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「樫の木モック」1972 [テレビ番組関連]

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〔1972年/日本/タツノコプロ〕



ある日、ひとり暮らしの木彫り職人のゼペット爺さんは、
その寂しさから樫の木で子供の人形を造り出した。

その人形はある夜、妖精によって命を吹き込まれ、
モックと名付けられ、おじいさんは大喜び。
自分の子供のように可愛がって一緒に暮らしはじめました。

しかしモックはイタズラ好きで、問題を起こしては
ゼペットじいさんを困らせていました・・・。




カルロ・コローディ先生のよる「ピノキオ」をベースに、
「科学忍者隊ガッチャマン」「新造人間キャシャーン」でおなじみ、
吉田竜夫先生率いるタツノコプロダクションが、とことんまで
貧乏臭く、ドン底までに救いようのない作風で
1972年(昭和47年)より放送開始した「樫の木モック」です。

この時期のタツノコ作品は「みなしごハッチ」を筆頭に、
第1話から、うつ病を引き起こすほどのトラウマを子どもたちに
植えつけるのがデフォ。

本作も主人公に対しては、かつてない、これからもないほどの
試練を与えまくる。なんせ、モックの体は「木」なので、
主人公はバラされ、手足はすぐに燃やされる!。

常に命を付け狙われ、危機に直面するのだが、
このモックは人の・・・(と言うか、本作ではコオロギさん)の
忠告を絶対に聞かない。で、ピンチに陥る。

これの繰り返し。学習の力はあまりない。
なんせ、脳みそまで「木」だから。
気の毒なのは、おじいさん。ただ悲しみオロオロするだけ。


人々はモックを罵る「悪魔の人形」と。
ま、普通に考えたら、木の人形が意思を持ってウロウロしてたら・・・、
怖いな。わからなくもない。

そして迎えた最終回。
子どもたちが嬉しい楽しい、雪の降るクリスマス。

ついにモックも、こりゃあヤバイ、こんなことしてたら、
物語終わんねぇよ!と自覚したのか人助けに目覚める。

しかし「悪魔の人形」に恐怖した人々は、
モックに向けて一斉に銃を撃ち込む・・・!息絶えるモック・・・。

あまりに強烈過ぎる内容、現在の視点から見て、
差別的な内容が多分に含まれるせいか、
本作はビデオテープの時代から全話数が商品化された事が無い。

ぜひ、今を生きるよい子に強制的に見せつけて
人間の生きる厳しさを叩きこんでやりたいのだが・・・。

昭和の子どもたちは、普通にこんな物語を毎週、
見せられていたんだなぁ・・・。スパルタだなぁ・・・。




評価 ★★★★☆
nise!(19) 

nise! 19