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「名探偵明智小五郎シリーズ 怪人二十面相 第三部 怪盗粉砕」1954 [映画・邦画]

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〔1954年/日本/松竹〕



明智小五郎は怪人の発する無電から、
捕らえられていた玲子と早苗を救ったが、怪人は気球で逃走。
情婦のサリーはボートで行方をくらました。

博士は設計図を黄金の塔にかくし、親友である時計店の
店主に頼み、そのウィンドウに並べておくが、
怪人はそれを知って早くも盗み出して見せると
予告の手紙を送りつけてきた。

小五郎は少年たちを靴みがきに変装させ、張り込みをさせる。

予告の日、博士は偽の塔を作り、本物は床下に秘かに隠した。
しかし地下室を掘って侵入した怪人の一味が本物を盗みだす。

騒然となる一同のもとに小五郎が登場。
盗まれたのは偽物だと告げる。

秘書の玲子が障害者の女中に扮して時計屋に勤め、
すり替えていたのだ。正体を見破られた二十面相は、
海外へ逃亡すべくその場から走り出す…。





第2部で救出のキーポイントになると思われた伝書鳩は、
まったくの役立たずに終わった。
だって人質の居場所は小五郎が無電で突き止めた…。

二十面相と少年探偵団、秘書の変装合戦も本作の見どころ…、
のハズだが、時代を感じさせる「靴磨き」は変装する気すら
なさそうだし、女中に化けた助手の女は「ろうあ者」という
「そんな設定いるの?」ってな設定。

ただでさえ短い上映時間なのに、無駄の極み。

最終的には拳銃を持つ二十面相にゴムのパチンコで応戦する
少年探偵団が大活躍!少年たちは実弾なんか勇気で跳ね返す!。

二十面相たまらず海に飛び込むが、少年たちがロープを
投げ込み、文字通り「お縄」にして、そこに駆け付けた
警察と明智小五郎先生とともに万歳三唱で「おしまい」。


…明智先生…いらなくね?。

っちゅうか、この映画、明智とその取り巻きがいないほうが、
話がスムーズに動いた気がするのだが、気のせいか…。

ラストは二十面相を捕らえているであろうヒモが、
海中に伸びているところで終わるのだが、
作劇としては、ここで万歳三唱ではなく、このヒモから
脱出した二十面相の高らかな笑い声で再びの挑戦を予告して
物語が終わりを迎える。

それこそが正しい「江戸川乱歩」作品ではなかろうか。
怪人二十面相が「粉砕」されてしまってはいけないのだ。


検索してみると、本作の弓削進監督は、本作ともう1本しか
作品を撮っておられないようだ。

あまりにも、のんびり。した映画なので、時代かな…と、
許していた部分もあったが、どうも時代だけの責任では
なさそうだ。監督個人の責任っぽい。




評価 ★★★☆☆



nise!(9) 

nise! 9