「エスター ファースト・キル」2023 [映画・洋画]
〔2023年/アメリカ/ダーク・キャッスル・エンターテインメント〕
2007年、アメリカで暮らすオルブライト家は、
4年前に6歳で行方不明となった愛娘エスターの
失踪事件に今なお心を痛めていた。
そんなある日、エスターが保護されたという
思いがけない知らせが夫妻のもとに届く。
この奇跡のような出来事を手放しで喜ぶ一家。
驚くほど成長したエスターは聡明で才能も豊か。
画家の父親に昔以上にべったりだった。
また、あの幸せな時が帰ってくるのだ・・・。
しかし、帰りを待ち焦がれたエスターとは、
どこかが、なにかが違っていた・・・。
日本公開時のキャッチコピーが、
「この娘、やっぱり変だ」
なのだけれど、アテクシめに言わせれば、
この製作者たちがよっぽどヘンだ。
前作が公開されて、そこそこの評判を受けたのが、
2009年のお話。それからしばらく後に、あの本編と
同じようなオトナコドモ事件が実際に起こってしまう。
それを受けて、主演のイザベル・ファーマンさんが、
監督のもとに問い合わせた。
「ねぇ、カントクゥ~、続編は作らないの?」
監督が答えた。
「実はいま、丁度企画を練ってたんだ。ネリネリ」
そこでおかしいのが、
イザベル・ファーマンさんが主役のエスターを
演れるのは自分しかいない!と自信満々に
監督に売り込みに行った。
またしてもおかしいのは監督。
その申し入れを了承。主演女優決定。
ここで最強におかしいのは、
通常ならば、前作の事件の後、ラストで湖に
沈んでいったエスターは生きていた!!という、
続編を作るのかと思いきや・・・、
監督が差し出したプロットは前作の前日譚。
つまり、イザベル・ファーマンさんは、
前作よりもさらに幼いエスターを演じなければならない。
この時点でイザベル・ファーマンさん、23歳。
しかし本人は「演じ切れる」と自信満々。
監督も撮影技術でなんとかなるっしょ、と、
そしてついになんとかしてしまった。
おかしなヤツらが集まって出来上がった、
おかしな映画は9歳の幼女が実は33歳!という、
インパクトがない分、パンチに欠けた。
そして、背後や全身を映す際は子役を使っているのだと
思うが顔のアップになると、年相応のお顔に見えてしまう。
そりゃあ23歳が9歳を演じるというのは、CGを使っても
無理が出てきてしまうだろうよ。
殺し技の数々も、「ファースト」という事で、
前作よりもさらにエスカレートさせることが
出来ない弱み。
これらを勘案すると前日譚ではなく、素直に「その後」を
描いて、より残忍な描写を見せつけ、さらにつづくよ!、
としたほうが良かったのではないだろうか。
■本編出演 イザベル・ファーマン、
ジュリア・スタイルズ、
ロッシフ・サザーランド、
マシュー・アーロン・フィンランさんほか。
評価 ★★★☆☆
2023-08-12 12:00
nise!(6)