




千葉の九十九里で漁師を営む巴輝子と息子の突進太。
地元民からは「母子シャチ」と呼ばれる、
気性の激しい母と子であった。

過去、柔道家だった輝子は講道館の女三四郎と
言われる天才少女だった。しかし、己の実力を
立証するため、男子柔道家に勝負を挑み、
巴投げで勝利を奪う。

しかし、規律を乱した罪で柔道界を追放される。
いま、高校生となった息子の突進太は、その事実を知り、
母が果たせなかった柔の道を目指し柔道部に入部する。

だが、巴親子の因縁はなおも続く。
柔道部のコーチ・利鎌竜平こそ、
母・輝子に敗れ、悲惨な死を遂げた柔道家の弟だったのだ!。




1974年(昭和49年)、小学館・少年サンデー誌上に
連載された、梶原一騎、貝塚ひろし先生の漫画作品を原作に、
かつて「巨人の星」「エースをねらえ!」などで、
一大スポーツアニメブームを巻き起こした
東京ムービー(トムスエンタテインメント)が
テレビアニメ化!「柔道讃歌」。

柔道に打ち込むスポーツ少年が必殺技を身につけ、
数々のライバルたちと戦い、成長してゆく…。
いかにも梶原一騎先生の原作による70年代の
スポ根マンガ…なのだが、本作が異質なのは、
「ヒロインが存在しない」。

物語に花を添える役割のヒロインがいないのだ。

一応、新聞部の部長やら、女子生徒は存在するが、
そんなものは脇役に過ぎない。

男と男の世界がここに炸裂する…と思いきや、
最終3部作でいきなりヒロイン爆誕!!。

それは主人公の「母ちゃん」だった!!。


元々、本作の主人公はこの当時にしてはめずらしく、
極度のマザコンであった。それはもう度を越えていた。

母親もそれを容認していたが、
この母親を兄貴の仇として復讐を誓っていた
柔道家の弟であり、主人公の師匠である先生と、
いつのまにかデキてしまっていた!!。

え~~~~~~~~~~~~~~~~!!!。

ショックを受けたのは主人公だけではなかったであろう。
テレビの前のボクたちもひっくり返った。

かつて鬼と呼ばれた先生は故郷から、
お母さんを呼ぶ準備をしているし、
主人公の母親も下宿先まで押しかけるアツアツぶり!。


失意のあまり、主人公は自殺未遂まで図る。
(アニメ版ではさすがにソフトにボカされていた)。

通常、ライバルとの勝負に勝利し、物語を締めくくるのが、
スポーツ漫画の定石であるが、本作は前代未聞、
母親の再婚問題でゴタゴタして終わってしまうのだった…。





評価 ★★★☆☆
nise!(17) 

nise! 17