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「寝ても覚めても」 2018 [映画・邦画]

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〔2018年/日本/Comme des Cinémas〕





丸子亮平は勤務先の会議室へコーヒーを届けに来た
泉谷朝子と出会う。ぎこちない態度をとる朝子に
惹かれていく亮平。

真っ直ぐに想いを伝える亮平に、戸惑いながら
朝子も惹かれていく…。

しかし、朝子には亮平に告げられない秘密があった。

亮平は、2年前に朝子が大阪に住んでいた時、
運命的な恋に落ちた恋人・鳥居麦に
顔がそっくりだったのだ--。

5年後、亮平と朝子は共に暮らし、平穏だけど
満たされた日々を過ごしていた。

そんなある日、麦が現在はモデルとなって
注目されていることを朝子は知る。
亮平との穏やかな生活を過ごしていた朝子に、
麦の行方を知ることは小さなショックを与えた。

一緒にいるといつも不安で、でも好きにならずに
いられなかった麦との時間。ささやかだけれど、
いつも温かく包み、安心を与えてくれる亮平との時間。

朝子の中で気持ちの整理はついていたはずだった……。





いや~~~~、世間との間隔のズレが生じているのだろうか。
最低点をつけてやろうかと思ったら、世間の評価は非常に
高いようだ。

第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。
第43回トロント国際映画祭Contemporary World Cinema部門、
第56回ニューヨーク映画祭Main Slate部門にも出品、
世界20カ国で配給…さらに主演の2人は様々な賞を受賞…。

それでもあえて言おう。

クソ映画であると。

この主役の女、なんかの精神病じゃないのん?。
惚れた理由は前の男と「顔が同じだから」。

で、おんなじ顔の男と結婚も決まり、住み家も決めた。
この時点で前の男登場!まるで2役のようにうり双子!。

普通は「過去の良き想い出」で終わるところが、
手に手を取って逃避行。

「一緒に北海道に行こう!」。

ところが夜が明けた途端に憑き物が落ちたように、
「やっぱ新しい男のほうがいいわ!」。
ノコノコ戻ってきちゃう。

原作ではさすがにあくる朝に戻る…ではなく、
ある程度の時間が経ってから戻ってくる。
それでも結果に変わりはないわな。

いやぁ~、これ「寝ても覚めても」というタイトル通り、
この女の見ている夢の中の物語でしょう?。
前の男の名前も「バク」だし。夢を食べる「バク」だろう?。

そう思わないと、こんなキチガイ女の心境も、
逃げられながら、元のサヤに収まる男の心境も理解できない。
登場人物の誰一人にも感情移入できず、
物語はなにも完結せず、投げっぱなしで終了。

これ1.900円払って劇場で観てたら暴動が起きるレベル。

普通、映画を観たら笑いたい、感動したい、考えさせられたい、
涙を流したい…なにかを得たいものだが、見終えたあと、
腹立たしさが残るだけ。

なんせラストシーンも大阪の川を2人で眺めて、
「きったない川やな…」。

これでおしまい。

余韻もヘッタクレもない。ここまでの駄作、作ろうとしても
作れるものではない。狙ってやってんのかとしか思えない。

唐田・東出問題を抜きにしても、これはない。

ひとつだけ救いがあるとするならば、伊藤沙莉さんの演技のみ。
さすがは安定の伊藤沙莉。どこに出ても、誰と出ても、
こちらが求める以上のものを返してくれる。

ただ…声が…汚い。声がもう少し良ければ主演を張れるのに。
俳優、女優の声…というのも意外と重要なポイントである。

例えば、斎藤工が、さかなクン声だったら、
斎藤工はいまのポジションにはいなかったであろう…。
天は二物を与えた…。




評価 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
nise!(17)