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「悪人」2010 [映画・邦画]

悪人.jpg
〔2010年/日本/東宝〕




長崎の漁村に住む土木作業員の青年、祐一。
出会い系サイトで知り合った福岡の
保険外交員、佳乃と再会するが、彼女と
言い争いになった結果、彼女を殺してしまう。

そんな時、やはり出会い系サイトを通じて
祐一とメールのやり取りをした佐賀の独身女性、
光代からメールが。

孤独な毎日を送る光代は、優しそうだった
祐一と初めて面会するが、彼が起こした事件を
知って動揺し……。




クッソみたいな作品。
「感動の人間ドラマ」と絶賛されていたため、
期待に震えて見てみたが、見終えた瞬間、
怒りで手の震えがとまらない。

まず被害者の女。
こりゃあ殺されても仕方ないわ。ニンニク臭いし。
男と出会う前、周りの友達から止められても
構わずギョーザに舌鼓。あげく臭いとののしられ
後ろから蹴り上げられて、ガードレールに頭を
ぶつけ失神。

で、紛らわしいのが当初、犯人じゃね?と目星を
つけられた人間のクズな大学生。
「殺していない」と主張しながら逃亡する!
カプセルホテルに潜んでいるところを警察に見つかり
あっさり逮捕。しかし、その際も「おかあさん!」と
騒ぐ騒ぐ。なぜ逃げていたのか意味不明。

殺してないのですぐに釈放。

なんだかんだ言っても、殺したやつが一番悪い。
ここでは金髪の妻夫木聡。
この人も出る作品を選ばないな。

出会い系狂いの金髪は相手がごはん食べる?と
聞いても、まず「ホテル」を目指す。

で、それにノコノコついて来るのが、寂しいOL
深津絵里。出会って3分で初対面の男とホテルへ。

また、ここでのラブシーンの描写が細かい。
細かいのはいいのだが、見せないクセに・・・。

妻夫木聡の作品のラブシーンはいつも濃厚だ。
これは妻夫木が要求するのかね?

深津絵里は妻夫木が殺人犯だと知るのだが、
せっかく自首する気分になった妻夫木を引き留めて
ふたりで恋の逃避行がはじまる!

結末は見えているのに!
出会い系で出会った男となにやってんだよ?!と、
妹にも電話でバカにされる始末。

あげくすぐに逃避行終了。

解せないのは、すべてが終わった深津絵里。
元の職場にあっさり復帰して今日も普通に勤務中。

…いや~、あんな狭い田舎で殺人犯と逃亡劇を
繰り広げて、元の職場に戻れるハズがなかろうに。


しかし、見どころがない訳ではない。
満島ひかりさんと岡田将生さんの
見ている者に不快感しか与えない演技は絶品。
あれは絶対「地」だね。

事件の犯人はなにもツライことはないだろう。
自分が起こした事件だ。なにがあろうが自業自得。

残された家族たちのツラサ。

ウチの娘は殺されるほどの悪い事をしたのか?

ウチの孫はそんな事をするような人間じゃない。

信じたい家族、しかし現実には・・・。

被害者、加害者、どちらにも家族がいる。
彼らはなにひとつ悪くないのに、ある日を境に
人生が一変してしまう。積みあげてきたものが
すべて壊されてしまう・・・。

娘の葬式に弔問に来た刑事に父親の柄本明さんが
くってかかる。お前ら大学生ひとり、
まだ捕まえられないのか!!
そう言い放ち、怒鳴った直後、2つ折れになり
「すいませんっ・・・」と謝る。

やり切れない怒りが刑事の顔を見た途端に溢れる。
しかし、家族が今頼れるのは警察だけなのだ。
なんとしても娘を殺した犯人を捕まえてほしい。

今、ここで刑事たちの機嫌を損ねてはいけない!、
言い過ぎた!即、謝罪。その思いが詰まった名場面。

そのシーンと全編に渡る深津絵里さんの美しさだけが
本作の救い。





■本編出演 妻夫木聡、深津絵里、岡田将生、満島ひかり、
 樹木希林、柄本明、宮崎美子、光石研、塩見三省、
 松尾スズキ、余貴美子、井川比佐志、永山絢斗、
 山田キヌヲ、池内万作、モロ師岡、河原さぶ、でんでん、
 山中崇、韓英恵、中村絢香、広岡由里子、二階堂智、
 猫田直、樋田慶子さんほか。




評価 ★☆☆☆☆
nise!(21) 

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