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「残侠の盃」1967 [映画・邦画]

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〔1967年/日本/大映〕





辰巳組の大幹部・島村吾郎が大滝組組長を斬ってから、
七年の歳月が流れていた・・・。

表向きは、大滝の情婦である京子を巡るいざこざ…、
という事だったが、本当は新興やくざである
大滝組の無軌道なやり方に腹を立てた末の刃傷沙汰だった。

刑期を終えた島村が目にしたものは、
変わり果てた娑婆の様子だった。
辰巳組組長の銀三はすでに亡くなり、長男の圭介は
やくざ稼業を嫌い弁護士となり、組とは絶縁状態。

辰巳組の五代目は吾郎の舎弟だった
池上隆太が襲名していた。
隆太は「素人衆に迷惑をかけない」という
辰巳組の不文律を破り、恐喝、売春、麻薬と、
人の道を踏み外した暴力団と化していたのだ。

吾郎は、組の粛清を決意する。






映画業界も下火となりつつある中で、
唯一、任侠物がまだなんとかふんばっていた時代、
東映、松竹、日活、そしてこちらは大映作品。

冒頭から伊藤博文の1,000円札が登場。
調べてみると1986年(昭和61年)まで使用されていたんだな…。
意外とご長寿。

前半の見せ場はタイムショックとコロンボの激闘!
自らはもも肉を刺されながらも、
ドスを抜かないタイムショック。

どうしてだ!?コロンボの疑問に答えるタイムショック。

「殺すには惜しい男だ」

いつしか2人の間に友情が芽生える。
今流行りのボーイズラブ・・・、
いや、完全にオッさん同士、それも「濃い」2人である。

気になるのが、拳銃の発射音。
チュン!チュン!となんだか水中銃のような。
この年代の拳銃音としてリアルなのかも
知れないが劇場で鑑賞するには迫力不足。

鑑賞を終えて、感傷に浸る。

公開後、半世紀も過ぎると出演者でご存命の方の
ほうが少なく、本作も主要キャストのほとんどが…
旧作は見る度に切なくなってしまう。

ラストは「あしたのジョー」的余韻を持たせる締め方。
でも、多分、絶対…なんだろうな…と。




評価 ★★★★☆
nise!(8) 

nise! 8