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「仮面ライダーZO」1993 [映画・特撮]

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〔1993年/日本/東映〕




何者かのテレパシーによる交信で、長い眠りから覚めた
麻生勝は、無意識のうちに仮面ライダーZOへと変身を遂げる。

同じ頃、町はずれのスクラップ置き場では、ネオ生命体の
ドラスが誕生していた。やがてドラスは遺伝子工学の権威、
望月博士の息子、宏を襲う。

宏の危機に駆け付ける超高速マシン、ブリンガー!。
宏を救うことができたが、やがて麻生は、望月博士が
麻生を肉体改造し、ネオ生命体を造りだしたことを知り
思い悩む。そこにつけこみ、ドラスはコウモリ男を
望月博士に変身させ、宏を誘拐する。

ZOは宏を追って、単身ドラスの基地に潜入する!。




   名作。



思えば過去の仮面ライダー映画がすべて、テレビシリーズからの
延長線上だったのに対して、本作は劇場初のオリジナルライダー。

テレビ「鳥人戦隊ジェットマン」や、今もファンの間で
名作の誉れ高い「ゼイラム」を手掛けた雨宮慶太監督による
新時代のライダーがここに誕生した。

この当時、「最新」だったCGを駆使し、
「魔人ハンター ミツルギ」「へんしん!チンポコ玉」以来じゃね?、
と思われる人形アニメーションの技術まで総動員し、
この時代の「トクサツ映画」のテクニック見本市のような出来。

今では様々な事情により「人間を改造する」という設定、
「仮面ライダーは人間の自由を守る」。

そう、人間を守るのではない、人間が生きていくうえで、
一番大事なもの、「人間の自由」を守る大自然が遣わした
勇者が「仮面ライダー」なのだ。

なにより、近年の子供向け作品が失ってしまった、
子供目線で見て「頼れるヒーロー」なのがいい。
画面上でそれを見せてくれる説得力よ!。

そう、昭和時代のヒーローって、頼れるオッさんだった。
今はどう見ても学生、子どもが変身した途端に
最強状態になる…。

本編時間わずか48分という尺で「仮面ライダー」の基本を
すべて詰め込んだ一作に仕上がっている。

仮面ライダー生誕20周年記念作品「仮面ライダーZO」。
願わくば、その後の彼の活躍をもっと見たかったが、
企画はあがりながら続編は製作されず。

本作のみ、という潔さもZOを
「神格化」させている一因なのかも知れない。




評価 ★★★★★
nise!(11) 

nise! 11