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「言の葉の庭」 2013 [映画・アニメ]

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〔2013年/日本/新海クリエイティブ〕




靴職人を目指す高校生・タカオは、
雨の朝は決まって学校をさぼり、
公園の日本庭園で靴のスケッチを描いていた。

ある日、タカオは、ひとりチョコレートをアテに
缶ビールを飲む謎めいた年上の女性・ユキノと出会う。

ふたりは約束もないまま雨の日だけの逢瀬を
重ねるようになり、次第に心を通わせていく。

居場所を見失ってしまったというユキノに、
彼女がもっと歩きたくなるような靴を作りたいと
願うタカオ。

六月の空のように物憂げに揺れ動く、
互いの思いをよそに梅雨の季節は明けようとしていた…。




「君の名は。」の新海誠監督作品。
日本というのはおかしな国で、1本作品が当たると、
それ以前は見向きもされなかった作品までが再注目され、
なぜか「埋もれた名作」扱いされてしまう。

宮崎駿監督ですら今でこそ「巨匠」として知られるが、
「風の谷のナウシカ」「となりのトトロ」以前は、
失敗作ばかりを送り出すアニメ屋さんだったのだ。

今では押しも押されもしない「名作」と化した、
「パンダコパンダ」や「ルパン三世カリオストロの城」ですら、
一部のアニメファン以外には、商業的失敗作の
烙印を押されていた。それが今や…である。


本作も「あの!」新海誠監督作品である。
監督の人間性とかそんなもんは関係ない。
とにかく「君の名は。」を当てた監督なのである。

「これは名作だよ!キミィ!」と評しておけば、
世間は丸く収まるのである。

が、短編だから仕方ないがストーリーの作り込みが弱い。
女教師は相手を学生と知ったうえで「恋愛対象」とみている(?)。
27歳の女教師と15歳の男子高校生。
エロビデオではよくあるパターンで、
そこにしびれる、あこがれるが、これはちょっと…。

ただ、映像表現はすばらしい。特にこの物語を成立させるための
「雨の描写」!。これはもう実写との垣根を越えた。

2人が逢瀬を重ねる舞台となった新宿の公園であるが、
最後にこんなテロップが表示される。

「新宿御苑へのアルコールの持ち込みは禁止です」。

2人の出会いのきっかけが「アルコール」なのに…。

え、そうなの?。そもそもの物語がブチ壊しじゃん!。
そんじゃあ、新宿御苑に設定すんなよ!。




評価 ★★☆☆☆
nise!(18)