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「復活の日」 1980 [映画・邦画]

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〔1980年/日本/角川映画〕




1982年、米ソ冷戦は雪解けに向かいつつあり、
タカ派のランキン大佐にとっては面白くない情勢であった。

一方、細菌学者のマイヤー博士は自分が作成に携わった
「MM-88」というウイルスが東側に渡ったという懸念に、
頭を抱えていた。ランキンの来訪にマイヤーはMM-88を
奪還できたかと問うが、CIAはまだ奪還できていなかった。

MM-88は極低温下では活動を休止しているが、
気温が上がると活発化して爆発的に増殖する
モンスターウイルスだった。

マイヤーは元々毒性がなかったMM-88にランキンが
各大学で作らせた研究成果を合わせて耐性や毒性をつけ、
BC兵器として完成させていたことを問い詰める。

その事実をマイヤーが告発しようとしていることを
知ったランキンは、軍の息のかかった精神病院に
マイヤーを隔離する。

その頃、日本では南極観測隊に志願した地震予知学者の
吉住が、恋人の則子から別れを切り出されていた。

一方、東ドイツの科学者は米国から盗み出した研究中の
MM-88の毒性と脅威を知り、CIAを通じてサンプルを
ウイルス学の権威に渡してワクチン開発を
依頼しようとしていた。

だが、科学者がCIAだと信じてサンプルを渡した相手は
マフィアであり、彼らはセスナ機で逃走中にMM-88ごと
アルプス上空で墜落事故を起こした。

その直後からカザフスタンでは放牧中の牛が大量死し、
イタリアでは嬰児と幼児を中心に感染が広まっていく…。

かつてのスペイン風邪に倣って「イタリア風邪」と
通称された疾患は全世界に広まりつつあり、
米国大統領リチャードソンは事態を重く見て
閣僚たちと対応策を練るが、爆発的な感染に
ワクチン精製が追いつかず、世界各国では
暴動にまで発展する。

この事態がBC兵器によるものではないかと指摘した
バークレイに救出されたマイヤーはワクチン精製に
取りかかり、ランキンを拘束に追い込む。

一方、タカ派のガーランド将軍は示威目的で
自動報復システムの起動を進言するが、
リチャードソンに拒絶される。

日本国内でも感染を拡大しつつある、
恐るべき致死率の「イタリア風邪」は、
各国主要都市を次々に壊滅させていく。
看護師として患者の対応に追われていた則子は
疲労が祟り、吉住との子を流産してしまう。

イタリア風邪の猛威は、南極にも知らされていた。

ついにMM-88はソ連指導者をも死に至らしめ、
リチャードソンは政敵バークレイと過去を語り合う中、
南極にあるパーマー基地の存在を思い出す。
基地の健在を知ったリチャードソンは最後の大統領令として、
南極に残る各国基地の越冬隊だけが最後に残された
人類であると語り、外出や侵入者を許すなと命令した。

MM-88の脅威はなおも健在であり、ラトゥール博士が
そのサンプルと向き合う中、吉住が新たな脅威を発見する。
それは、まもなくワシントンD.C.の近郊で
巨大地震が発生するというものだった…。




156分という長丁場でありながら、それを感じさせない出来。
前半は人類自らの手による、人類滅亡へのカウントダウン、
そして、大概の物語では危機一髪、
人類のピンチは切り抜けられてしまうが、
この映画では本当に「滅亡してしまう」。

後半はその後の諸問題。
誰もが一度は考える、絶対的に限られた女性の数。
そして多すぎる野郎ども…。

そこへ人類にとどめが刺される。
各国が保有している「核」による報復処置がはじまる。
通常はこれも間一髪で回避されるもんだが、
無情にもドンドコとミサイルはぶっぱなされる。

身も蓋もないテロップが映し出される。
「人類は二度目の死を迎えた」。

もう人類どころか、地球の終わりじゃん!。

その後はこんなうまい具合に?と思わせる事もなく、
怒涛のラストシーンへ…。
果たして人類は「復活の日」を再び迎える事が出来るのか。


ウイルスの脅威に人類が脅かされる今こそ、見返したい一作。
日本が本気を出せば
このような大作が「出来た」時代の名作。

それにしても、1981年に放送されたTBSテレビの吹替版は、
いつソフトに収録されるのだろうか…。





評価 ★★★★★
nise!(12)