「はるヲうるひと」2019 [映画・邦画]
〔2019年/日本/ラインバック〕
とある島。そこは至るところに「置屋」が点在する。
置屋とは「ちょんの間」=売春宿である。
「かげろう」と呼ばれる置屋にその「三兄妹」
はいた。長男の哲雄は店を仕切り、
その凶暴凶悪な性格で恐れられている。
次男の得太は哲雄にこびへつらい、子分のように
したがっている。長女のいぶきは、長年の持病を
患い床に伏してる。ここで働く四人の個性的な
遊女たちは、哲雄に支配され、得太をバカにして、
いぶきに嫉妬していた。
女を売る家で唯一女を売らず、それどころか
優遇された箱入り娘。しかも、いぶきはだれよりも
美しかった。得太はその美しいいぶきを、
ただただ見守り寄り添うだけであった。
出口のない閉塞感に苛まれつつ、目の前の現実を
日々受け入れ、無為に生きる面々。
だが、先代で、三兄妹の父・義雄をめぐる
「ある秘密」が明らかになり、
それぞれの運命を変えていく。
どこに出ても、それがどんな作品であろうが、
誰も望んではいないのに、なにか余計なことを
やらないと気の済まない佐藤二朗さんが主宰する
劇団の舞台劇を映画化したもの。
原作、脚本、監督と大車輪で活躍の佐藤二朗さん。
気の置けない仲間うちを集めて、1本撮ってみました~、
という印象。なにを伝えたいのか意図が理解できない。
登場人物全員のアタマの中がちょっとおかしいのは
よくわかる。
力で支配する長男が人を見る基準は
「まっとうか」「まっとうでないか」
「まっとう」でない者は「はなくそ」である。
すべては「はなくそ」らしい。
この世は「はなくそ」か「はなくそ」以外しか
ないようだ。
弟のほうも「ちんかす」か「ちんかす」でないかが
判断基準のようで、結局この生活に満足は
していないのに、明日も続けていくしかできない。
ちょんの間で勤めてる人間は全員、
アタマがおかしい・・・そんな偏見に満ちた一作。
結局、誰ひとりとして「まっとうな」登場人物は
見受けられずであった。
唯一さわやかさ満点で1分間登場した、向井理さんも
ちょんの間の女を腹の底では見下した差別感満腹の
爽快さで胸糞悪いさわやかさ!
■本編出演 山田孝之、仲里依紗、今藤洋子、笹野鈴々音、
駒林怜、太田善也、向井理、坂井真紀、佐藤二朗、
大高洋夫、兎本有紀、市川しんぺー、大水洋介さんほか。
評価 ★★☆☆☆
2023-12-04 12:00
nise!(20)