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「グレタ ひとりぼっちの挑戦」2020 [映画・洋画]

グレタ積木くずしひとりぼっちの北朝鮮.jpg
〔2020年/スエーデン〕




2018年8月、当時15歳の少女、グレタは気候変動に対する
政府の無関心に抗議するため、たったひとりで
国会議事堂前に座り込み、学校ストライキを始めた。

毎週金曜日に行っていたこの活動は世界中の多くの
若者の心を動かし、数カ月のうちに国内外へ広がる
一大ムーブメントとなった。

その後、2019年のニューヨーク国連本部での
気候行動サミットで涙ながらに訴えたスピーチで、
グレタはさらに注目を浴びる存在となっていく。






かなりヤバイ作品。

ドキュメンタリーという作品の性質上、
本作に起承転結な物語性を求めるのは「酷」というもの。

大方の予想通り、この作品に結末はない。
「環境破壊」という問題にピリオドが打たれる
事がないからだ。

そしてこの作品全編に流れる重苦しい雰囲気。
そうか…「笑顔」がないんだ。

15歳の少女が主人公なのに華やかさは皆無。
この少女にも15歳という、本来この年頃の少女が持つ
きらびやかさがない。輝きがない。


「私は人と自撮りするためにここに来たのではない」。
というシーンがある。

「環境少女」としてこのグレタが注目されたのはいいが、
ただ、この少女がものめずらしいだけで、
はたし肝心の「環境問題」にどの程度の影響を与えたのか。

回りの大人たちが担ぎ上げて、この少女を却って不幸に
してしまったのではないだろうか。

「環境少女」の肩書きさえなければ、このグレタは
人より環境問題に興味のある女の子で過ごせたのでは
ないだろうか。

これが40歳なら注目されただろうか?。
違うだろう、15歳だから面白がったのだろう?。

そう考えればこのタイトルこそ真意である。
「グレタ ひとりぼっちの挑戦」。

この少女はひとりぼっち。

周りの大人たちは持ちあげて、躍らせているだけ。


庶民だった少女が一夜にして不幸へといざなわれる
ドキュメントとしては秀逸な一作。





評価 ★★★☆☆

nise!(28) 

nise! 28