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「アルプス物語 わたしのアンネット」 1983 [テレビアニメ昭和]

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〔1983年/日本/日本アニメーション〕




スイスのロシニエール村に住む貧しい農家の娘、
アンネットと、幼なじみで親友である男の子ルシエン。

おてんばなアンネットは幼い弟ダニーの面倒をみながら、
体の悪い母親を助けて家族で仲良く暮らしていた。

ある日、アンネットの飼うオコジョのクラウスが
ルシエンの木彫りを壊してしまい、怒ったルシエンは
クラウスを谷底に投げ捨ててしまう。

クラウスを助けようとしたアンネットの弟、ダニーも
谷底に落ち、歩けない体になってしまった…。





1983年(昭和58年)放映開始、
「フランダースの犬」「牧場の少女カトリ」の
日本アニメーション制作による世界名作劇場第9作、
「アルプス物語 わたしのアンネット」。

この当時、有名どころの海外原作による名作は、
あちらこちらでアニメ化されてしまい、
いわゆる「ネタ切れ」状態にあった。

本作もパトリシア・メアリー・セントジョン先生の
(Patricia St. John)「雪のたから」という、日本人には
あまり馴染みのない児童文学を採用している。

とにかく本作は…怖い。
主人公である女の子、アンネットが怖い!。
物語初期の3か月は通常の世界名作劇場として、
母と子が楽しめるファミリー向けだったものが、
第14話「おそろしい出来事」から物語は一変する。

それ以前から徐々になんとなくダークな雰囲気に
なりつつはあったのだが…。

女主人公の弟が、もうひとりの男主人公により、
崖から突き落とされる。一命はとりとめたが、
弟はかたわ者に…。

それからというものアンネットがルシエンに対し…、
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ずっとこんな目つき。

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これが番組終盤まで延々と続く…!。

「ヒロインに笑顔がない」。

子供番組にとってこれは致命的。
怖すぎる…。

崖から落ちた、落とされた事故も原因はどっちもどっち、
みたいな感じもするが、手をかけたほうが悪いのは当然。
ルシエンは責められ続ける。

人間は過ちを犯す、そして過ちに気づき悔やむ…。
過ちを犯した者を人は許せるのか…?がテーマ。

後半、木彫りを続け涙ながらに悔やみ続ける
加害者ルシエンの姿に、視聴者は同情し、
逆に「アンネット、とんでもねぇ女だ!」と憤慨したに違いない。





評価 ★★☆☆☆
nise!(17) 

nise! 17