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「刑務所破り」1969 [映画・邦画]

刑務所破り1.jpg
〔1969年/日本/大映〕




古田誠は、九州で父の仇という戸宮親分を斬った。

だが、それは天王寺組の納谷と刑事の森が
巧みに仕掛けた罠だった。裏を知らされた誠は、
二人を追うが、逆に窮地に追いやられる始末。

その急場を救ったのは大原組の常太郎だった。
常太郎は誠を大阪に連れ帰ると、兄弟分の盃を交す。

しかし、その安息も束の間、常太郎は
天王寺組の凶刃に倒れ、誠も刑務所行きとなる。
その頃、大原組では、病床の親分・富吉にかわって、
娘の香織が組を取り仕切り、天王寺組は弱体化した
大原組の縄張りを狙っていたのだった。




松方弘樹さん主演であるが、あまり東映風味は
感じられず。これは劇中に流れる音楽のチカラが
大きいのだろうな。東映だと津島利章先生や、
菊池俊輔先生の楽曲がセンセーショナルに鳴り響くから。

物語は刃物(ドス)を手にいきなり組への殴り込みから
スタート!、ツカミはバッチリである。

舞台が大阪に移るため、ギャグメーカーとして、
岡八郎さんが顔出し。当時の定番ギャグも披露しながら、
ただの賑やかしでは終わらない重要な役どころを演じる。
小林昭二さんの大映出演もめずらしいのではなかろうか。

全体としては「当時の任侠モノ」の範疇を出ない
定番な作劇であるが、刑務所の中まで追ってきた
刺客を風呂の中で返り討ちにするシーンなど、
実にスカッとさせてくれる。東映の弘樹に慣れた人には
大映の控えめ弘樹は新鮮かも知れない。


今回、ご提供いただいた映像は旧ソフトからのものらしく、
オープニングの出演者クレジット画面が縦長に圧縮された
懐かしい印象のものであった。
刑務所破り.png
こんな感じ。

昔は劇場映画をテレビ放送したり、ビデオ化する際、
上下に黒帯を入れず、かつ字幕を切れずに見せるため、
タイトルやオープニングはギュッと縮められていたのだ。

本編がはじまると、もちろん画面の両側はカット。
テレビサイズに加工されていた。

ビデオソフトのパッケージには、
「シネスコ収録」「ビスタサイズ収録」などと
記載があり、それがあると「あぁ、上下に黒帯があって、
横長画面で収録されているのだな・・・」と区別できた。

今はもう自分で勝手に画面サイズを変更できるし、
テレビ放送自体が横長なので、縦長クレジットの画面は
昭和者の郷愁を誘うのである・・・。




■本編出演 松方弘樹、藤村志保、田村高廣、久保菜穂子、
 小林昭二、山本麟一、内田朝雄、五味龍太郎、北竜二、
 北村英三、岡八郎、水上保広、守田学、早川雄三、
 木村元、杉山昌三九、毛利郁子、北野拓也、堀北幸夫、
 西川ヒノデ、西川サクラさんほか。




評価 ★★★☆☆
nise!(9) 

nise! 9