「遊太郎巷談」1959 [映画・邦画]
〔1959年/日本/大映〕
真紅の大太刀が一の宮神社の勧進元に宛てて、
大前田の親分から送り届けられた。
父である佐五親分が吉兵衛一家に暗討ちに遭い、
一年後の今日、お葉とお夕の姉妹が継いだ
佐五一家に、またしても真紅の大太刀が届けられた。
途中を吉兵衛一家が待ち伏せて、
それを奪いとろうとして巻き起こる乱闘。
その時、浪人の遊太郎が現れ、お夕たちを救った。
彼はしばらく一家の食客になった。
しかし、果し状をつけた吉兵衛一家を全滅させると
いずこへともなく姿を消す。
用心棒の平手造酒は遊太郎を生涯の好敵手と決め、
江戸へ彼を追っていく。
遊太郎は飯倉明神境内で、役人から追われる修次郎と
いう男から美しいチギ函を受け取った。修次郎は
古屋敷に住む、つう姫という謎の美女につかえる若者である。
小函には伝馬町の牢屋の地図が入っていた。
遊太郎は幕府大目付、後藤修理亮の邸に身を寄せていた。
彼は上野輪王寺の宮と将軍家の娘の間に生まれた若宮だった。
彼の佩く香木の刀はそれを物語る。
両親は死に、修理亮のもとで育った。
修理亮の娘、小百合は彼に恋し、両親もそれを許した。
お夕も彼を恋し、三休和尚に連れられ、
屋敷を訪れるのだが…。
柴田錬三郎先生の原作を雷蔵で映像化。
そう、これこそが後の「眠狂四郎」へと繋がる
パイロットフィルム的な作品!
本作なくして「眠狂四郎」は存在しえなかっただろう。
本編の随所で見られる「色気」や「エロ気」なシーンも
(現在の視点で見ると実にかわいらしい表現)
「眠狂四郎」を思わせる。
まったく前知識ゼロで本作の鑑賞に臨まれたほうが、
作品を純粋に楽しめるかも知れない。
■本編出演 市川雷蔵、浦路洋子、金田一敦子、岸正子、
阿井美千子、林成年、香川良介、植村謙二郎、清水元、
水原浩一、綾英美子、松尾親代、滝花久子、石黒達也、
荒木忍、上田寛、寺島雄作、東良之助、市川謹也、
志摩靖彦、川口幸次さんほか。
評価 ★★★☆☆
2023-01-27 12:00
nise!(8)