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「楽園」2019 [映画・邦画]

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〔2021年/日本/角川大映スタジオ〕




地方都市のY字路で少女の失踪事件が発生した。

事件の直前まで被害者と一緒にいた親友の紡は、
深い罪悪感を抱える。それから12年が経ったある日、
彼女は事件の日に町にいた孤独な青年・豪士と出会う。

距離を縮めていく2人だったが、再びY字路で少女が
失踪し、疑いの目は豪士に向けられる。

一方、事件が起きたY字路の先で暮らす養蜂家の
善次郎は、ある事情から村八分にされ孤立していく。




田舎の村の独特な閉鎖感を描いているのだろう。
確かに今でも、山奥の集落に行けば、このような
村八分的扱いをする者、される者はいよう。

都会や中型都市の町内会でも理不尽に、
権威を持つ一部の人間の感情による、
「オレ、アイツ嫌い」といったそれだけの理由で、
排除される・・・そんな事例はあるだろう。

しかし、本作は説明不足すぎて、なぜ善次郎が
いきなり村八分にされはじめたのか、決定的な
描写がない。そのために唐突に映り過ぎる。
ほんの10分前の映像では仲よく、ビールを
酌み交わしていたのに、次の場面ではもう、
いい訳さえ、村人は誰も聞かない、聞く耳を持たない。

そして物語が時系列に進まずに、
進んでは戻り、戻ってはまた戻る…といった具合で、
誰が一体犯人なのか、少女が消えた2件の事件の顛末、
すべては謎のまんま終わってしまう。

白々しく流れ始める、上白石萌音さんの主題歌・・・。

いらない場面が多すぎた。

それほど親しくもない間柄なのに、いきなり
混浴露天風呂で全裸でひとっ風呂浴びる、
佐藤浩市、片岡礼子さん。そして発情。

昔は必然性があれば脱ぎます!と意気込んだ女優さんも
多かったが、なんの必然性も誰も求めていないのに、
全裸を披露する片岡礼子さん・・・。

紡の男友達の難病(白血病?)設定とか要る?
これも唐突過ぎて、理解しにくい・・・。

国籍による人種差別なのか、母と息子の問題なのか、
集落の人間関係なのか、テーマが絞り切れていないのも
この作品の最大の難点。




■本編出演 綾野剛、杉咲花、佐藤浩市、村上虹郎、片岡礼子、
 黒沢あすか、石橋静河、根岸季衣、柄本明さんほか。





評価 ★☆☆☆☆




nise!(9) 

nise! 9