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「ブラック・ジャック 流氷、キマイラの男」1994 [テレビアニメ平成]

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〔1994年/日本/手塚プロダクション〕




謎の奇病、「キマイラ」に体を蝕まれる大企業の会長、
クロスワード。彼は小さな島に屋敷を建てて住んでいた。

彼の病気は発作を起こせばたちまち極度の脱水症状へと陥り、
大量の水を欲する。飲めば痛みは治まるが、
やがて体の至る所からそれをすべて排出してしまうという
恐ろしい奇病である。もちろん原因、治療法もわからない。
最終的には口から青い光を出して死に至るという。

すでに80人以上に及ぶ世界の名医と呼ばれる者が
クロスワードを診察したが、そのすべてが匙を投げた。

ブラックジャックを呼び寄せ、治療を行うものの
その原因は全くつかめず。島にいた唯一の診療医も
兄がその病に冒され、やがて死に至った。

島の人間達は、次第にキマイラが大量発生したのは
奴のせいだと、クロスワードに対する不信感を表し、
武器を片手に屋敷へと歩きはじめた…。




1994年、オリジナルビデオアニメとして製作された
「ブラック・ジャック」初の本格的アニメ化作品。
それまでも実写映画、テレビ、アニメへのゲスト出演など、
映像メディアにBJが登場する事はあったが、
万人を唸らせる出来であった…とは言い難いものだった。

今回、出崎統監督に杉野昭夫先生のキャラクターを得て、
まさに「大人の鑑賞」にも耐えうる作品に仕上がった。

手塚治虫先生が率いた虫プロダクションと縁が深い、
監督の手腕はいかんなく発揮され、
本作も透過光使用により画面がキラッキラに光る光る。

出崎統監督にとっての代表作、
かつての東京ムービー諸作品の「集大成」となったのでは
なかろうか。

シリーズは多くのアニメファンから支持され、
劇場公開、やがてテレビアニメ、
BJの若かりし日を描いたサイドストーリーにまで
発展してゆく…。

どれから見ようかしらん?とお悩みの諸兄は、
ぜひ、この一作目から順を追ってご覧になられることを
オススメしたい。





評価 ★★★★☆

nise!(9) 

nise! 9