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「間宮兄弟」2006 [映画・邦画]

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〔2006年/日本/アスミック・エース〕




間宮兄弟は30代の仲の良い兄弟。
今も一緒に住んでいる。

兄の明信はビール会社の研究員、弟の徹信は
公務員を目指す、小学校の用務員。
兄弟は様々な日常の歓びを重ね、楽しく生きている。

テレビでスコアを付けながら野球を見たり、
紙飛行機を作って飛ばしたり、
商店街にグリコじゃんけんで行って餃子を食べたり、
布団の中で一日の反省会をしたり。

そんな兄弟に欠けているのは恋人。

徹信は兄のために、同じ学校で働く葛原依子先生と、
レンタルビデオ店員でヤク中の直美を誘って
カレーパーティを企画する。

ふたりの美女は間宮兄弟宅にやってくることに
なるのだが。




これもまた、「なーんも起こらない」
市井に住む普通の人々の普通の物語であった。
家族大好きな人たちの家族愛の物語。

でもなぜだろう。それほど嫌悪感というものがない。
金返せとまで思わない。監督の手腕だろうか。

芸人枠の塚地武雅さんの演技が自然でいい。
「裸の犬将」ぐらいしか拝見したことがなかったが、
あの時は「障害者ディスってんのか?」としか
思えなかったのに。

登場人物すべてがヒト癖ある人間ばかり。
見た目はいいのだが、どこかズレが生じている。
自分でそのズレを理解していない。

しかし人間ってのはまぁ、そんなモンだ。
自分と違う価値観、習性のある人間を捕まえては、
「あの人、変わってるわ~」と嘆く。

「しあわせ」というのは他人が決めつけるのもの
ではないが、今はいい。兄弟で楽しく暮らしている。
大きな不自由さも感じていない。

けれど、この先、どうなるんだ?、という恐怖感は感じる。
一種のホラー要素もある…。


この映画もエンディングロール後に、
本当の「オチ」が待っているのだが、あれ…必要か?。

あの場面で一気に現実に引き戻されてしまう。
「これは俳優たちによるフィクションですよ」と強制的に。

普段、映画は最後まで観ろと口がちゅっぱくなるほど
叫ぶボクではあるが、あのオチはオススメできない。




評価 ★★★☆☆
nise!(10) 

nise! 10