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「おらぁグズラだど」1987 [テレビアニメ昭和]

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〔1987年/日本/タツノコプロ〕




ビックラ山の火口から生まれた
ユーモラスな怪獣グズラが、
ヌケ田家に転がりこんだことから巻き起こる
ドタバタコメディー。

鉄が好物で大食いのグズラは、グズでドジだけど
曲がったことが大嫌い。
持ち前の正義感から珍騒動を繰り返す。





1967年(昭和42年)より、母と子のフジテレビ系で
放映開始された笹川ひろし先生原作「おらぁグズラだど」。

アニメーション製作は後に「科学忍者隊ガッチャマン」、
「新造人間キャシャーン」「破裏拳ポリマー」を世に送り出す、
吉田竜夫先生率いる、タツノコプロダクション(竜の子プロ)。

本日ご紹介するのは、1967年の白黒差作品を、
なぜかいきなり、1987年にカラーでリメイクしたもの。

ただのリメイク(作り直し)ではない。
本作が異色なのは、完全新作…ではなく、
音声は1967年版をそのまま流用。
その音声に合わせて映像だけをカラーに作りなおしている。

もちろん当時はコンピューターで色付け出来るような
技術は存在しなかったため、1枚1枚、セル画に着色、
撮影する昔ながらの製作方法で完成に至った。

これって、スタジオジブリの「かぐや姫の物語」なんかでも
採用された、俳優により先に声を録音。
それに合わせて映像を作ってゆく「プレスコ」方式だわな。

今回、dアニメで配信が開始され、久々に見直す機会を
得たのだけれど、昭和の声優さんって、やはり芸達者だな。
目をつむって聞いていても、誰が誰だか聞き分けられる。

音だけで成立する世界がそこにある。

ソノシート、レコードのドラマ編なんて、この昭和の
声優さんたちがいないと成り立たなかった商品だわな。

現在の声優さんたちを否定する訳ではない。
時代は変わったのだ。
自分がトシをくって、声を聞き分けられなくなっただけの話。

それを差し引いても、グズラの声優さんたちの演技は、
昭和テレビまんがの至宝。

完全な新作にせず、あえて過去の音源を使っても、
遜色ねぇんじゃね?と判断した1987年当時のスタッフの
判断は間違ってはいなかった。

ただ、この手法はそれ以後、確認されていない…。

まぁ、めんどくさいわな。




評価 ★★★☆☆

nise!(10) 

nise! 10