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「また、あなたとブッククラブで」2018 [映画・洋画]

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〔2018年/アメリカ〕





夫に先立たれて未亡人となり、子供たちからは
年寄り扱いされるダイアン、会社社長であり独身貴族を貫く
性に奔放なビビアン、裁判官として活躍しながら
過去の離婚の痛手から立ち直れないシャロン、
仕事を引退し活力を失った夫との結婚生活の危機に
直面しているキャロル。

4人はそれぞれに都会的で自立した人生を
謳歌してきたものの、生きていく上での悩みは
尽きることがない。そんな旧知の4人の友情は、
定期的に開催される「ブッククラブ」で培われている。

いわゆる「読書会」ではあるが、その中身は
ワインや食事を楽しみながら互いの近況を
ひたすらおしゃべりし続ける「女子会」のようなもの。

ある日、ビビアンがお題として提案した一冊の本。
それは世界的に大ヒットした官能小説
「フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ」。

官能小説!?難色を示していたメンバーたちも、
読み進めるうちにその刺激的な内容に感化されはじめ…。




試写会で観た。




若者であれば普通に作品テーマとなることも多いのだが、
ある程度の年齢となり、家庭を、子供を持ち、
人生を重ねてゆくと一種のタブーとなってしまう
中高年~初老の「性」。

考えるだけでも「このトシで恥ずかしい」という先入観。
周りも「いいトシをしてみっともない」。
子ども、孫世代からすれば、もうそんな事には興味も
ないだろうと「聖人扱い」される。

とんでもない。

年寄りだから、障害者だから、
性欲なんてあるハズない!と、
決めつけられ語る事すら許されない風潮があるが、
高齢者施設においても、ひとりの女を奪い合って…!、
なんて事例はいくらでもある。
人間灰になるまで…なのである。

本作は開幕当初から少々、下品である。
濡れ場のない日活ロマンポルノさながらである。
出て来る4人の女性はそれぞれ、性に奔放。

当初感じた軽い嫌悪感は物語が進むうちに、
共感を呼びはじめ、最終的には4人を応援してしまう。

年齢にバラつきがあり、職業も環境も違うこの4人が、
どうして「ブッククラブ」という結びつきを得たのかは
わからなかったが、根底にあるのは確かな友情。

大人になると「友達」というのもなかなか出来なくなる。
彼女たちは「友情」をおろそかにしない。
ラストには四者四様のハッピーエンドが待っている。
当初持っていた「エロ映画」のレッテルはすでに消え失せていた。





評価 ★★★☆☆

nise!(11) 

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