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「オットーという男」2023 [映画・洋画]

オットーという男.jpg
〔2023年/アメリカ/プレイトーン〕




オットーは町内イチの嫌われ者でいつもご機嫌斜め。
曲がったことが大っ嫌いで、近所を毎日パトロール、
ルールを守らない人には説教三昧、挨拶をされても
仏頂面、野良猫には八つ当たり、なんとも面倒で
近寄りがたい。

そんな彼が人知れず抱えていた孤独。

最愛の妻に先立たれ、仕事もなくした彼は、
自らの人生にピリオドを打とうとする。

しかし、向かいの家に越してきた家族に邪魔され、
死にたくても死ねない。
世間知らずだが、陽気で人懐っこく、お節介な
奥さんマリソルは、オットーとは真逆な性格。

小さい娘たちの子守や苦手な運転をオットーに
平気で頼んでくる。この迷惑一家の出現により
“自ら人生をあきらめようとしていた男”の人生は
一変していく。




トム・ハンクスはいい俳優になったなぁ。
常に死に場所を求めている、高齢独居老人。
死ぬに死ねず、定年後、日々やることと言えば、
自発的に行うご近所パトロール。

ヘンクツじじいにはヘンクツじじいになるだけの
理由があったのだ。

そんな彼のご近所に妙にフレンドリーな家族が
引っ越してきた。

この出逢いこそが、昨日だけを見つめて生きている
オットーという男に明日を見せてくれた。

ストーリー的には、よくあるパターンだけれど、
トム・ハンクスをはじめ出演者の演技により、
飽きる事なく2時間過ごすことが出来た。

SNS、インフルエンサーの使い方もうまい。
前半では事件が起きた際、被害者に手を差し伸べる
よりもスマホを向ける人々の多さに驚かされる
のだけれど、後半ではそれを逆手に取って
主人公に味方してくれる。

自分が死ぬとき、誰が悲しんでくれるのか、
誰が泣いてくれるのか。色々と考えてしまうねぇ。




■本編出演 トム・ハンクス、トルーマン・ハンクス、
 マリアナ・トレビーニョ、レイチェル・ケラー、
 マヌエル・ガルシア=ルルフォさんほか。




評価 ★★★★☆

nise!(18) 

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