SSブログ

「共に歩く」2014 [映画・邦画]

164425_01.jpg
〔2014年/日本/「共に歩く」製作委員会〕





親の愛を受けられなかったせいで情緒不安定な恋人、
明美への接し方に悩む小学校教員の哲也。

一方、哲也が勤める小学校に通うタケルは、
アルコール依存症の父親の影響で自傷行為を繰り返し、
母親の真由美を悩ませていた。

また、アルツハイマー型認知症になった明美の母親、
陽子は夫・定雄への信頼に疑いを抱きはじめる…。

共依存、アルコール依存症、認知症に苦しむ3組の
人々を描いたヒューマンドラマ。





キッツイわぁ。

本編中、ただの一度たりとも笑える箇所がない。
カップルの場面はいつ女が、どんなタイミングで
キレだすかと見てるこちらまでピリピリしてくる。
それだけこの女優さんがうまい、ということだろうけれど。

この情緒不安定な女性が荒れ狂うのは、彼氏の前だけ…、
というのもまたやっかい。常に「寄らば刺すぞ」的雰囲気を
醸し出しているならば、接し方にも要注意なのだが、
普段の生活は常人となんら変わらず、接客業をこなし、
同僚ともうまくやっている。

だが、彼氏に対しては異常な行動を示す。
それだけ「心を開いている」「愛情表現」なのかも知れない。
その表現方法が他者と異なるだけで…。


圧巻は育児放棄されて育った娘と、若年性認知症がはじまった
母親との対峙シーン。

「どうして私を愛してくれなかったの?」と問う娘に対し、
「私は(あなたよりも)定雄さん(夫)が好き」と言い放つ母親。

認知症だから訳がわからなくなっているのか、
認知症だからこそ、本音が出たのか。

それでも「親だから」「見捨てない」娘。

そしてその娘を「見捨てない」彼氏。


救いはこの3つのケース、どれも「見捨てない」。
タイトルにあるように「共に生きて行こう」とするところで
締めくくられている。





評価 ★★★☆☆
nise!(14) 

nise! 14