「ケイコ 目を澄ませて」2022 [映画・邦画]
〔2022年/日本/ザフール〕
生まれつきの聴覚障害で両耳とも聞こえないケイコは、
再開発が進む下町の小さなボクシングジムで鍛錬を重ね、
プロボクサーとしてリングに立ち続ける。
嘘がつけず愛想笑いも苦手な彼女には悩みが尽きず、
言葉にできない思いが心の中に溜まっていく。
ジムの会長宛てに休会を願う手紙を綴るも、
出すことができない。そんなある日、ケイコはジムが
閉鎖されることを知る・・・。
結論から言わせていただくと、面白味に欠ける映画。
物語に起伏がなく、ただ淡々と時間だけが流れて行く。
特に大きな事件が起こるでもなく、問題が起きても
それは解決しないままに終わる。
しかし出演陣の演技がすばらしいので、なんとか
最後までつきあうことが出来た。
三浦友和さんは前々から素晴らしい。
そりゃあ洋服の青山も契約を打ち切らず、延々とCMに
起用しつづけるぐらいだし、嫁ともうまくやっている。
裏表のなさそうないい男である。
特に推したいのか、主演の岸井ゆきのさん。
ほぼ笑顔のない、セリフのない役どころを見事に演じる。
ちゃんとボクシングをやっているように見えるのが
スゴイ。かなりの練習を積んだのだろうと思わせる。
岸井ゆきのさんというのは美人ではない。
かわいいと絶賛もしたくない。
しかし、なんだか気になる、丁度いい頃合いのブス。
言っておくが、これは誉め言葉。
現実にはいないんだけど、
身近にいるような錯覚を起こさせるブス。
この「ジャストフィットブス」は角度を変えて見ると、
途端に輝きを増してくる実に不思議なブスなのである。
今年度のバカデミー賞は彼女に差し上げたい。
いま、邦画界で一番の注目株はこのブスで決まり。
■本編出演 岸井ゆきの、三浦誠己、松浦慎一郎、佐藤緋美、
中原ナナ、足立智充、清水優、丈太郎、安光隆太郎、
渡辺真起子、中村優子、中島ひろ子、仙道敦子、
三浦友和さんほか。
評価 ★★★☆☆
2023-06-03 12:00
nise!(8)